今日は、有名なラーメン店の味を再現する「銘店伝説」シリーズを数多く手掛ける、アイランド食品さんの「博多だるま 豚骨味」をいただきます。
これまで紹介してきたあっさり醤油ラーメンとは真逆の、白濁した豚骨スープの博多ラーメンですが、実はこれも大好物なので今日もとても楽しみです。
九州のラーメンについて
一風堂や一蘭が全国チェーンを展開するなど、九州のラーメンの認知度は近年急速に高まり、今や博多ラーメンは日本三大ラーメンのひとつ(他は札幌と喜多方)などと言われるまでになりましたよね。
その、日本三大ラーメンってよく聞くけど、いつ、誰が決めたんだろう?
ラーメンといえば醤油味が当たり前だった東京で、地方のラーメンとしてブームになった順に、自然とそう呼ばれるようになったらしいよ。笑
まずは、どさん子ラーメン(ピーク時1100店超)やどさん娘ラーメン(同800店超)のFC展開により札幌ラーメンブームが巻き起こったのが1970年頃。
次に、喜多方ラーメン「蔵」(現在の坂内)のFC展開により、1980年代に入ってから喜多方ラーメンがブームになりました。
最後のひと枠に博多ラーメンが滑り込んだのが、それより少し後のことです。
ふーん、札幌ラーメンのブームはだいぶ古いけど、喜多方と博多はそれより10年以上も後なのか。
都内在住の管理人が九州の豚骨ラーメンなるものを認識したのは昭和50年代初め。
かつて住んでいた三鷹の隣の吉祥寺に「熊本ラーメン火の国」というお店ができて、中学生だった頃に友人とお店の前を通ると、何かが腐ったような強烈な匂い(豚骨を炊く匂い)が漂っていて、怖いもの見たさや罰ゲームのような感覚で、店の前を通るなんてことをやってました。
あ、それ、わかります。
新橋の「博多天神」のお店の前をたまに通るけど、めっちゃ匂ってます。笑
でもこれが、後日実際に食べてみるとめっちゃ美味しかったんですよねぇ。
「ブサかわいい」風に言うと、クサ美味しいみたいな感じで、ある意味クセになるというか、中毒性のあるお味でしたよ。
また、東京での九州ラーメンの先駆的な存在を自称する「九州じゃんがらラーメン」秋葉原店がオープンしたのが1984年で、こちらもスープが臭いと評価が二分。
でも、真に美味しいものは、時を経ればちゃんと受け入れられていくんですね。
ほどなくして九州ラーメンがブームになったのはご存じのとおりです。
クリーミーでそんなに臭みのない豚骨ラーメンなら私も意外と好きよ。
コラーゲンたっぷりで美容にもいいし、カロリーも味噌ラーメンよりむしろ低いらしいわ。
九州のご当地ラーメンには、福岡の博多ラーメン(長浜や久留米ラーメンも含め)、熊本ラーメンや鹿児島ラーメン、長崎ちゃんぽんなどが有名ですよね。
スープはどれも白濁した豚骨スープ主体で、普通そういった濃厚スープには太い麺を合わせるのが定石ですが、なぜか九州(長崎ちゃんぽんを除く)では、素麺のように細い低加水のストレート麺を合わせます。
ちなみにストレート麺よりちぢれ麺の方がスープが絡みやすいと思われがちですが、実は逆で、麺と麺の隙間が少ない方が毛細管現象でスープをよく持ち上げるんです。
そして太いより細い方がスープが絡みやすいので、極細ストレート麺はスープが最も絡みやすい麺だということになるよ。
九州ラーメンのなかでもいちばん細いのが博多ラーメンで、忙しい客(セリの合間に食べに来る市場関係者など)に短時間で麺を茹でて提供できるよう、秒で茹で上がる極細麺になっていったのが理由です。
注文するときにバリカタとかヤワとか、麺の硬さをリクエストできるのよね。
私もそれぐらいは知ってるわ。
低加水の細麺はのびやすいから、丼一杯の麺の量もあらかじめ少なくしてあって、もっと食べたい客は替え玉で麺をおかわりするシステムだよ。
替え玉を入れるとスープが薄まるから、卓上のタレをスープに足したり、他にもごまや紅生姜、高菜が置いてあって味変させたりできるんですよね。
それらはもともと、強烈な豚骨臭を和らげるための臭み消しとして卓上に置いていたそうだよ。
博多だるまについて
博多だるまの創業は昭和38年とのことです。
博多ラーメンの創成期が昭和20年代初め、博多ラーメンのスタイルが定着し広まったのが昭和30年頃なので、お店が誕生したのはそれから少しあとになりますね。
創業当時から使い続ける大釜で、豚のげんこつ(大腿骨)を20時間以上も炊き続け、古いスープに新しいスープを継ぎ足していく「呼び戻し製法」で仕上げた、濃厚かつ繊細な豚骨スープが自慢とのことです。
ひと言で「豚骨ラーメン」といっても、あっさり系やこってり系、クリーミー系などいろんな系統がありますが、博多だるまのスープは見た目もぎとぎとで、表面に背脂が浮いた超こってり系です。
超こってり系ということは、きっと匂いも強烈ね。
私にも食べられるかしら。
まぁ、でもそれはあくまでご本家の「博多だるま総本店」の話です。
現在は、首都圏などにも多数の店舗が展開されていて、スープの味や盛り付けなどは店舗によって(客層に合わせて)結構変えているようです。
アイランド食品さんの「銘店伝説」シリーズが、クセの強い博多だるまのラーメンをどういうコンセプトで商品化してるのかが気になりますね。
臭みのないあっさり系だと嬉しいわ。
見た目ほど重たくなくすっきり飲み干せるタイプの豚骨ラーメンが美味しいのよ。
ちなみに、アイランド食品さんは、商品開発にあたりお店に材料やレシピを聞いたりしないそうで、実際にお店を訪問したスタッフの味覚と記憶をもとに商品を開発し、お店のOKが出れば商品化ってなるんだそうです。
TVのドラマで、ひと口食べればどんな調味料を何g使ってるかがわかる絶対味覚の持ち主がいたけど、実際にそんな人がいるんですね。
パッケージの中身と具材
パッケージには「独特の豚骨を炊き出して生まれる香りを追求した」とか「完成まで約2年もの歳月を費やして作り上げた逸品」などと書かれていますね。
これは期待感が高まります。
パッケージの中身は、トレーに乗った麺と液体スープ2食分です。
麺
こちらは半生麺です。
麺が半生だと消費期限を長めにできるメリットがあります。
見た目は、同じ銘店伝説シリーズの「志那そばや」で使われてる麺と似ていますが、志那そばやは博多ラーメンほどは細くないし加水率もやや高めだったはず、こちらは当然ながら低加水の極細ストレート麺として別に開発されてると思われます。
実際に食べてみるまでわからないですが、なかなか忠実に再現されてそうな感じもしますね。
麺の量は半生麺の場合は90gのものが多いなか、100gとなってますね。
生麺だとどの商品を買っても110gばかりで、コレジャ全然足りないじゃんって毎回ブチ切れるんですが、今回の半生麺100gは大目に見ましょう。
半生麺100gの茹で上がりは何gぐらいなのかな?
