今日は、東北地方のラーメン店が監修したチルド商品(生ラーメン)を多数手掛けるマルニ食品さん(本社:宮城県)の山形「琴平荘 中華そば 醤油味」をいただきます。
東北のラーメンといえば素朴であっさりした醤油スープが美味しいイメージがあり、管理人も大好きな部類なので、今日はとても楽しみです。
山形県とラーメンの美味しい関係
今日の銘店監修は山形県にあるお店です。
山形県といえば山形牛や米沢牛などのお肉や、山形そば(板そば・冷たい鶏そば)、さくらんぼやラ・フランスなどのフルーツや、芋煮に玉こんにゃくといった郷土料理、地酒、ワイン、ニッカウィスキー工場があったりというグルメな土地。
さらに近年では、美味しいご当地ラーメンが観光のお目当てになっていたりします。
実は山形県は、県民1人あたりのラーメンの消費量や店舗数が日本全国で1位という、ラーメン大好きの県民性でも知られています。
あ、それ、聞いたことあります。
来客があると出前をとってラーメンをふるまったり朝からラーメンを食べたりするんですよね。
老若男女問わず行きつけのラーメン店があるとか、朝昼晩の3食全部ラーメンでいけるとか。笑
あっさりして飽きのこない味だからこそだね。
そんなラーメン王国山形県ですが、山形のラーメンを語るうえで「山形ラーメン」とひと括りで定義するのはナンセンスです。
なぜなら、酒田ラーメンや米沢ラーメン、赤湯ラーメンなど地方ごとにまるで特徴が異なるご当地ラーメンが存在しているからです。
山形が歴史や風土、文化の異なる4つの地方からなっていることが背景にあります。
こちらの「山形県が運営するサイト」に詳しく説明されていますよ。
イタリア料理がそれぞれの地方の伝統料理を集めて総称しただけで、イタリア料理という料理体系などそもそも存在しない、というのと似てるね。
ありゃ、店長はイタリアンにも詳しいんですか?
山形の4つの地方の話に戻りますが、県の中央に位置するのが村山地方です。
県庁所在地の山形市や将棋の駒で知られる天童市、さくらんぼの産地の東根市などがあり、蔵王、月山、朝日連峰などの山々に囲まれています。
実は昔、転勤で仙台に4年ほど住んでいたんだよ。
お隣の山形には、冬は蔵王や月山にスノボをしに、初夏にはさくらんぼ狩りに行ったりしたなぁ。
スノボとは、店長にも若い頃があったんですね。笑
それで東北のラーメンが好きなんですか?
ラーメンに限らず東北には美味しいものがたくさんあるからねぇ。
仙台だと牛タンや寿司、帆立や牡蠣も美味しいよ。
美味しいものを食べすぎて痛風になったよ。笑
またしても話が脱線したので、山形の地方の話に戻しますよ。
県の北部に位置するのが最上地方、南部が置賜地方です。
置賜地方には南陽市や米沢市があり、赤湯温泉をはじめとする温泉地も有名です。
そして、西側の日本海に面しているのが酒田市などがある庄内地方です。
お店は、この庄内地方の鶴岡市というところの海沿いにあります。
つまり琴平荘さんのラーメンは酒田ラーメンの系譜ということになりますね。
酒田ラーメンは海に面した土地柄、昆布や煮干しの魚介だしと豚骨や鶏がらの清湯Wスープに、多加水のちぢれ麺を合わせた淡麗醤油味が特徴だよ。
うわっ(涎)美味しそっ。
これぞまさしく東北のラーメンって感じですね。
琴平荘について
「琴平荘」と書いて「こんぴらそう」と読みます。
ラーメン店というより、なんだか旅館みたいだわ。
そうなんです、実は目の前が海水浴場で夏は旅館を営んでいるそうです。
閑散期の冬場だけラーメン屋になるそうですよ。
期間限定のうえに、店を開けるは昼の11時から14時の3時間だけだそうです。
