はじまりは変な商人。 | デュアンの夜更かし

デュアンの夜更かし

日記のようなことはあまり書かないつもり。

商人:『この矛は良いですぞ。いかなる盾をも貫き通しますからねぇ。

    そしてこの盾も良いですぞ。いかなる矛をもってしても貫くことはできません

    からねぇ』

客:『ではこの矛でその盾を突いてみたらどうなる?』

商人:『……』


矛盾。辻褄が合わないこと。筋道が通っていないこと。


矛盾と聞いただけで反射的にマイナスなイメージを持ってしまうのはふつうなこと。

つまり矛盾は良くないこと。ダメなこと。

でも世の中矛盾が多い。矛盾だらけだ。


矛盾することなく生きていくのは不可能だろう。

そのぐらい矛盾せざるを得ない状況というのはいくらでもある。

はっきり言ってボクは矛盾の無い世界で生きていける自信がない。まったくない。


矛盾が少ない日常を過ごしている人というのは、妥協を許さない人なのだろう。揺らぐことのない自分の信念を持っている人なのだろう。絶対に超えてはいけない一線というのをハッキリと引いている人なのだろう。

自分の勝手な都合を決して優先することがない人なのだろう。


裏を返せば、矛盾しているときは自分が都合のいい思いをしている。

わかっていながら開き直っている状況だ。


あぁなんて愚かなんだ。


でも、矛盾の無い世界で生きてなんていけない。


もし

『矛盾スルモノハ流罪ニ処スル』

なんて法律が定められたらやばい、やばいぞ。

黒潮に乗るように流されるだろう。くそ、よりによって日本最大の海流かよ。なんとか親潮ぐらいにマケてもらえないものだろうか。

たくさん署名を集めたらこの要求を聞いてもらえるだろうか。

それでもダメなら、行進だな。デモ行進だ。

『おーやしおっ!おーやしおっ!おーやしおっ!』

といった具合いだな。拡声器はどうしよう。やはり生の声がいちばん届くな。よし、拡声器は、ナシだ。


準備は着々と進んでいる。


矛盾は続く。