今日はいつものラーメンではなく、古き良き「町中華」を取り上げます。
町中華で注文が多いのがラーメンと餃子(ギョーザ)で、人気のツートップですが、それに加えて外せないのが炒飯(チャーハン)ですよね。
というわけで、今日はおうちで町中華風の炒飯を作ってみたいと思います。
管理人は町中華も炒飯も大好きなので、今日もとても楽しみです。
愛しの町中華
最近、町中華という言葉をよく耳にするようになりましたよね。
町中華とは、古くから地域に愛される、中華料理が中心の大衆食堂のことです。
BS-TBSのテレビ番組「町中華で飲ろうぜ」が放映され人気になったり、スーパーでは町中華の味が再現できる調味料やレトルト商品などが並ぶなど、ちょっとしたブームにさえなっています。
「町中華で飲ろうぜ」は毎週観てますよ。
玉さんのおやじトークもいいけど、高田秋ちゃんのポンコツ姐さんっぷりが面白いんだよね。
町中華ブームの背景には、バブル崩壊からの「失われた30年」という長きに渡って、日本経済がデフレ状態にあったことがあげられます。
安くて、早くて、それでいて美味しくてボリュームもある、そんなものが求められる時代が長らく続いたため、人々の目があらためて町中華に向いたわけですね。
サラリーマンのランチはワンコイン以内が当たり前だったし、1,000円前後で気分よく酔えるセンベロなんて言葉が生まれたりしたよね。
旦那の給料が上がらないから私もパートに出たり、何を買うにもいちいち節約したりしてたわ。
一方で、昭和レトロに対する若者の意識変化も要因としてあげられます。
年季が入った外観や店内から醸し出されるレトロな雰囲気はもちろん、頑なに安さと量の多さを譲ろうとしない店主のストイックなところが再評価されているわけです。
古ぼけた雰囲気もいいし、どれも安くてボリュームがあるから、僕は前から町中華に通ってるよ。
頑固な大将ともすっかり顔なじみだよ。
さて次は、そんな愛しき町中華でどんなメニューが人気なのかを見ていきます。
町中華の人気メニュー
町中華で今日は何を食べようかってときは、まずラーメンは外せないですよね。
イメージするのはきっと昔ながらの中華そば、つまり醤油ダレに鶏がらスープを合わせた、飾り気のないごく普通の醤油ラーメンではないでしょうか。
初めて入るお店ならなおさら、まずは醤油ラーメンを食べてみるべきです。
鶏がらベースのラーメンスープは町中華の命。
お店の力量を計るならまずは醤油ラーメンだよ。
ラーメン専門店とは違って中華料理店なので、他にも湯麵(タンメン)や五目そば、もやしあんかけラーメン、天津(てんしん)麺なんてのも人気があります。
今日は麺類だけで済ませたいってときは、そういうボリューミーなのを頼むのもアリですね。
でも町中華って他に何品も頼みたくなるからなぁ。
ラーメンの次に思いつくのは餃子(ギョーザ)ですかね。
ラーメンを頼むついでに「あと餃子もね」なんて、マックで「ポテトもね」みたいな感じでついつい注文したくなるサイドメニューの定番です。
うちの旦那も「とりあえずビールと餃子」を頼んで他はゆっくり考えたりしてるわよ。
餃子をつい頼んでしまうのは、やっぱり町中華がどれも安いからですよね。
醤油ラーメンはだいたいワンコイン前後だし、餃子も300円ぐらいだから、それじゃ餃子もってなりがちです。
それと、ラーメン専門店と違って町中華の麺の量はそれほど多くなく、ラーメンだけだと少しもの足りないのが逆に奏功して、他にもいろいろ頼めるのが楽しいんです。
僕もいろいろ頼みたいから、ラーメンだけってのはまずなくて、餃子もマストで注文します。
町中華はいわゆる大衆食堂なので、定食系のメニューも人気ですよね。
定食メニューの定番といえば「炒めもの」です。
肉野菜炒めとか、レバニラ炒め、青椒肉絲あたりがわりと人気ですかね。
僕は酢豚や麻婆豆腐が好きかな。
あとは、高田秋ちゃんも大好きなキクラゲ卵とか。
「炒めもの」とは言うけど、町中華ではまず具材を素揚げ(油通し)してから中華鍋に移して、手早く炒めながら味付けして仕上げるんだよ。
以上、町中華で人気のいろんなメニューが出てきましたよね。
その都度「そうそう、それな」とか思って聞いてましたけど、あれ、もうひとつ何か大事なものを忘れてないですか?