それだけ聞くと、昔の農家が冬は出稼ぎに出るみたいに、仕方なく細々と別の商売をやってるだけかと思いきや、いやいやどうして。
その、たった3時間の間に、多い日で500杯を売り上げるそうですよ。
3時間で500杯ってことは、1時間で167杯、さらに6で割ると10分で27杯の計算になるね。
旅館だから大広間を客席にしてるらしいんですが、作るのも運ぶのも大変そうですね。
そんなに売り上げるんじゃ、旅館業とラーメン屋とどっちが本業かわからなくなるわね。
「情熱大陸」をはじめ、テレビ番組でたびたび紹介されたこともあり、今や知名度は全国区になっています、交通が不便な郊外に立地しているにもかかわらず開店前から100人を超える大行列ができるそうですよ。
期間限定のうえ、大行列のため食べたくてもなかなか食べられない「幻のラーメン」などと呼ばれたりもするようです。
そりゃ、銘店監修シリーズのオファーも飛び込んでくるわけですね。
そうだね、これはなかなか期待できそうです。
ではそろそろ、琴平荘のラーメンの特徴について、見ていくことにしますね。
琴平荘のラーメンは、スープにアゴ(トビウオ)の焼き干しを使うのが特徴ですが、原材料として普通に仕入れてるのかと思いきや、これがなんと自家製。
地元でとれるトビウオを自ら市場で買い付け、下処理に天日干し、焼きの工程まで、全てお店で行うというこだわりようです。
他にも岩手県産の高級丸鶏やサバの稚魚の煮干し、アタリメ、豚バラなどから丹念にとったWスープが特徴です。
なるほど、だいぶ味の想像がついてきましたよ。
思ってたとおり、素朴であっさりした淡麗醤油味は私にはどストライクかもしれないな。
麺は、加水率50%以上という超多加水の手もみ中太ちぢれ麺で、これも自家製。
食感は驚きのもっちり感で、のど越しもつるんとしているとのことです。
麺は喜多方ラーメンにちょっと似てるのかな?
それは僕も好きなので、早く食べてみたいです。
具材は軟らかく煮込まれた豚バラの焼豚や味の染みたメンマなど、いずれも自家製。
とにかく海苔以外はすべて自家製だそうですよ。
パッケージの中身と具材
パッケージの中身は、トレーに乗った麺と液体スープ2食分です。
麺
まず、消費期限が3ヶ月ぐらいとやたら長いんですよね。
しかも要冷蔵ではなく、常温で保存と買いてあるから驚きです。
麺の加工や包装に何らか工夫があると思いますが、ちょっとよくわかりません。
半生麺だと消費期限がわりと長かったりしますが、これは普通の生麺みたいですね。
見た目ですが、琴平荘さんの麺の特徴にもあったとおり、手もみ風の中太ちぢれ麺で加水率もわりと高そうです。
実際に食べてみるまでわからないですが、なかなか忠実に再現されてそうな感じもしますね。
問題は麺の量で、業界内で何か規格でもあるのか、どのチルド商品を買ってもみんな判で押したように110gばかりで、コレジャ全然足りないじゃんってなります。
琴平荘の普通盛りが240gなので、銘店監修なら量も再現して欲しいすね。笑
せめて、110gを1.5玉使って大盛りにしたいところですが、3食入りなら1.5玉×2食でちょうど食べきれるんですが、2食入りだと2P買っても2回食べて1玉余る。
3P買えば4回食べてちょうど食べきりますが、銘店ものは高いしそんなには買わん。
というわけで、麺の量が110gはダメ出しですね。
スープ
液体スープを丼に絞り出したときの印象は、控えめな魚介系にかすかにスモーキーな香りが重なり、鶏感はさほどなく豚感ややあり、そしてまろやかな醤油の香りです。
このスモーキーさは、アゴの焼き干しのアピールでしょうか?
