日曜日の朝はNHKの「小さな旅」を見ながら朝飯を食べるのが定番だが、今回は陸前高田市を紹介していたので興味深く拝見した。陸前高田市は震災が起きた2011年の8月に訪れて以来毎年ゴールデンウィークと盆休みには足を運んでいたので浅からぬ縁の町である。また、ヤフーブログ時代に地元にお住まいの「ふうさん」という方と懇意になり、町を案内してもらったり様々な震災復興に関する情報をご教示頂いたりしていた。
番組の中で失われた高田の松原を再生させるために尽力されている「松原を守る会」の活動が紹介されていたが、その代表者として紹介されていた方を見て「あっ」と思った。私事だが、代表の小山さんは前述の「ふうさん」とご兄弟ということで紹介して頂き、松原の再生に対する取り組みや苗木の栽培などのお話を聞かせてもらったことがあったからである。
↑自宅には苗木がいくつか育てられていた。この苗木も現在はかなり大きくなっていると思う。苗木は別の場所で大がかりに育成されていたが、ある程度の大きさになると松原に移植するとのことだった。テレビの映像では植林もかなり広範囲まで行われているように見えた。
↑ふうさんから頂いた一本松の記念切手。当然もったいなくて未使用。まだ仮設住宅にお住まいの頃、話の中で「陸前高田市は東北の1地方に過ぎないけどあの松原があったから有名になったし多くの人が訪れてくれた」みたいな意味のことを言われた。地元の人たちには町のシンボル以上のランドマークになっていたのだろう、と自分は感じた。震災前の様子は写真や映像でしか偲ぶことはできないし、現在植林された苗木が元の姿に成長するまで自分は生きていないだろう。それでもいつかは以前のような風景を見ることができる世代が来るのは間違いない。
残念ながら昨年はコロナ感染拡大防止のため三陸を訪れることはできなかったし、この盆休みも今の状況を見ればキャンセルせざるを得ないと思う。また、残念なことに「ふうさん」もヤフーブログが消滅してからは連絡が取れなくなってしまった。被災地から2年以上足が遠のくと三陸の風景や震災の記憶も薄れてしまいがちになるし町の様子も激変しているだろう。そうした時に見た今朝の「小さな旅」は久しぶりに自分の思いを呼び起こしてくれたような気がする。