待望のキットということで当初は気合いも入っていたのだが鬼門である窓枠のフチゴム塗装をミスってしまったためテンションが下がり、惰性で完成させた感は否めない。nunu(ビーマックス)のキットはガラスパーツの方にフチゴムがモールドされており、ボディ側にモールドされるより塗装が楽で失敗も少ないと思う(どちらがやり易いかは人によるが…)。
今回の追加工作はマッドフラップ、ボンネットピン、フォグランプを支えるブラケット、キルスイッチのノブをジャンクパーツなどから流用した。以前のハセガワはマッドフラップ用の素材やシートベルト、ボンネットピンなどのエッチングパーツが同梱されていたのでタミヤより良心的な面があったのだが、最近のキットではそうしたパーツが含まれなくなったのでちょっと残念ではある。それでもキットそのものの出来は申し分なく、細部の彫刻もキッチリ再現されているのでストレート組みでも問題はないと思う。
前任のブルーバードSSS-R(U12)と記念撮影。ブルーバードと比べるとパルサーはかなりコンパクトなことが分かる。日産はランチア・デルタの成功を鑑みてコンパクトなハッチバックであるパルサーに2000ccの4WDターボを押し込んだが、結果的に様々な無理が生じる結果となってしまった。特にエンジンの冷却問題は深刻で、サファリやアクロポリスのような熱地のラリーではエンジントラブルに悩まされた(逆にスウェーデンやモンテカルロのような寒冷地では好調だったという)。日産側はコンパクトな車体にハイパワーエンジンを載せることが勝利への近道だという考えがあったと思われるし、海外でネームバリューのないブルーバードより名前の知られたパルサー(※海外名はサニー)をベースにした方がマーケティングにも有利だという思惑があったとも聞く。これは素人の戯言であるが、スバルや三菱がコンパクトハッチバックではなくセダンベース(レガシィやギャラン、後にインプレッサとランサー)でグループAを制覇したことを思うとブルーバードをベースにしてもそれなりに勝算はあったのではないかという気はする。ただ、日産の関係者はあのままラリーを継続していればパルサーもブラッシュアップされて上位を狙えるラリーカーに仕上がる手応えはあった、と証言している。だがそうなる前に日産はラリーから撤退してしまったので果たしてどうなっていたかは我々には分からない。
※パルサーはディスプレイケースを調達しておいたので殿堂入りして終了とする。次はスタリオンターボに取りかかるべし。