そうなんです、ラーメンと餃子のツートップと並んで人気なのが、今日これから作る炒飯(チャーハン)です。
僕は気分で、ラーメンと餃子と半炒飯のセットか、炒飯と餃子と半ラーメンのセットが多いよ。
私なら、炒飯は家でもよく作るから、お店でないと食べられないものを注文したいわ。
なるほど、でも家庭で作る「炒めご飯」と町中華の「炒飯」とでは、だいぶ違いがありそうだよ。
まさに、そこなんですよね。
むしろ、炒飯こそお店でないと食べられないメニューかもしれませんよ。
町中華風「炒飯」を作ってみる
では早速、町中華風の炒飯(チャーハン)を作っていきますよ。
今日は、ごく普通の「五目炒飯」とか「卵炒飯」などと呼ばれているものです。
材料(一人前)
冷やご飯・・・・・電子レンジで温めたもの 茶碗1.5杯分(0.6合)
自家製焼豚・・・・・1cm角ぐらいに刻んだもの 2枚分ぐらい(※1)
卵・・・・・2個
なると・・・・・0.7mm角ぐらいに刻んだもの 適量
刻みネギ・・・・・適量(多め推奨)
炒め用の油・・・・・ラードまたはサラダ油 大さじ3
(※1)焼豚の代わりにベーコンを使っても意外と中華っぽく美味しくできます
材料は家庭で作るのとあまり違わなそうね。
焼豚は普段は家にないから、私はベーコンを使って作ってみようかしら。
調味料
おろしにんにく(チューブ)・・・・・1cm
おろし生姜(チューブ)・・・・・1cm
香味ペースト(チューブ)・・・・・2cm
醤油・・・・・小さじ1
塩・・・・・ひとつまみ
料理酒・・・・・大さじ1
鶏油(チーユ)・・・・・小さじ1 1/2(※2)
(※2)鶏皮をかりかりに炒って採取する脂(画像は自家製鶏油)
(手作りするのが面倒な方はこちらの市販品が安くて便利です)
調味料もどこの家庭にもありそうだし、チューブを使うところも手軽でいいわ。
鶏油(チーユ)だけは、普通の家庭にはないわね。
鶏油(チーユ)は必ずしも必要でないけど、あると断然風味がよくなって、お店のような味になるよ。
炒め用の油として鶏油(チーユ)を使ってもOK。
調理工程
では、早速作っていきます。
材料を切ったり、チンしたり、卵を溶いたりは事前にやっておきますよ。
とにかく手早く調理しないとなので、調味料も全部小皿に出して用意しておきます。
それと、テフロン加工のフライパンではなく鉄製の中華鍋を使うのが前提です。
鉄製の中華鍋はたしか実家にあったような気がするから、今度帰省したら借りてこようかしら。
まず、中華鍋を強火にかけ、煙が出るまでよくプレヒートします。
鍋が十分温まったかどうかは、ライデンフロスト現象で確認します。
ライデンフロスト現象とは
鉄鍋を熱してる途中で鍋に水滴を垂らすと、最初はべちゃっと鍋肌にくっついてすぐに蒸発してしまいます。
煙が出るぐらいまで熱してから水滴を垂らしてみると、今度は水滴がコロコロと玉のように弾かれて鍋肌を滑り、なかなか蒸発しない状態に変化してきます。
この現象のことをライデンフロスト現象といい、中華鍋やダッチオーブンなど、鉄製の鍋が焦げつかずに調理できる状態になったことの目印しとなります。
左側 鍋底部分:中華鍋の鍋底部分はまだ加熱が十分ではなく、水滴がべちゃっとくっついている
右側 鍋側部分:コンロの火があたる鍋側部分で先にLF現象が起き、水滴が玉のように弾かれ滑っている
揚げ物に使った後のオイルポットの油を多めに投入し、鍋をぐるっとまわして全体になじませて、煙が立ってきたら油をポットに戻します。
フライパン(中華鍋?)を煙が出るまで熱くしたらかえって焦げつきやすくならないかしら?
