先日会社の二階を片付けていたら古い写真パネル(↑)が出てきた。コレは何ぞと思い社長や地元のベテラン事務員さんに聞いた所、国体の聖火リレーが近くを通った時のものではないかとのことだった。写真を取り込んで輪郭を強調したり明るさやコントラストなどを調整すると様々なことが判明した。ランナーのシャツにトーチのような絵があることや後方のランナーが旗?を携行しているので聖火ランナーの一団であることは間違いなさそうである。
 地元開催の国民体育大会(国体)とすれば開催年が絞られるが、過去の広島国体を調べた所1951(昭和26)年の第6回大会がこれではないかと思われる(※1996年にも広島国体が開催されているが写っている人たちの服装や町並みからしてこれはあり得ないだろう)。
 昭和26年頃とすればカメラを持っている人がそんなにいたとは思えないし引き伸ばして装丁されていることからこの写真パネルはプロカメラマンが撮影したのではないだろうか? そうなると新聞社の報道写真の一コマの可能性が考えられるが、ウチの会社に保管されていたということはランナーの中に会社の親族がいたのでは?とも考えられる。ただ、社長は自分とほぼ同年代なので写真の人物に身内がいたかまでは分からないという。また、写真や第6回国体の記事が地元の新聞に掲載されていれば何か分かることがあったかもしれないが、ネット上のアーカイブにはここまで古い記事が閲覧できるようになっていないので本社の資料室か県の図書館みたいな所へ行くしかなさそうである。



 では次にこの写真が撮影されたのは何処だったのか?ということを探ってみた。古写真を修正して拡大すると道路の右側が川になっており、左側の民家には「たばこ」の文字が見えることから個人商店だったことが伺える。また、トラックの後方に鉄橋らしいものが写っていることなどを照らし合わせると電柱が邪魔ではあるが上写真の場所が撮影地点と推測される。この道はかつて駅前の国道であったが現在はトンネルによるバイパス化でメインルートから外れ旧道になっている。川の石積みは当時と変わらないように見えるが後方の民家は全く残っていない。道路の幅も今は拡幅されているので道路沿いの民家は若干山側へ移動しているのだろうか?手持ちにある1975年版の住宅地図を見ると電柱の後方あたりに個人商店があったらしいのでほぼこの場所が撮影ポイントに間違いなさそうである。

 ※いつもながらこうした古写真の場所に立ってみるとこの場所に写真の風景は確かに存在し、暮らしていた人がいたのだと考えさせられる。