私が小学生の頃、サンリオは女子の教祖的存在だった。


その中でもハローキティはサンリオが飛躍した象徴とも言えるだろう。




近所にサンリオショップがオープンした際は狂喜乱舞したものだ。


夢中になったキャラクターで年代がわかるのも皮肉なものだが、今では希少のパティ&ジミーも好きだった。

ご存知の方、膝を突き合わせて語りたい。。




パティ&ジミー(参考画像)





今もハローキティには根強いファンがいる。

でも、あの頃のキティの立ち位置は絶大で、初期の赤リボンでおすわりポーズの元祖キティが私にとってのキティちゃんなのだ。




近所にオープンしたサンリオショップへは母ともたびたび出掛けた。


とは言え、なんでも買ってもらえたはずもなく、文房具やちょっとした小物が限度。



電気スタンドや三段のミニキャビネット、部屋に欲しかったなあ。






それがある時、エプロンとスリッパ、そしてボストンバッグを一度に買ってもらえたことがあった。

それも妹とお揃いで。

誕生日でもなんでもない。





すると数日後に、父が帰ってきたのだ。

父は長い年月を他国駐在しており、帰国は毎年クリスマス休暇と他に一度程度だった。



父がキティエプロンを身につけた私たちを抱えるように写る写真が残っているので、記憶は間違ってないはずだ。





亡き母は決して厳しい人ではなかったが、昭和の女性だ。

簡単にわがままを聞き受けてくれる人でもなかったのにだ。


父の帰国が迫った日、母は嬉しさのあまり手放しで娘に甘い顔を見せたのだろうか。




それとも

「貴方が不在でも2人に不憫な思いはさせてないわよ」

父への示唆だったのか?



なんとも言えない。





当時の母は30代前半だった。

今の私より遥かに若い。



夫の長い留守の間、心が微かにでも揺れることはなかったのだろうか。



聞いてみたかった。







デアゴスティーニから復刻キティコレクションが発売されている。


夫がこれをぶら下げて帰ってきた。


書店に寄ったら創刊号399円で安かったからと。












キティの古ぼけたマグカップや塗料の剥がれた卓上ミラー、集めまくったレターセットなど。


実家の私の部屋の白いドレッサー。これも流行った。


そこに仕舞ってあるコレクションを見せたことがあった。



書店の前でふとそれを思い出したらしい。