私が無治療に向かった原因の一つに医師との
コミュニケーション不足がありました。

医師と患者のコミュニケーション不足の原因の一つに
患者と医師の立ち位置の違いがあると思われる。
患者はある日突然『がん』を宣告される。
まぁ、怪しいということで検査を受けてから、ある程度
もしかしたらと云う可能性はあるかもしれない、しかし
検査結果を待つまでの期間は、生きた心地のない気持ちを
抱えたまま過ごす。
そして検査結果がわかる日、祈る思いで良性だったら………
と僅かな可能性を諦めきれないでいる。

『◯◯がんです。』
容赦しないこの言葉に患者は奈落の底に突き落とされる。
多分そうかもしれないと思いながらも、まだ結果が確定した
わけじゃない、もしかしたらと云う一縷の望みは手放せなせ
ないでいるのに………

あの頃の私の場合ですが『がん』イコール『死』のコワイモノ
の方程式が出来上がっていました。

エリザベス・キューブラー・ロスの著書『死ぬ瞬間』の中に
死の受容のプロセスというものがある。
ただしこれは全ての人がこの経過をたどるわけではないと
筆者は言ってます。

『死の宣告』に対して

否認
自分が死ぬということは嘘ではないのかと疑う段階である。

怒り
なぜ自分が死ななければならないのかという怒りを周囲に
向ける段階である。

取引
なんとか死なずにすむように取引をしようと試みる段階である。
何かにすがろうという心理状態である。

抑うつ
なにもできなくなる段階である。

受容
最終的に自分が死に行くことを受け入れる段階である

『がん』の宣告は患者にとってこの『死の受容』のプロセスに
少し似ているのではないだろうか?
それは、多くの初発のがん患者にとって
がん=死の方程式ができあがっているからだと思う。

『否認』

医師に『がん』であると告知された時、私は受け入れられな
かった。この現実から逃れようとした。
過去の日記を読むと

2012年4月11日から抜粋

仕事の帰りにK病院へ寄って19日に行くTH病院の紹介状を
もらってきました。19日14時30分の予約です。K病院へ寄った
後それまで元気だったのに気分が少し沈んでしまいました。
本音は病院へ行きたくないのです。久々にメールをもらった
友人に電話をして少し気分を一新、人と話すことで私は
気分転換できるのです。

途中、本屋へ寄ったら新刊文庫コーナーに「免疫力が上がる
生活下がる生活」という本を見つけたので早速購入、今読み
終えたところです。かなり参考になりました。
著者:安保 徹 東北大学医学部卒、現在新潟大学院の教授
専門:免疫学医学博士の書いた本なので説得力あります。

著者自ら健康診断はなるべく受けない、がん検診はもっての
ほか、薬も飲まないをほうがいいと言ってます。
初期でもがんと診断されれば怯えてしまう。それよりも知ら
ずに体にいいことをやっていれば健康なはずだ。そう思って
生活したほうが健康に暮らせると書かれてます。

内容は免疫システムと免疫力と心の関係、がん発症のシステム
がん治療が命を縮めていること過度の労働とストレスが
がん発症の原因、一晩の徹夜で免疫機能が10歳分落ちる。
(いくらやりがいのある仕事でも過度な労働は大病のもと)
がんを発症させても免疫力を高め心のありようで治癒する
ことができる。等々

私はこれを読んで、今までいかに「がんになるような生活」
をしていたのかと実感しました。本当に自分の体にごめんな
さいです。流石にまだ「がんよ、ありがとう」と言えませんが
自分の今までの生活と性格を見直すきっかけとなりました。

そんな訳で、今更遅いですが、TH病院へ行くことがいいのか?
と思ってます。いっそのこと
「がんかもしれない、でも進行具合は分からない」この状態で
自分の生活を見直し健康に留意して日々暮らしたほうが、
はるかに体にいいのでは?と思いました。だって事実を目の前
に突きつけられても、自分の免疫力を低下させる治療は受ける
つもりはないですから、ショックを受けて免疫力低下
させたくない。そう思いました。

この心情はまさに拒否、自身が乳がんであることから逃げ
出そうとしています。

『怒り』

私の怒りについてはどうだっただろう?自分が乳がんである
ことで周囲に怒りをブチまけてはいないまでも、親しい知人に
『がんでないあなたには分からない』そういう言葉は何度か
発したと思う。そして、過去の日記を読むと、母によく怒って
いた。母の頭の壊れ加減は現在の方が進んでいるが、私が
沸騰爆発する度合いはあの頃の方がずっと多かった。
『私が何で乳がんにならなくてはいけないの!』という
直接的な怒りはなかったけれど、怒りという感情は違う形に姿
を変えて、常に私にまとわりついていたと思う。

『取引』

この乳がんを何とかしよう、標準治療以外の道を、手立てを
必死に探し回ってました。
自身の免疫力を高めるために、NK細胞増やす為には笑わな
なければと、落語を聞いてみたり、いいと云われる
サプリメントを服用したり、食事はかなりストイックになり
肉類、糖質、添加物のあるものは口にしない。食べたら毒だ
と、罪悪感にかられるそんな気持ちでした。
毎週末東京まで出向き、ホリスティック医療の研修会に参加も
してました。兎に角何とかしようと必死だった自分を覚えて
います。


『抑うつ』

う~ん、これは私の場合、時間が経ってから、かもしれない。

ー長くなるので続々に続くー






ぴょん『毎日あついにゃあ』