人生岐路に立った時の選択は難しい。
若かった頃の高校受験、短大の進学、私は推薦入学
だったので、対した苦労はなかった。
就職は?親のコネで入った会社。これも苦労なし
そう考えたら私の前半の人生の選択は、さした考えもなく
努力もなく、目指す目標もない安易な選択の繰り返し
でした。

例えばショーケースに並ぶケーキを選ぶ時、私はよく悩む。
あれもこれも食べてみたい、じゃあ全種類買っちゃおう
な~んていうわけにはいかない。
でも、食べたいケーキは次回に買って食べる事ができる。

さて、ここからが本番
乳がんと診断された時の私の選択
リスクとベネフィットで考えてみたいと思う。
無治療(代替治療)を選択したあの頃の私に戻って
対象はイノチになるかもしれない。

『無治療(代替治療)のリスク』

・サプリメント、代替治療は医療保険が使えないので
金額負担が大きい
・治癒しなければ、5、6年で死をむかえるかもしれない
(あと5、6年は生きられる)

『無治療(代替治療)のベネフィット

・抗がん剤と違い副作用が少ない、殆どない
・手術で乳房を失わなくてもいい

僅かこの程度、あの頃真剣に考えたつもりだけれど、
いえ、考え方が偏っていただけだろう。

私は代替治療で完治した人を知らない。
症状の進行が止まった人も知らない。
殆どの人が悪化している。2、3年で亡くなる人もみえる。
私も悪化した。人は自分だけは違うと大丈夫かもしれないと
思いがちである。過去の私もそんな一人だった。

乳がんは悪化すると、滲出液と出血が伴う。辛い痛みもある。
出血が酷くなると動脈から出血し、失血死する危険もある。
そうなると手当も大変になり、誰かの助けも必要になる。
乳房は失うどころか醜くく変形する。
痛みと滲出液と出血は精神的にも辛い。
進行も症状も人により違う。骨転移、臓器転移することも
途中で治療をしようと決断を変えても、進行すれば私のように
手術不可能となり、一生乳がんと付き合っていかなくては
ならなくなってしまう。

もし無治療(代替治療)を選択するのならば、このリスクを
覚悟できるだろうか?
乳がんに罹ってしまったのなら、治療にベネフィットだけを
求めるのは難しい。リスクも必ず伴う。

自身の強い信念で、西洋医学の治療は受けないと、死を覚悟
しているのならば、私は異を唱えるつもりはない。
その人の考えだから。人それぞれ優先順位も考え方も
違うから。

しかし、治りたいと、生きたいと思っているのならば
誰かが言っていたとか、誰かが言っていた事を聞いたから
からとか、情報に振り回されず、
自分自身で中立な立場で、リスクとベネフィットを考えて
自分にとって一番と思われる決断をすべきであると思う。
そして現実から逃げないこと、リスクも受け入れること
自分の命は人任せにできない。




『ブサイクな寝顔』