「雪がとけたら何になる?」

 これは、だいぶ前に一度書いたのですが、国語教室としてもう一度書きます。


 もう何十年も前に、新聞の読者欄に投稿されていた話なんですが、とてもかわいらしい話なんです☺️

 

 東北のある小学校の先生からの投稿ですが

「先日、理科のテストをしたときの話です。

 私は小学2年生の担任をしています。

 

 私は理科の時間に雪がとけたらどうなるかという観察をしました。

 もちろんとけた雪は水になりました。


  そして翌日テストをしたんです。

 問題は

   『雪がとけたら何になりますか?』

 さすがに前の日の授業でやったことですから、

みんな答えは『水』と書けました。

 ところが、スイスイとマルをつけていた私の手がある答案にふと手が止まりました。

 そこには、こう書いてあったのです。

 『雪がとけたら春になります』

 なんて素敵な答えでしょう。

 私はほのぼのした気持ちになり、思わず微笑んでしまいました。

 でも、これはテストです。やはりバツをつけなければなりませんでした。


 次の日、私はその子を呼んで聞きました。

 『なんで、こういう答えを書いたの?』

 その子はこう答えました。

 『だって、おばあちゃんが言ってたもん』


 あるとき、その子とおばあちゃんがこたつに入って外を眺めていたときに、おばあちゃんが言ったそうです。

『この雪がとけはじめたら、春がやってくるんだよ。まちどおしいねぇ』


 それを聞いた私は

『へぇ、おばあちゃんと仲良しなんだ』

『うん』

と、その子はにっこりうなずきました。


 私はなんだか嬉しくなりました。」


 こんな話です。

 私は日本語の豊かさに改めて気づかされました。


 温暖化で季節感が薄れて、同時に季節を表す言葉も実感として伝わらなくなってきた今、

 日本の四季。そしてその季節ごとの美しい言葉が意味をなさなくなってきてあることに、さびしさを覚えます。


 穏やかな気候だからこそ生まれた、細やかで、優しく美しい日本語が消えつつある今、


 そんなことを考えます。


 豊かな言葉は、心を豊かにすると信じているからです。


 

 

 

 

 

 

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