勝海舟の妻は良妻賢母のかがみのような人だった。数々の偉業を成し遂げた勝であったが、女癖が悪かった。あちこちに妾をつくり、雇っていた家政婦にまで手を出した。勝の妻は、その子も我が子同様に育てたという。

その妻が死ぬ間際、家政婦を枕元に呼び、こう言ったという。

「私を勝と同じ墓に入れないでください。死んでまであの人の面倒は見たくありませんから」と。

だから勝の妻の墓は長い間、勝の墓とは離れたところにあったという。今は勝の墓の隣に移されたというのだが。

古くは、妻が耐え忍ぶのが美徳と考えられていた時代があったようだ。


と、少し重々しい文体で始めてしまいましたが、今そんなことが通用するはずがありません。嫌になったら、生きてるうちに熟年離婚です。


うちは結婚して33年になりますが、まあまあうまくやっていると思います。

この前、若い人から「長く夫婦を続けるコツは何ですか?」と聞かれました。

そのときは「お互い必要以上に干渉しないことです」とだけ答えておきました。

私は親しい人の基準として、1時間しゃべらなくても気を遣わない人と勝手に定義づけています。

黙っていても安心してくつろげる仲っていいじゃないですか。

なんでも言い合えるのがいいという人もいますが、不満を言えばきりがない。喧嘩をしながらでも仲がいい夫婦なんてテレビドラマの中だけだと、私は思っています。黙っているのも思いやりだと思うんです。

でも、うちの夫婦はこれだけは口に出して言おうと決めていることがあります。

夫婦はもともと他人ですから、お互いに対等の関係であることを忘れない。なんでも当たり前だと思わない。

だから、何かしてもらったら「ありがとう」。悪かったら「ごめんなさい」。朝は「おはよう」、夜は「おやすみ」。

そんな些細な一言が、夫婦の仲を穏やかにしてくれます。(うちの場合はですが)



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