誰も何も考えずに毎日ただひょうひょうと生きてはいない。
ボクらには毎日、考えなければならないことが山積みだ。
ちょっとした小説のキャッチフレーズみたいな書き出しになってしまったが、これはほんとのこと。
『毎日毎日、いろんな瞬間でたくさんのことを考えているわけで。
その結果、すごい勢いで問題は解決されていっている。
でも、解決すればするほどもっと多くの問題が生じてくるもの。
ひとつが片付けばすぐまた次の問題が待ち構えていて。
これはきっと老若男女、例外なくみんなに課せられた、生まれた瞬間から死ぬまでずっと続く、口にするのは少し照れるが、宿命、であって。
開けても開けても先には開けるべきドアが続いているような状態。
ほんとこんな状態。「出口の見えない迷路」とはニュアンスがちがう。そこまで絶望的ではない。
たまねぎに似てるな。「皮をむいてもむいても中身がない。いくらでもむけるぞ」みたいな。
中身になんて実はすぐにたどり着いてるのに。
そうなのかもしれない。いや…。くぅ。
ピンときたのによくわからなくなってきた。
問題や悩みについて「どうしてこんなに悩み続けなければならないのか」と嘆くときもあれば「人間の問題解決機能は優秀だなぁ」と称賛することもある』
そんなもんだなぁ。と、帰りの快速電車が地元のホームに到着して、ドアが開くまでの2秒ぐらいに思った。
大学生なりに一段落ついて、一瞬だけゆとりが生まれたのだろう。
それでももう次の課題と対面して。
とにかく解決しなければならないことが山積みだ。
しかし『たまねぎ』の件は悔やまれる。