今日は、都内や埼玉、千葉など首都圏に多数の店舗を展開している六厘舎グループの業態のひとつ、「舎鈴」さん風の一杯を作ってみました。

 

こちらのお店はどちらかというと「つけめん」がメインなので、ラーメンに関してはついでにメニューにありますよ程度のものと思われがちですが、そうではないことを創業10年という節目に証明して見せてくれましたよ。

 

10年目の大変革

舎鈴の経営母体は「松富士食品」というちょっと古風な感じの名前の会社です。

六厘舎や舎鈴のほか、タンメンのトナリ、二郎系のジャンクガレッジなど6つの業態を運営しています。

 

最も店舗が多いのが舎鈴で、都内や埼玉、千葉など首都圏に(この記事を執筆してる時点で)60店舗近くを展開しています。

 

店主の画像

店主
 
 

グループ全体だと100店舗ぐらいあるから、わりと中堅規模の外食グループだよ。

 

六厘舎もそうですが、舎鈴も「つけめん」がメインの業態なので、お客の半数以上がつけめんを注文しているようです。

 

ラー男くんの画像

ラー男くん
 
 

僕もつけめん大好きなので、何度か舎鈴のつけめんを食べに行ってますよ。

 

管理人はつけめんが好きじゃないわけではないですが、熱いスープに麺がつかってるのが好きなので、メニューに両方あったらラーメンの方を注文します。

なので初めて舎鈴を訪れたときも「中華そば」を注文しました。

 

主婦A子さんの画像

主婦A子さん
 
 

つけめんって、お作法がよくわからないのよねぇ、

あつもりとか、スープ割りとか、追いめしとか。

だから私もたぶんラーメンの方を頼むわよ。

 

そのときの印象ですが、麺はノスタルジックな低加水ストレート麺で、蕎麦のようにぼそぼそと粉っぽくて、噛めばぱつぱつと歯切れのよい食感で、小麦の香りが感じられる、中学生の頃に少ない小遣いでよく食べにいったラーメン(三鷹 江ぐち)を彷彿とさせる、愛しくて切なくて懐かしい味でした。

 

麺がこう来てしまった以上、スープはほぼどうでもよくなってましたが、和風だしのあっさり醤油がこれまた美味しくて、まさかつけめん屋でこんなノスタなラーメンが食べられるなんて、たまたま出会ってしまった奇跡に感謝ひとしきりでした。

 

店主の画像

店主
 
 

低加水麺にあっさり醤油はどストライクだなぁ。

しかも確かワンコイン(490円)だったはずだよ。

 

しかしコロナ禍の頃に突然、麺もスープも価格も一新されてしまったんです。

あの、昔風のぼそぼそ麺は無残にも姿を消し、手もみ風の平打ちちぢれ麺(ごわごわ食感のため加水率は低めっぽい)に取って代わられていました。

 

スープも醤油の色と味がややはっきりした感じにリニューアルされ、値段も690円と 4割も値上がりしていました。

 

これじゃまるで別のお店じゃん状態で、喪失感からロス現象に陥った旧舎鈴ファンも多数いたのではないかと推測されます。

 

店主の画像

店主
 
 

低加水スト麺が気に入ってたので残念だったよ。

それに、多少の値上げは原材料費の高騰もあるから仕方ないけど、いきなり4割も上げるとはねぇ。

 

ラー男くんの画像

ラー男くん
 
 

店長の残念な気持ちは察しますが、でも手もみ風の新しい中華そばも美味しいですよ。

 

店主の画像

店主
 
 

そうなんだよね、これはこれで美味しいし、値段も今までが安すぎたから、これで普通なんだよ。

 

しかし、これだけの規模で店舗展開していて、客からそれなりの支持もあるなかで、この全面変更はかなり勇気がいるし、賭けに近い部分もあったはずです。

 

主婦A子さんの画像

主婦A子さん
 
 

そのお店はつけめんがメインなんでしょう?

