今日は東日本大震災から12年、特別な思いで過ごした方も多かったのではないかと思う。その一方、自分は西日本住みなので12年も経過すると周囲からは「過去の出来事」のひとつという認識になっているように感じられる。あの大災害をどう受け止めるかはその人の立場で変わってくると思うが、全く被害を受けなかった自分が何故遠く離れた被災地を訪れ、今も関心を持ち続けているのかについては上手く言えない。ただ、アクションを起こすことによって全く縁のなかった人たちと繋がりを持つことができたのは大きな変化だったと思う。SNSだけのお付き合いというケースもあるが、実際にお会いした方々と得た影響は計り知れない。今では家族ぐるみのお付き合いをさせてもらっているブロ友さんや現地で通りすがりの自分に貴重な話を聞かせてくれた人など感謝したい人は枚挙に暇がない。ヤフーブログ時代に息子さんを失った悲しみを打ち明けてくれたブロ友さんや山元町の自動車学校で娘さんが行方不明になったご両親とお話した時のことなどは今も忘れられない。そうした人たちの言葉をしっかり受け止め、次に来ると言われている南海トラフ巨大地震などに我々は生かすことができるのだろうか?。
 
 何度も言うが、自分はあの震災で何ら被害も受けず、知り合いや親戚が犠牲になった訳ではない。だから被災者と同じ経験や思いを共有することはできず、所詮は他所者の目線で見たり感じたりすることしかできない。それでも自分なりにできることは続けて行こうと思っている。



 〈追補〉
※自分は震災以降関連書籍を多数購入して読んで来たが、ドキュメンタリー形式の書籍だと敷居が高いと感じる人がいるかもしれない。そうした人はコミックなら気軽に読めるのではないかと思う。但し左側の「葬送」は釜石市の遺体安置所を題材にしているので重い内容ではあるが…。
 また、震災関連の書籍は当然ながら地元の新聞社や出版社から発売されているものが深掘りした内容になっているので現地では書店巡りが欠かせない(通販で取り寄せる手もある)。



↑震災を扱ったコミックなら「リバーエンド・カフェ(たなか亜希夫作画:双葉社刊)」が良作ではないかと思う。震災で両親が行方不明になったサキは中学生の頃ふとしたことでイジメのターゲットにされてしまう。それは高校に進学しても変わらなかったが、たまたま出会ったカフェのマスターたちと付き合ううちに音楽に目覚めていくというストーリー。作者のたなか亜希夫氏は石巻市出身(※大川小・中学校は母校)なので町の描写などもリアルで、聖地巡礼も容易である。なお、オススメはしたもののこれらのコミックは現在書店では入手困難と思われるので「密林」等の通販か電子書籍で読むしかないかもしれない。
 




 ※1枚目写真:南三陸町防災対策庁舎(2011年8月撮影)