70~80年代はアメリカのテレビドラマやハリウッド映画をよく見ていたが、当時のアメリカは憧れの対象であり、自分も日本とは違う文化に釘付けになったガキンチョの1人だった。主人公のキャラクターがメインなのは言うまでもないが、それに負けない存在感をアピールしたのは「劇中車」だったと思う。今更ながら手持ちのミニカーでそれらをちょっと振り返ってみた。





 「刑事スタスキー&ハッチ」でスタスキー刑事(ポールマイケル・グレイザー※右側)が愛用していたのは76年式フォード・グラントリノである。日本語版のOPでは「赤い稲妻」と言うことになっていたが…。それにしても刑事がこんな車乗っていたら目立ち過ぎやろ!という野暮なことを言ってはいけない。スタスキーは車にかなりこだわりがあったようだが、相棒のハッチ刑事は逆に執着がなく、ボロっちい車に乗っていた記憶がある。なお、本作品はフォードがスポンサーだったらしく、パトカーもギャラクシーやLTDが使われていた気がする。音楽担当はあのラロ・シフリンだと最近知った。



 「ナイトライダー」は手持ちになかったのでトランザムで勘弁して下さい。劇中のナイト2000はAIによる自立・運転サポート機能を持ち、車そのものもかなりのパフォーマンスを持つ「ドリームカー」であった。ジャンプの時などに使われた「ターボ」スイッチは過給圧を瞬間的に上げるスクランブルブーストみたいな機能だったのだろうか? ナイト2000のナビゲーション・検索機能は当時「未来のテクノロジー」という感覚だったが、現在では殆どの車にカーナビが搭載され、ある程度の会話も行えるのだから技術の進歩は凄まじいものである。そう言えばナイトライダーが放送されていた頃、左右に流れる赤いシーケンシャル・フラッシャーランプを付けている車をよく見かけたものである。(笑)
 主演のデビット・ハッセルホフは数年前にB級映画「アナコンダ3」に出ていたが、それを見た時何とも複雑な気分になった人は少なくないと思う。




 「特攻野郎Aチーム」でメンバーの移動手段として活躍したのが83年式GMCバンデューラ。バンはコングの愛車であり、これもこだわりの改造?が施されているため壊されたり他人が勝手に運転すると激怒するシーンが何回かあった。派手なジャンプなどのアクションシーンではチープな「影武者」にすり替わっているのを見逃さないマニアなガキでした。ならず者がカーチェイスした挙げ句クラッシュするのはダッジ・モナコやプリマス・フューリーが多かったイメージ(※MPのパトカーもダッジ・モナコか?)。




 これはハリウッド映画ではないが「マッドマックス」のインターセプターは外せない。ベースはフォード・ファルコンでフロントノーズが加工されている。「2」ではトランク部分に巨大な燃料タンクが追加されたためイメージがかなり異なる。ボンネットに突き出したスーパーチャージャーのバルジや駆動ベルトなどが暴力的なパワーの象徴になっているが、あれはダミーらしい。
 話は逸れるが、時々町で「旧車會」なるヤンキー集団が我が物顔で走っているのを見かけると、インターセプターで蹴散らしたくなるのは自分だけではあるまい。

 ここでは省略したがマックイーンがサンフランシスコで派手なカーチェイスを繰り広げたフォード・マスタング(ブリット)やバニシング・ポイントのダッジ・チャレンジャー、バニシングin60のラストでボロボロになった黄色いマスタングBOSS?、そしてスポーツモデルではないけど「激突!」でタンクローリーに煽られたプリマス・バリアントなど色々思い出される。最近は映画やドラマで車が目立ったのはワイルドスピードのダッジ・チャージャーや60セカンドのマスタング・コブラくらいしか思い浮かばないが皆さんはどうでしょう?