鉄製のフライパンや中華鍋は、かんかんに熱してから油をなじませることが重要。
そうすることで、ご飯や具材が鍋肌をするすると滑ってくれて焦げつかなくなるし、そのぶん手早く調理することができるようになります。
テフロンのフライパンは表面が加工してあるから、逆に空焼きは厳禁(寿命が縮まる)だよ。
改めて、炒め用の油を投入し、油が十分温まったら溶き卵を流し入れます。
お店では、ここですぐにご飯を入れてご飯粒を油と卵でコーティングするようにしてパラパラ炒飯にするんですが、今日はこのまま卵に少し火を通して(理由は後ほど)から、具材とご飯も投入します。
「理由は後ほど」って、うーん、何でなんだろう?
もったいぶらないで教えてくださいよ。笑
ご飯をお玉の底で潰しては鍋をふるを繰り返しながら、団子状にくっついてるご飯をひと粒づつばらすようにして炒めていきます。
この間、火力はずっと強火のままです。
ずっと強火のままだなんて、私だとあっという間に黒焦げにしちゃいそうで、怖いわ。笑
調味料を加えて全体を混ぜ合わせながら鍋をふり、仕上げに鶏油(チーユ)を鍋肌で溶かして全体に馴染ませれば出来上がりです。
いただきます
お待たせしました、町中華風の炒飯(チャーハン)出来上がりました。
町中華で定番の「青磁の八角皿」にお玉で盛り付けてみましたよ。
どうですか、なかなか美味しそうでしょう。
きゃー、めっちゃ美味しそう!
見た目からして家庭で作る炒飯とは別ものだわ。
これは、お店に行かないと食べられないやつよね。
卵がごろごろしてて、美味しそうです。
もしかして「理由は後ほど」って、このことだったんですか?
まずは皿全体の景色をじっくり鑑賞します。
写真撮影する場合もそうですが、料理が冷めるので慌てずゆっくり急いで。笑
今日の炒飯のポイント
通常、卵を入れたらすぐにご飯も入れて、卵でご飯粒をコーティングするようにして作っていきます。
今日は、あえて卵に少し火が通るまで待つことで卵がごろごろした部分を残し、玉子焼きのような食感も同時に楽しめるようにしました。
皿に顔を近づけると、中華系調味料の香りとともに、鶏油(チーユ)の香りがして、家庭ではなかなか作らないような、お店の味を期待させてくれます。
では、みんな大好き(笑)麺リフト、ではなくレンゲでご飯をひと口いってみます。
ネギが香ばしいのと、上でも書いたように、卵がおおぶりで玉子焼きのような食感がところどころあって、とても美味しいです。
テフロン加工のフライパンとは全然訳が違うのね。
やっぱり中華料理って奥が深いわ。
炒飯を賞賛するワードに「パラパラ」という修飾語がありますが、家庭のコンロでは火力がそもそも違い、お店のようなパラパラ炒飯とはいかないですがね。
でも管理人はもともと「しっとり炒飯」が好みなので、これでいいんです。
大変美味しゅうございました。
今日もごちそうさまでした