今日は、都内でもワンタン麺が美味しい店として必ず上位に名前があがるという飯田橋「髙はし」さんの「雲吞麺」風の一杯を作ってみました。
今から10年前に何度も食べてるので、そのときの味を思い出しながらになりますが、懐かしいので、今日もとても楽しみです。
「千代田ビル街 飲食街」の話
飯田橋の駅を出てすぐ目の前の神田川沿いに今にも倒壊して川に崩落しそうなオンボロビルがあり、そこに店を構えるのが「中華そば 髙はし」さんです。
そのオンボロビルの話だけでしばらく盛り上がれそうなので、先にそちらを少し掘り下げてみようかなと思いますが、ビルは2階建て8棟の長屋のような形状で、神田川にぴったり寄り添うように建っています。
戦後まもなく木造長屋として建てられ、昭和40年に鉄骨で建て替えられ現在に至っているそうです。
ビルの名前らしき「千代田ビル街 飲食街」という昔風の書体で書かれた看板があり、焼肉屋や焼きとり屋、立ち飲み屋、スナックなどが入居していて、昼間は閉まっててひっそりしているため、昼に見ると廃墟と間違えそうになります。
是非、リンクをたどってみて、ビルの様子を画像で確認してみてください。
これはまるで昭和レトロのテーマパークだね。
歩道橋側や空から撮った光景も必見だし、昼と夜で趣がまるで変わるところも興味深いね。
管理人は、実は「髙はし」さんだけでなく、このビルのいちばん手前(駅から見て)にある「信州ほるもん亭」さんにも何度もお邪魔したことがあります。
IT関係の仕事は、数ヶ月とか数年単位で同じ現場に通勤するんだ、10年前は飯田橋に居たんだよ。
その頃は昼食や残業めしで「髙はし」、夜はたまに「信州ほるもん亭」で一杯って感じだったよ。
あら、店長さんはIT関係の仕事もしてたのね。
SE職の店長さんとか、全然想像できないわ。笑
長野県産の新鮮なホルモンを七輪の炭火で焼かせるスタイルの店で、とにかく安いわ旨いわで、ホルモン好きには絶対行ってみて欲しいお店の1軒です。
管理人のおすすめは味噌味のマルチョウです。
うわっ、僕もホルモン大好きなので、これは絶対に行かねば!
そして飲んだあとの〆で「髙はし」さんかな。笑
1階をのぞくと、カウンターが4席だけと一見狭そうですが、2階と地下にもフロアがあり、ちゃんとテーブル席もあって、席数は全部で30ほどとまずまずの収容力です。
さて、飯田橋といえば、JR中央総武線、東京メトロ東西線、有楽町線、南北線、都営地下鉄大江戸線などが交錯する、都心のど真ん中で利便性の高い立地。
そんな飯田橋の駅のすぐ前にあって、再開発の波に飲まれることもなく、現在も古い佇まいをそのまま残しているのが不思議ですよね。
次は、そんなノスタルジックなビルで、30年以上も行列が絶えないという「中華そば 髙はし」さんのラーメンがどんな感じか、見ていくよ。
「こうや系」と「髙はし」の話
「中華そば 髙はし」の創業は1991年。
四ツ谷の有名店「支那そば屋 こうや」で修業した店主が独立開業したお店です。
実は「こうや」で修業して独立していった元弟子たちのお店が都内に10軒ほどあり、これらのお店は「こうや系」と呼ばれる一大勢力なんです。
「こうや系」は麺顔に特徴があるから、ひと目見てこうや系のお店だとわかるよ。
「こうや系」のお店は麺顔に特徴があります。
丼は白無地、塩とも醤油ともつかない半透明のスープの表面は多めのラードや鶏油で覆われ、白っぽいストレート細麺がスープに沈んでいます。
そしてたっぷりの万能ネギが丼の半分近くを占めるように浮かび、濃い色のメンマと大判の豚バラロール焼豚、焼き海苔が添えられます。