どのみち足りなくて替え玉が欲しくなりそう。
スープ
液体スープを丼に絞り出したときの印象ですが、背脂らしき固形物が僅かながら確認できますが、豚骨臭は控えめで醤油の香りが少しあります。
スープの量は270mlの湯で希釈するとありますね。
お店だと、400mlから500mlぐらいが普通なので、これだと丼の縁に余白ができて、美味しそうに見えないし、写真映えもしないという問題が生じます。
左上:スープが少ないと丼の縁に余白ができ、美味しそうに見えないうえに、奥側が暗く写真映えしない
右下:お店のように丼の縁までなみなみとスープが満たしてあると、美味しそうなうえに明るくて見映えがよい
ただ、250mlよりはマシなうえに、規定量で希釈すると少ししょっぱい(味が濃い)との口コミもあり、少し多めの湯で希釈する前提で許容範囲とします。
写真映えの問題に関しては、6寸など小さめの丼を使うことで対処できますよ。
商品パッケージの中身の説明は以上ですが、麺、スープときついでに、トッピングの具材についてもここで書いてしまいます。
トッピング
パッケージにトッピングの具材は含んでないので、当然ながら自分で用意します。
せっかくなので博多だるまの「博多ラーメン」に乗っているのと同じ具材をチョイスしていきたいと思います。
自家製 豚バラ ロール焼豚・・・・・2枚
キクラゲ・・・・・適量
刻み青ネギ・・・・・適量
半熟茹で卵・・・・・半割 2個 (※1)
(※1)商品パッケージの写真に合わせて半熟卵も乗せてみます
豚骨ラーメンにはやっぱりキクラゲが合いますね。
黒くて見た目もぐっと引き締まります。
そうだね、水で戻してから細長く切っておくよ。
では、早速パッケージのレシピのとおりに調理していきますよ。
実食レビュー
お待たせしました、ラーメン出来上がりました。
盛り付けはもちろん博多だるまの「博多ラーメン」に寄せてあります。
どうですか、なかなか美味しそうでしょう。
きゃー、めっちゃ美味しそう!
スープがさらさらしてて私にも食べられそうだわ。
麺は少なそうだけど、丸い焼豚が2枚も乗ってて、ボリュームも十分ありそうだね。
まずは丼全体の景色をじっくり鑑賞します。
写真撮影する場合もそうですが、麺がのびるので慌てずゆっくり急いで。笑
丼に顔を近づけると、さらりとした豚骨スープの良い香りがしますが、ぎとぎと感はなく、クセのある豚骨独特の臭みも感じないです。
やはり大方の予想どおりで、ごく一般の消費者にもウケる方に寄せてきたんだね。
売れないと意味がないから、これは仕方ないかも。
そしてスープをひと口いってみます。
まろやかでさっぱりして、スープも全部飲み干せるタイプの味に仕上がってます。
臭くなくてあっさりしてて、おまけにコラーゲンもたっぷりのやつね、これは女子にウケるわよ。
さっぱり味の豚骨スープもなかなか美味しいね。
こってりもさっぱりも、僕はどっちも好きですよ。
では、みんな大好き(笑)麺リフト、いきます。
毎回言うけど、僕もコレいつもやってます。
お店の人に「早く食べないと麺がのびるだろ」って苦笑いされるやつですね。
色がやや白くて、いかにも低加水で歯ごたえぱつんの極細ストレート麺です。
そのまま口に運ぶと、ぼそぼそとした粉っぽい感じもまさに博多ラーメンですね。
まとめ
本来は、もうちょっとがつんと豚臭い本場の豚骨ラーメンを食べたかったんですが、消費者目線で仕方なくまろやかナイズされて、それでいて博多ラーメンらしさのある美味しいラーメンでしたよね。
銘店の味を多数商品化してきたアイランド食品さんの研究努力と熱意には脱帽です。
アイランド食品さんからは、先ほどもちょっと触れた志那そばやをはじめ、吉祥寺の銘店ホープ軒、管理人も大好きな佐野ラーメンの森田屋総本店など60軒近くにのぼる銘店伝説シリーズの商品が販売されてるので、また今度いただいてみたいです。
大変美味しゅうございました。
今日もごちそうさまでした