続き
ピクニック当日の午前。
よく晴れたいい天気!
従者用キッチンでロチュス様と料理を始める。
昼食はハンバーグを入れたサンドイッチと野菜くずのスープ。
パテは無かったので、ハンバーガーには出来なかったのだ。
ロチュス様は、小さいエプロン姿と頭はポニーテール・腕まくりもしてやる気満々!
いつもと違う装いと、中学生とはいえ年下の子が頑張ろうとするその姿はとても可愛らしい。
「さて、手も洗いましたし始めましょうか」
「ええ!準備はバッチリよ」
ロチュス様には先日アルディさんから貰った野菜くずの芯を洗い芯にくっ付いている葉を手でちぎってもらう。
それから小さくなった野菜を切ってもらう予定だ。
ペリ…ペリ…。
苦無くどんどん剥がしていく。
私は今のうちにまな板とロチュス様専用の少し小さめの包丁を取り出す。
小さめといっても普通の包丁より一回り小さめであまり変わりは無い。
料理初めてとはいえ、さすがに幼稚園児や小学生が使う物を出すわけにはいかないし、そもそもそのような便利な物はここには無かった。
だから、アルディさんに相談して少し小さめの包丁を貸してもらったのだ。
「よし、次は芯の方を切っていきましょう。」
葉を毟られ三角錐のようになった芯を横に倒しゆっくりと切っていく。
えっと、左手は猫の手よね?と聞きながらトントンと音を鳴らす。
「それにしても堅いところも食べられるのね~」
「はい、小さく切ると物には寄りますが食べられます、といっても私も滅多には食べませんが」
でも栄養がたくさん入っているみたいですよ~と付け加えながら鍋に水といれ火を付ける。
その後は、ロチュス様が野菜を切ってくれるから私はお肉を挽肉に。
トントンと野菜くずの芯を切ってもらった後、鍋に入れる。
そこにコンソメの素となる調味料を入れてもらった。
「これでほとんどスープは出来ました。後は煮込むだけです」
「楽しみだわっ!次は何をすればいいの?」
両手をグッと握りしめ胸の前に持って行きながら興奮気味になっているロチュス様。
とても楽しんでいるようだ…。
「では次はこれを皮をむいて細かく切っていただきます」
といいながら玉ねぎを渡す。
うーん、なかなか向けないわね…。といいながら玉ねぎの上の方をつまんでペリペリと剥がしているが大きく剥けない。
「ロチュス様。玉ねぎを横にして上と下を少し切ると剥きやすくなりますよ」
「こうすればいいのね」
クッと玉ねぎの上を切ろうとするが、玉ねぎが少し大きく転がりやすいため切りずらそうにしている。
「ロチュス様、後ろ失礼しますね」
とロチュス様の後ろから自分の手を上から添えた。これで少しは切りやすくなるかな?
ザクッと鳴り切り落とす。この調子で下の方も切り落とすことが出来た。
「ありがとう、サラ」
少し照れているのかロチュス様ははにかんだ。
水につけながら皮を剥くといいと伝えて、私はお肉を挽肉にするため機械にお肉を入れてハンドルを回す。
実際に挽肉にするのは初めてで、思わずおおっ!と感激の声がこぼれる…。
挽肉を軽く混ぜて、機械を洗っていると…。
「うう…。グスッ…サラァ~」
と涙をこらえながらロチュス様が呼んでいる。
ああ、玉ねぎの効果か(笑)
「ロチュス様、換気しましょうか。玉ねぎはゆっくり切っているともっと涙が出てしまうので、気持ち早めに切りましょう。
私も切りますね。」
うん、お願い…。とロチュス様の小さな声を後ろに聞きながら窓を開け、手を洗い直して玉ねぎのもう半分をみじん切りにしていく。
「ねえサラ。どうしてそんなに早く切れるの?」
ロチュス様の手元の玉ねぎは少し大きく形もバラバラになっている。初めてはみんなそうだ。
「そうですねぇ、これは慣れですね。私も初めての頃は遅くて見た目も大きくなってしまっていましたが、自分で作りたい物や食べたいものを作っているうちに細かく早くなりました。きっとロチュス様も何度も練習をしていけば、出来るようになりますよ。」
そうなのね、私もいっぱい作ってお父様やお母様に食べてもらいたいわ!とロチュス様は玉ねぎとにらめっこを再開した。
しばらくして野菜のみじん切りが終わり、挽肉と調味料を混ぜる。
ロチュス様は体を大きく動かしながら一生懸命混ぜている。
ペチャペチャと混ぜる音を聞きながら、スープの味見。…うん、いい感じだ。
ふとロチュス様と目が合い、あっ!ずるい!!とした顔をしたのを見て思わず笑ってしまった。
スープを少し小皿に入れて口元に持っていくと…。
「美味しい!」とご満悦。
ひとしきり混ぜた後は成形。
ヘラで軽く全体を整えた後、手のひらサイズにするよう切り分けてその中から一つを手に取る…。
「次はこれを少し楕円状にして、中の空気を抜きます。見ててくださいね」
そう伝えて、形を整えて左手から右手へパンッと移す。
もう一度今度は、右手から左手へと移して見せる。
「ほぉ…。やってみるわね」
とぎこちない手で整えてロチュス様は右手から左手へ押しつけるような感じで移した。
う~ん、なんか違うわね…。といいながら何度も移し替えている。
パンッ!といい音が鳴った。
ぱぁっとロチュス様の顔が一層明るくなり「出来た!出来たわ~!!」と嬉しそうに笑った。
「とてもお上手ですよ、ロチュス様。」
完成が楽しみだ…!
続く…