そのビジュアルは僕も見たことありますよ。
きっと、そのときそうとは知らずに「こうや系」のお店で食べたことがあったんだね。
そして「こうや系」といえば、なんといってもワンタン麺が人気なんです。
こうやのワンタンは、肉餡が濃い茶色で肉団子ほどの大きさがあり、てるてる坊主のような形で、その頭のてっぺんが "つみれ" みたいにくしゅっとへこんでいます。
めっちゃ美味しそうだわ。
こないだ広州市場というお店でワンタン麺を食べてから、私もワンタン麺が好きになったわ。
麺顔=見た目の話だけでなく、お味のことも書きますね。
まずワンタンですが、豚挽き肉に鶏挽き肉、ネギ、干しシイタケ、干しエビ、白菜、味付けは紹興酒、オイスターソース、塩、こしょう、チャーシューのタレ、背脂。
ずいぶんといろんな材料が入ってるんですねぇ。
スープは豚骨と鶏がらを7:3の割合で炊いた、わりと獣臭のするタイプ。
カエシは醤油と塩で、色が薄めの塩ラーメンのような半透明のスープになります。
そこにやや多めの油(ラード)が浮きます。
麺は歯応えぱつんの低加水ストレート細麺です。
だいたい味の想像がつくでしょうか。
うわぁ、獣臭のする半透明の塩スープってだけで、もう食欲が湧いてきます。
めっちゃ早く食べたいです。
「髙はし」の「雲吞麺」風の一杯を作ってみる
こちらのお店では、ワンタン麺を「雲吞麺」と表記するんですね。
早速、「髙はし」の「雲吞麺」風の一杯を作っていきますよ。
毎回書きますが、お店の味を完全再現とか、素人がそんな大風呂敷を広げるつもりはなくて、あくまでも見た目と味の雰囲気だけ寄せて、おうちでお店のラーメンを食べたような気分にひたって楽しんでくださいね、というのが趣旨です。
私も毎回言うわ、家でお店のラーメンを食べた気になれれば、それで十分満足なのよ。
麺
低加水中細ストレート麺・・・・・150g
低加水をうたった中細ストレート麺って、スーパーでもなかなか見かけないですが、「埼玉物産」さんの「本格熟成ストレート麺 極細生ラーメン」という商品がちょうどおあつらえ向きです。
博多ラーメン向けの商品っぽいですが、実際はそこまで細くないです。
ちなみに、元フジテレビアナのカトパンこと加藤綾子さんの旦那さんが社長を務めるロピアさんで、100g×4食入りの商品が税別189円で手に入ります。
ロピアは月に一度はまとまった買い出しに行くわ。
一頭買いの和牛などお肉や魚コーナーが品揃え豊富で安いし、ビッグサイズの総菜も魅力なのよ。
それともうひとつ、乾麺ではありますがマルタイ棒ラーメンが低加水ストレート麺として使ってみると、とても秀逸です。
でん粉をアルファ化しない製法により、乾麺なのにまるで生麺のような茹で上がり、そしてまさしく低加水麺のような歯ごたえと食感に驚かされますよ。
「髙はし」の麺の茹で加減はわりと軟らかめ。
だけど、それだとあまり美味しくないので、やはりぱつぱつ食感の硬めに茹で上げます。
スープ
塩茹で豚の茹で汁・・・・・400ml
顆粒 昆布だし・・・・・小さじ1
顆粒 鶏がらの素・・・・・小さじ2
白だし・・・・・大さじ1
自家製焼豚の煮汁・・・・・カエシ用に煮詰めたもの 大さじ1
ラード・・・・・大さじ1/2
鶏油(チーユ)・・・・・大さじ1/2
いつもは市販の液体スープをベースにしますが、今日は塩茹で豚の茹で汁の豚だしと塩分に、顆粒だしや醤油代わりの焼豚の煮汁を加えて作ってみました。
仕上げにラード、鶏油(チーユ)を浮かべます。
塩茹で豚というのは、豚バラや肩ロースのブロック肉を文字通り塩茹でしたもので、茹で上がったら厚めにスライスして、からしをつけて食べる料理です。