だから、それほど影響はないと考えたのかしらね。

 

いずれにせよ、これが舎鈴が選択した10年という節目の大変革だそうです。

つけめん屋だからラーメンは二の次、なんてことはなかったわけですね。

 

なんでも、中華そばの一新にあたって目指したのが山形の人気店ケンチャンラーメンだそうで、確かに見た目はケンチャンラーメンそっくり、丼もケンチャンラーメンで使っているのとよく似た青龍柄に変更するという徹底ぶりです。

 

しかし、これだけの規模の外食企業が、自社ブランドのメニューを地方のローカルな人気店を模倣し一新するとか、なかなかめずらしいですよね。

 

ラー男くんの画像

ラー男くん
 
 

ケンチャンラーメンは食べたことないけど、舎鈴の中華そばを食べたら、ケンチャンが超人気店というのがなんとなくわかる気がします。

 

店主の画像

店主
 
 

逆に、ケンチャンの方を食べてみたくなったよ。

そのうち都内に出店してくれんかな。笑

 

「舎鈴」風の一杯を作ってみる

では早速、舎鈴の「中華そば」風の一杯を作っていきますよ。

 

とはいえ、お店の味を完全再現するとか、素人がそんな大風呂敷を広げるつもりなどなくて、あくまでも見た目と味の雰囲気だけ寄せて、おうちでお店のラーメンを食べたような気分にひたって楽しんでくださいね、というのが趣旨です。

 

主婦A子さんの画像

主婦A子さん
 
 

あら、家でお店のラーメンを食べた気になれれば、私はそれで十分だわ。

 

銘店が監修したチルド商品だって、高いといっても2食入りでせいぜい500円~600円の商品です、いちいちその店専用の麺やスープを開発してたら採算がとれないので、雰囲気が似ている麺やスープを使いまわしてコストを抑えてると思います。

 

売上に応じて店にリベートが入るから、そこそこいい線いっていれば店もOKしたり、商品化までのハードルはさほど高くないんだろうと管理人は思います。笑

 

ラー男くんの画像

ラー男くん
 
 

そうですよね、お店の味がそのまま届く宅麺だと、一杯あたり1200円から1500円ほど(さらに送料がプラス1000円ぐらい)しますもんね。

 

なるとのアイコン

幅広の平打ち麺・・・・・150gぐらい

 

麺に関しては、幅が広めの平打ち麺という見た目を重視するか、ごわごわした食感を重視するかで、選択結果が違ってくるかなと思います。

 

ごわごわ食感でわりと手軽にスーパーで買えるのは、岩崎食品さんの「G系極太麺」というオーション麺ですが、いくら食感を重視しても写真では伝わらないのと、こちら本来は二郎系とかに用いるための商品なので、今日は見た目重視でいきます。


いろんなタイプの麺だけ売ってるので、幅広な平打ち麺を探して購入します。

なるとのアイコンスープ

豚だし系の清湯醤油スープ(液体)・・・・・1袋(※1)

昆布・・・・・3cmぐらい(※2)

煮干し・・・・・ひと掴み(※2)

白だし・・・・・大さじ1(※2)

ごま油・・・・・1-2摘

水・・・・・400ml(※2)

 

(※1)今回は喜多方らーめん本舗の「蔵熟成らーめんスープ しょうゆ味」を使用

(※2)それぞれお手軽な他の材料で代替可

 

主婦A子さんの画像

主婦A子さん
 
 

顆お手軽レシピもあるのね、助かるわぁ。

 

今回のベースは、鶏感よりも豚感が勝っている豚だし主体の液体スープ(※1)です。

やや甘めで醤油感がしっかりあるタイプの商品となります。

そこに煮干しや昆布などの和風の風味をプラスするのと、お店で食べたときに微かに感じたごま油をほんの少しだけ加えます。

 

液体スープは300mlのお湯で希釈するとなっていますが、出汁や塩分が加わるので、完成時で350ml(昆布や煮干しが吸ったり煮詰まったりするので400mlの水とする)程度になるようにしています。

なるとのアイコントッピング

せっかくなので舎鈴の「中華そば」に乗っているものと同じ具材をチョイスしていきたいと思います。

 

自家製 豚バラ ロール焼豚・・・・・1枚

豚バラ ロール焼豚の画像

メンマ・・・・・適量

刻みネギ・・・・・適量

なると・・・・・斜め切りにしたもの 1枚

焼き海苔・・・・・3切 1/2枚

なるとのアイコン調理工程

スープは顆粒だしを使った超お手軽版のレシピと通常のレシピの二通りです。

まずは通常レシピから。

 

