近年は旧海軍や海上自衛隊のカレーを町興しの1つとして活用している自治体が目に付くようになったが、特に海軍の鎮守府が置かれた呉、横須賀、佐世保、舞鶴などが有名な所ではないかと思う。こうした取り組みは「金曜カレー」が一般に知られるきっかけとなり、当時のレシピが公開されたり再現カレーが市販されるようになった。今日スーパーで買い物をしていたら呉海軍肉じゃがカレーと横須賀海軍カレーのレトルトを見つけたので購入してみた。実食の方はまた改めて紹介しようと思う。

 これだけだと話が広がらないので旧海軍と陸軍のレシピを調べてみたが、カレールーではなく粉末のカレー粉と小麦粉を使っている以外は現在我々が普段作るカレーと殆ど変わらないように思える。ただし陸軍は肉として牛や豚の他に羊や鳥、兎などを使うこともあったようだ。また、海軍は水ではなくスープストックにカレー粉を加えて作る所や付け合わせに福神漬けなどの漬物を添える所も異なる。
 さて、その呼び名も諸説あるが、海軍は当初の「ライスカレー」から「カレイライス」に変わったとされている。一方の陸軍はカレーを「カレー汁」として独立した副食(汁モノ)として扱っていたが、「軍隊調理法」には「温かき御飯を皿に盛りてその上に(カレー汁を)掛くればライスカレーとなる」との記述がある。
 こうして定着したカレーは兵士たちの好物として親しまれたが、食器の洗浄をきちんと行わないとカレーの汚れが残っていることがあり、これが原因で当番兵が上級兵に殴られることもあったという。

 

↑炊事塲に立つ海軍の調理兵。この日の献立は?