スープの量は300mlの湯で希釈とあるので、この手の商品では多い方です。
それでも、お店のより全然少ないので、丼の大きさにもよりますが、丼の縁に余白ができてしまい、美味しそうに見えないし写真映えしないんです。
左上:スープが少ないと丼の縁に余白ができ、美味しそうに見えないうえに、奥側が暗く写真映えしない
右下:お店のように丼の縁までなみなみとスープが満たしてあると、美味しそうなうえに明るくて見映えがよい
まぁ、250mlよりは全然マシなので許容範囲とします。
写真映えの問題に関しては、6寸など小さめの丼を使うことで対処できますよ。
商品パッケージの中身は以上です。
麺、スープときたので、ついでにトッピングの具材もここで書いちゃいますね。
トッピング
パッケージにトッピングの具材は含んでないので、当然ながら自分で用意します。
せっかくなので琴平荘さんの「中華そば」に乗っているものと同じ具材をチョイスしていきたいと思います。
自家製 豚バラ焼豚・・・・・Bカット 2枚
メンマ・・・・・適量
刻みネギ・・・・・適量
焼き海苔・・・・・3切 1/2枚
Bカットって聞き慣れないんですが、なんですか?
それ、聞いちゃいますか?
とくに決まった呼び方がないから、豚バラの焼豚をベーコンみたいに縦に長くカットしてある、という意味の造語だよ。笑
なるほど、ベーコンカットか。笑
大きな焼豚を2枚も乗せるなんて太っ腹ですねぇ。
では、早速パッケージのレシピのとおりに調理していきますよ。
実食レビュー
お待たせしました、ラーメン出来上がりました。
盛り付けはもちろん、琴平荘さんの「中華そば」に寄せてあります。
どうですか、なかなか美味しそうでしょう。
きゃー、めっちゃ美味しそう!
これが山形で人気ナンバーワンのラーメンなのね。
麺は少ないけどBカット(笑)の分厚い焼豚が2枚も乗ってるから、ボリュームも十分ありそう。
まずは丼全体の景色をじっくり鑑賞します。
写真撮影する場合もそうですが、麺がのびるので慌てずゆっくり急いで。笑
丼に顔を近づけると、Wスープなので魚介や鶏豚系の香りがバランスよく来ますが、何かが出しゃばってくる感じはないです。
アゴ出汁は食べたことがないですが、煮干しとは全然違うさっぱりと控えめな風味の魚介出汁がとれる素材なんだろう、というのはわかります。
良い意味で特徴がないというか、バランスがいい。
もうこうなると作り手のセンスなので、琴平荘さんが目指したのはこの全体調和なんでしょう。
そしてスープをひと口いってみます。
まず、まろやかだけど意外と濃い口の醤油の味がしますが、鶏感や豚感は控えめで、後味で昆布や魚介出汁の旨みを感じます。
お店で食べたことがなく正解を知らないので、再現性についてはわかりません。
とはいえ、こってり要素はほぼなく、あっさりした東北のラーメンらしい出来です。
では、みんな大好き(笑)麺リフト、いきます。
毎回言うけど、僕もコレいつもやってます。
お店の人に「早く食べないと麺がのびるだろ」って苦笑いされるやつですね。
いかにも多加水熟成といった透明感があり、中太といっても細くはないが太くもないぐらいの、手もみ風のちぢれ麺です。
そのまま口に運ぶと、手もみ麺特有の食感や強いコシはさほど感じません。
銘店ものは大概、スープの再現性は高いけど、合わせる麺が適当だったりしますが、こちらも見た目の雰囲気は出てるけど、麺そのものはわりと普通でした。
僕は、スープが美味しければ麺は普通で十分です。
ちゃんとお店のラーメンを食べた気になれます。
最後は少し辛口レビューになったけど、銘店の味を数多く商品化しているマルニ食品さんの研究努力と熱意には脱帽です。
いかにも東北らしい美味しいラーメンでしたよね。
マルニ食品さんからは琴平荘の味噌味も出てるし、青森の長尾、宮城のみずさわ屋や杉のや、岩手のらーめん千草、福島の若武者などたくさんの銘店監修シリーズが販売されてるから、また今度いただいてみたいです。
大変美味しゅうございました。
今日もごちそうさまでした