先日気仙沼の旧向洋高校が震災遺構として公開されたと聞いたので、陸前高田市からの帰りに立ち寄ってみた。開館時間にはまだ少し早かったので更地になった周りを眺めていると、駐車場から少し離れた場所に黄色いトラックらしいものが停めてあるのが目についた。

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近づいてみると、国交省の融雪剤(塩カル)を散布する除雪車であったが、その破損状況から8年前の津波で破壊されたものに間違いなさそうだった。自分の勘違いでなければ、このトラックは45号線沿いにある(国土交通省)気仙沼国道維持出張所に長い間置いたままになっていた車輌ではないかと思った。いつの間にか見なくなったので廃棄処分になったと思っていたが、こちらへ移動させたのだろう。


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もう1台の車輌は破損状況がさらに酷く、キャビン部分が完全に無くなっている。金属部分は赤茶色に錆び、積もった土からは雑草が生えていた。その様はガダルカナルやペリリュー島に遺棄された兵器を想起させた。津波の破壊力をあらためて見せつけられたが、もしこの中に人が乗っていたらどうなるかは言うまでもないだろう。


このトラックは震災伝承館近くに置かれていたのでいずれ震災遺構として活用されるのではないかと思ったが、実際のところは分からない。しかしこのトラックを眺めていると、津波による凄まじい破壊力と8年という時間の流れを見る者に訴えかけているように思えてならなかった…。