♯ 波紋しとしと と雫が落ちる落ちる度に波紋が広がるしとしと と私にも雫が落ちる私の身体の中にも波紋が広がる穏やかな日常に波を立たせて雨が降るしとしと と終わりもせずに雨が降る私にだけ降り積もる幽(かそ)ける雨音目眩の渦に巻き込んで水面に静かに波紋が広がるいつ止むと知れない雨、雨、雨、髪を体をしっとり濡らしながら世界に雨が降る雨がいつまでも波紋を作り続けて世界を濡らす