まあもう何をかいわんや、という感じではあるけれども、一応自分の備忘録的に触れておこうと思いましたので。

首相の姉にも資金提供=鳩山氏母、兄弟と同時期に-「相続対策」強まる
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2009121400929

 真面目にやるのであれば、現在「病気療養中で入院」状態にある鳩山(母)さんは、入院が満了した時点でお話を訊かれる形になるはずなんですよね。追徴で済めばまあ穏便なラインですけど、脱税で2億というのは本来は塀の中に落ちるかどうかのラインであって、あんまり微妙な沙汰であると、やはり「てごころ」ということになろうかと。
 鳩山(姉)さんへの生前贈与額というのは、これまた少々微妙な感じのようで、まだ報じられていません。どうしたものやら。ただ、以前麻生政権時代に読売の渡邉恒雄さんが個人の相続税対策のような変な経済対策を取らせようとしていたのを思い出します。

 まあ、暴走ウイルスを止めようとする白血球のような扱いであり、ある意味レジーム論で語られるべき話なのかなあとはぼんやり感じるわけですが。だって、鳩山家の個人献金問題なんて、鳩山さんが首相候補になってから急に分かったことではないし、やはり何かのメカニズムが働いたと考えるのが自然だろうと思うんですけどね。

 だから、鳩山家というのは通常の政治家と違って、政治とカネという本来論ずるべき観点とはかなり逸脱していて、常識的な政治スキャンダルの枠組みから随分遠いところにあるんだなというのを実感します。少なくとも、政治権力を使って汚い金を稼ぎましたという性質の話ではない。といって、金額からすると本来は「贈与税払います」とか鳩山兄弟がのんびり言うような事件でもなく、やはりある種の恣意性というのは介在しているのは当然で、これが例えば堀江家だったら即日タイホなんだろうと思うわけです(笑)。

鳩山ママに正しい相続税節税の方法を教えてあげるわ。
http://ameblo.jp/takapon-jp/entry-10402605875.html

 で、堀江さんの上記の記事で言うと、当然相続税の節税のために政治団体を利用するというのは、鳩山(母)さんが主体となる政治団体がないと駄目で、息子の政治活動に対する寄付は記名であるばかりか、年間150万円以上は贈与にあたります。総枠は千万だったかな。なので、昔の政治家は横に政治団体をたくさん並べて小口化するか、無記名債を使って生前贈与するのが通常でした。最近は、あまり多額の生前贈与をしなければカバンが保てないほど政治活動は儲からなくなったため、秘書に会社を興させて代議士名で公共事業を取ろうとするような中川(女)さん的プロセスが一般的になったように思います。

 まあ、現在で言うなら財団を構えるぐらいしか、日本にいながら相続税を節税するには抜本的な方法ってないんですよねー。

ホリエモンと郷原弁護士 特派員協会で検察批判
http://topics.jp.msn.com/digital/photoarticle.aspx?mediaid=326596

 それを踏まえて、このスピード違反論争というのは非常に面白くて、録音全部を聴いてはいないけれど検察捜査の恣意性はまあある話であります。検察権力をどう考えるのかについては、いろいろと考察され議論されるべき事案ではあるので、どういう意見でも通ると思いますし、ましてや一度は摘発された堀江さんであればなお言いたいことは沢山あろうなあとは感じますが。

 でも、ロッキードの頃から検察に限らずそういう機関というのは権力の道具という側面もあり、洋の東西を問わないなあとは思うんですよね。いまアメリカでもまたぞろ会計疑獄みたいなのやってますが、あれだって大統領選挙の民主党有力候補の側近がずっとべったりやっていたことなのは皆知っているにもかかわらず、あまりそういう話にはならんのと似ている気はします。

 むしろ、これを放置しておくと国民の納税に対する態度がどうなるのかであるとか、亀井さんが言っていたように支持率が落ちたときに周囲からどう叩かれるのかというような別次元の思惑も絡むので、通常の事件なんかよりも、より一層権力の使い方がむつかしいものなんじゃないかと。だって、鳩山首相は性格から考えて本当に知らなかったであろうし、そういう上申書も提出していたようだけれども、これは本来「知らなかった」では済まされない話のはずであって、鳩山家の資産管理会社・六幸商会を通じた組織ぐるみの隠蔽工作をいままでずっと続けてきていたことになる。これはまあ、さすがにねえ。

 まあー、それもこれも、初動の小沢さんの事件でのあり方に若干のしくじりがあったからなのかなあとも思うんですが、それは言うだけ野暮なのかなあとも思いました。