「ゆぅ………」

4人の間に沈黙が走る。

聞こえてくるのは、愛しい人の息切れだけ。




「俺は………」

呼吸を整えて、裕也が私をじっと見つめる。






「俺が好きなのは、ゆまだけだ」





ドクン―――――。


鼓動が高鳴る。



今まであった色んな出来事を全て払拭しそうな程の強い言葉。





「ちょっと待てよ」

健君が口を開いた。



「裕也………今言った事本当だな?」

裕也は視線を私から健君にうつし、真っ直ぐ健君の顔を見て答える。

「ゆま以外考えられない」





胸の奥が締め付けられる。


誰かに心臓を掴まれているような感覚。


どうしようもない切なさに襲われて、私の瞳からはポロポロと大量の涙が零れた。



「ばーか、何で泣くんだよ」

裕也が苦笑しながら私に近づく。

「んじゃ………やっぱりアンタの勘違いって事か………」

健君が美衣さんに話すと、美衣さんは肩を震わせながら言った。



「あたしは………あたしはこの女なんかよりずっと………ずーっと前から好きだったのに…」

彼女の目からも涙が零れていた。

「あたしの方が……っずっと一緒にいたのにっ………」

裕也は彼女の言葉を聞いてごめん、と言った後私を抱きしめた。

「ゆまがどーゆう気持ちでも、俺にはゆましかいないんだ」


裕也が美衣さんの顔をしっかり見つめながら答える。


久しぶりの裕也の香りにまた鼓動が高鳴った。



「てかもう、俺説明する必要なくね?」

それを見ていた健君が、溜息をつきながら私達に言う。

それと同時に、授業の予鈴を告げるチャイムが鳴った。





グィッ


「えっ………ちょと裕也っ」

裕也に手を引かれて、私は学院の外に連れていかれた。






その場に残される健君と彼女。


「………っ………ひくっ………」

はたから見れば、彼女を泣かせている彼氏に見えているかもしれない。

健君が頭をポリポリ掻きながら、彼女に言った。

「アンタ………一途なんだねぇ」

それを聞いた彼女は、健君をキッと睨み返した。

「だから何よっ」



「俺一途なコ嫌いじゃないの」

それを聞いた彼女は一瞬驚いた後、言った。









「あたしアンタみたいなかっるーい男、だいっきらい」



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