【前日】

昆布と煮干しを400mlの水にひたして一晩冷蔵庫で寝かせます。

前日から準備するのはどうもね、という場合は最低でも30分は置いてください。

 

【調理当日】

丼に熱湯を注いで液体スープの小袋を入れ、丼とスープを温めておきます。

一晩寝かせた昆布と煮干しだしを小鍋に移し、白だしなども加えて火にかけます。

沸騰したら弱火にして5分ぐらい煮出します。

昆布と煮干しだしの画像

麺を茹で始めたら丼の湯を捨て液体スープを絞り出します。

小鍋のスープをザルで濾して丼に注ぎ、仕上げにごま油を垂らします。

 

(※2)お手軽な材料で代替する場合

(※2)の材料はそれぞれ、お手軽な以下の材料で代替可能です。

塩分のある白だしが入らない分、塩をひとつまみプラスします。

 

顆粒 昆布だし・・・・・小さじ1/2

顆粒 鰹だし・・・・・小さじ1/2

顆粒 煮干しだし・・・・・小さじ1

塩・・・・・ひとつまみ

熱湯・・・・・350ml

 

丼に熱湯を注いで液体スープの小袋を入れ、丼とスープを温めておきます。

麺を茹で始めたら丼の湯を捨て液体スープを絞り出し、小鍋に沸かした熱湯350mlに塩と顆粒だしを溶いて丼に注ぎ、仕上げにごま油を垂らします。

 

麺は指定の茹で時間よりかなり短め(写真撮影なども考慮)で茹で上げて丼のスープに移し入れ、手前に焼豚、奥に刻みネギ、メンマ、なるとを配置し、丼の奥に海苔をもたせかければ出来上がり。

 

自己採点

お待たせしました、ラーメン出来上がりました。

盛り付けはもちろん、舎鈴さんの「中華そば」に寄せてあります。

 

どうですか、なかなか美味しそうでしょう。

舎鈴の中華そばの画像

 

主婦A子さんの画像

主婦A子さん
 
 

きゃー、めっちゃ美味しそう!

丸い焼豚と平たい麺と青い龍の丼が特徴的なのね。

 

ラー男くんの画像

ラー男くん
 
 

おーっ、まさに舎鈴の中華そばではないですか。

今度はつけめんでなくこっちの方を目当てに、また食べにいきたくなりました。

 

まずは丼全体の景色をじっくり鑑賞します。

写真撮影する場合もそうですが、麺がのびるので慌てずゆっくり急いで。笑

 

丼に顔を近づけると、優しい和風だしと醤油の香りに、微かにごま油の香りもして、イメージに近いものになっています。

 

そしてスープをひと口いってみます。

まろやかだけど意外と濃い口の醤油の味がして、鶏感よりも豚感がしっかりとあり、後味で昆布や煮干し出汁の旨みを感じて、結構お店の雰囲気が出ています。

 

では、みんな大好き(笑)麺リフト、いきます。

舎鈴の麺リフト画像

 

ラー男くんの画像

ラー男くん
 
 

毎回言うけど、僕もコレいつもやってます。

お店の人に「早く食べないと麺がのびるだろ」って苦笑いされるやつですね。

 

見た目重視にしたので、幅広の平打ちちぢれ麺がなかなかいい線いってますね。

ただし、お店のようなごわごわ食感には及ばないのと、多加水のもっちり系なので、味の感じはちょっと違ってしまいます。

 

店主の画像

店主
 
 

もともと麺は見た目重視でいこうってなったから、麺の味や食感がちょっと違うのは仕方ないね。

 

さて、今回の自己採点ですが、見た目は90点で、麺の味や食感はお店には及ばないということで味は75点といったところです。

何度も言いますが、お店の味を完コピしようってわけじゃないので、おうちでお店のラーメンを食べた気になって楽しんでくださいね、というのが趣旨です。


大変美味しゅうございました。

 

麺リフトのイラスト

今日もごちそうさまでした