その茹で汁が結構いい出汁が出ていて、捨てるのはもったいないので流用します。
わりと獣臭っぽさもありますよ。
ちなみに、管理人のイタリア料理ブログのこちらやこちらの記事を参照してみると、
イタリア風の茹で豚ではありますが、イメージが沸くかと思います。
ワンタン(40個分)
ワンタンの皮・・・・・40枚分
豚挽肉・・・・・200g
ネギ・・・・・2cm分をみじん切りにしたもの
生姜・・・・・1/4片をみじん切りにしたもの
料理酒・・・・・大さじ1
醤油・・・・・大さじ1/2
胡椒・・・・・少々
「こうや系」のワンタンとは全く違う、ありきたりのレシピです。
材料をよく混ぜ合わせて、ワンタンの皮に包んで、打ち粉をしながらバットに並べていきます。
すぐに使わない分は冷蔵、もしくは冷凍保存します。
トッピング
せっかくなので髙はしの「雲吞麺」に乗っているものと同じ具材をチョイスしていきたいと思います。
自家製 豚バラ ロール焼豚・・・・・1枚
メンマ・・・・・適量
万能ねぎ・・・・・適量
ワンタン・・・・・上記参照 4-5個
焼き海苔・・・・・4切 1/2枚
調理工程
丼に熱湯を注いで丼を温めておき、小鍋に塩茹で豚の茹で汁を沸かして顆粒だしなどの材料を加えてよく溶きます。
麺を茹で始めたら丼の湯を捨て、小鍋に沸かしたスープを丼に注ぎ、最後にラードと鶏油を浮かべます。
麺は指定の茹で時間よりかなり短め(写真撮影なども考慮)で茹で上げます。
ちなみにマルタイ棒ラーメンを使う場合は、乾麺なので100gぐらいとし、茹で時間も3分となってますが、よりぼそぼそ食感にするため1分30秒で上げてしまいます。
丼のスープに麺を移し入れ、手前から時計まわりに焼豚、ネギ、ワンタン、海苔を、中央にメンマを配置すれば出来上がり。
自己採点
お待たせしました、ラーメン出来上がりました。
盛り付けはもちろん、髙はしさんの「雲吞麺」に寄せてあります。
どうですか、なかなか美味しそうでしょう。
きゃー、めっちゃ美味しそう!
ワンタンがぷりぷりしてそうで、食欲をそそるわ。
おーっ、スープにラードがたっぷり浮いてて、この麺顔から、こうや系だとすぐにわかりますね。
まずは丼全体の景色をじっくり鑑賞します。
写真撮影する場合もそうですが、麺がのびるので慌てずゆっくり急いで。笑
丼に顔を近づけると、立ち昇る湯気から獣臭とまではいかないものの豚だしと鶏がらの風味がしっかり香ってきます。
そしてスープをひと口いってみます。
確かに、醤油の味は控えめで塩スープに近いですし、豚だし主体の旨みもあります。
表面のラードが熱々なので、やけどしないように。
では、みんな大好き(笑)麺リフト、いきます。
毎回言うけど、僕もコレいつもやってます。
お店の人に「早く食べないと麺がのびるだろ」って苦笑いされるやつですね。
色が白っぽくていかにも低加水のストレート麺で、なかなかいい線いってますね。
ぱつぱつな噛み応えとぼそぼそ食感で、小麦の香りもあって、とても美味しいです。
それじゃ今日のお店風ラーメンを自己採点するよ。
では、自己採点いきます。
ワンタンの感じがだいぶ違うけど、ラードが覆うスープに大量の万能ネギが浮いて、半透明のスープに沈んだ色白の低加水麺が食欲をそそり見た目は85点、豚骨などを炊いた獣臭の強いスープには遠いですが、まぁ雰囲気は出てるので味も85点です。
何度も言いますが、お店の味を完コピしようってわけじゃないので、おうちでお店のラーメンを食べた気になって楽しんでくださいね、というのが趣旨です。
大変美味しゅうございました。
今日もごちそうさまでした