図書館に通う。 | デュアンの夜更かし

デュアンの夜更かし

日記のようなことはあまり書かないつもり。

 11月16日(月)

 図書館に、通ってやろうかな。と、ぼんやりふけっているときに思いついた。……この話を展開していく前にどうしても処理しておきたいことがあるから、それをば。今しがた帰ってきて部屋に直行しパソコンを開いてWordを起動させた。そしてぱちぱちと打ちはじめたのだが、どういうわけか入力する際のアルファベットがすべて大文字で現れるのだ。特に何をいじくったわけもなく、また、自分以外の誰かが触ったことも考えられない。別段不便は感じないのだが、違和感が半端ではない。いったいどういうことだ、という話。

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 図書館に、通ってやろうかなと思いついた。それは単純に、そこに行けば無数に本があり、八方美人な自分の知的好奇心を絶えず刺激してくれるであろうから。もう一回り二回り大きくなるためには頭ばかりがでっかくなっても仕様がないのだが、来たる日のために(ほんとうにそんなときが来るのか?)、とりあえず頭(知力)を大きくしておいて、不釣合いな体(体力)に「早く追いついてこい」と発破をかけてやるのも一案でおもしろい。そしてなにより、そういう公の場に身を晒せば、だらしないサボりはしようにもできなくなるという効果が期待できる。前までは喫茶店などを、そういう役割として利用させてもらっていたのだが、やはりうってつけの場所の地位は図書館に不動だ。遠回りしたけれど、ようやくひとつの答えにたどり着いたという気持ち。図書館に、通ってやろうかな。

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 大学在籍当時、とりわけ「高学年」になれば、もはや大学と書いて図書館と読むほど、図書館漬けの日々だった。幸運なことに通っていた大学の図書館の規模は相当に大きく、考えつく限りの「そんな本はないだろう」というキーワードを打ち込んで検索にかけてみても、「該当なし」のメッセージが出ることはなかった。なので大学の図書館は、行けば必ず、帰りのセキュリティゲートは大満足の表情でくぐっていたという打率10割の見事な期待の応えっぷりだった。

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 奇妙な順序だが、大学のそれで図書館の素晴らしさを知って、それで町の図書館にも本格的に目を向けるようになった。通ってやるつもりに少し気持ちが傾いている図書館なのだが、初歩的かつ最も重要な問題がある。「手ごろな距離にそれはあるか」というものだ。あるにはある。十分に、ある。だけど、欲を言えばもう少し手近なところにそれはあってほしかった。徒歩圏内、ぜいたくを言うとそんなところだ。単にぷらっと歩いて図書館に行くという生活に憧れを抱いているだけなのかもしれないが。

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 図書館に行けば、静かで、調べ物には事欠かず、なによりがんばっている人が周りにたくさんいるという理想的な環境が得られる。何ごとにおいてもほとんど生まれたてに近い今の自分ならば、どんな図書館でもきっと自分の要求は満たしてくれそうだ。「突然『文字入力』が『大文字』になって『戸惑』う、『歩いて図書館に行く』生活に『憧れ』を持つ中肉『小背』二十代前半の『男』」、そんなキーワードを打ち込んでも何らかの該当する書物は得られそうだ。そうなったらもう笑って、なんとしてでも住民票をそこに移すまでだ。

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 なにはともあれまずは、文字入力をもとの小文字に戻す方法の載った本を読みたい。図書館に、通ってやろうかな。