以前ウチの裏庭でお庭番をしていたキジトラさんがいたのだが、昨年の秋口あたりから姿を見せなくなった。その頃現れた黒猫さんとしばしば喧嘩をしていたのでどうやら縄張り争いに敗れて何処かへ行ってしまったのだろうと思っていた。特に懐いたり何か悪さをする訳ではなかったがいなくなるとそれはそれでちょっと寂しい気もした。近くの駐車場や空き家の塀などではたまに見かけたので遠くへ行ったわけではなさそうだったがその後裏庭に来ることはなかった。


 ところが今月になり、またあのキジトラさんが裏庭にやって来てマターリするようになった。喧嘩をしていた黒猫さんが子供を産んで何処かへ行ってしまったのでまたウチに来る気になったのかも知れない。自分が近づくと逃げてしまうので何の目的があるのか分からないが、キジトラさんが来てから食べ物を食い荒らしていたネズミがいなくなったことを思えば番犬(番猫)代わりになっていた可能性はある。
 昔は猫と言えば柄の違いくらいしか見分けがつかなかったが、今ではそれぞれ表情が違うということが分かるようになってきた。当初は別のキジトラさんかと思ったが、「俺つしま」のような面相はやはり以前のキジトラさんに間違いなさそうである。特におもてなしはしないが涼しい裏庭でマターリしてもらえれば結構なことである。