車のデザインはその時代によりカタチが様々である。最近の車の「顔つき」について言わせてもらえばSUVは「モビルアーマー」、ミニバンは「オラオラ顔(イキり顔)」に見えてしまう(あくまで個人の感想です)。ボディデザインに関しては全てがそうとは言えないが、ヌメっとしたフォルムが多いような気がする。今回ランタボを完成させてしげしげと眺めていると、70年代後半から80年代初め頃には折り紙のようなカクカクしたシャープなボディデザインがトレンドだったことに気づいた。




↑70系カローラ/スプリンター(写真は79年式)はこんな感じ。セダンということもあって直線基調のボディデザインがよく分かる。これならペーパークラフトでもリアルに再現できそうに見える。
 カローラ/スプリンターはレビン/トレノも含めてこの後80系にモデルチェンジ、全く別物のようなボディになった。「ハチロク」は某とうふ店の影響もあり未だに根強い人気がある。



↑先代40系セリカのキャッチコピーが「友よ、答えは風の中にあった」と流線形をウリにしていたのに対して60系は対極とも言えるエッジの効いたボディデザインに変貌した。2ドアモデルはテールランプが「ツリ目」になっていることもあってさらに直線が強調されたデザインに見える。
 直線基調のセリカも16系のモデルチェンジで「流面形」となり、再び曲線を主体にしたデザインに戻されたので60系だけ「突然変異」で誕生したモデルと言えないだろうか?




↑日産はS11系シルビアをベースにした240RSをグループBカーに仕立て上げたが、日産もやはりこの頃は直線基調のボディデザインを取り入れている。前後のオーバーフェンダーはグループB仕様の後づけだが、ボディデザインに合わせて角形フェンダーにしたと思われる。なお、240RSのテストを担当した星野一義氏は「フェンダーデザインにしてもどうしてこうも不細工なんだ。今じゃこんなスタイル通用しないよね」とあまりお気に召さなかったようである。




↑ランサーターボも二代目のモデルチェンジで3ボックスデザインになった。ターボモデルは空力を考慮してかバンパーなどが若干エッジを削いだような形状になっているがそれでも先代や三代目のランサー/ミラージュに比べるとボクシーさが目立つ。

 ※国産車のボディデザインに関してはこの頃だけ何故かペーパークラフトのようなカクカクしたデザインが流行した気がするが、前後のモデルが曲線基調の形状だったのはどうしたことだったのだろうか?この時代だけ突然変異のように直線基調のボディがトレンドになり、クラウン、セドリック/グロリア、マークIIなどほとんどの車がそうだった印象がある。今の感覚だとこうしたボディデザインは受けないのかもしれないが、「流行は繰り返される」と言われように再びこうしたボディデザインが流行る可能性がなきにしもあらず、である。