イメージ 1

 隊員たちから「缶メシ」と呼ばれて親しまれてきた戦闘糧食1型が平成28年度の調達を最後に終了した。今後はパック式の2型がメインとなる。缶メシは1954年に正式採用となり、メニューの入れ替えなどを行いなから今回まで納入されてきた。旧陸軍が米から飯盒でご飯を炊いていたことを考えれば画期的な携行食であったが、重くてかさ張る、加熱に時間がかかる、空き缶の処分が面倒などが指摘されてきた。それでも常温で3年間保存できるというロングライフ性や空中投下による破損が無い、などのメリットがあって2型と併用されてきた。
 しかし2型も保存期間や強度の問題が解決されて1型の調達終了に踏み切ったと思われる。これ以前に赤飯や沢庵の缶詰めが供給終了になるなどその兆しはあったようだ(※赤飯については被災地に赤飯を持ち込むことは失礼にあたる、というのが理由らしい)。
 2型も当初はマルちゃんのパックご飯のような四角いビニールパウチだったが、現在はサ〇ウのご飯のようなトレイパックに切り替わっている。なお、戦闘糧食は大量のご飯(※缶メシなら約2合、パックご飯なら2個で1食分)を食べなくてはならないため、おかずの味付け(塩分)が濃い目になっている。訓練時や作業中ならよいが、そうでない時や食の細い人には食べきれないという問題もあるようだ(パックご飯なら1つを残すことができるが、缶メシは開けたら最後)。また、被災者に配る時は高血圧の人に注意しなくてはならないだろう。自衛隊では1度採用したものを簡単には変えることはないが、時代の流れには戦闘糧食も改変せざるを得なかったということか。

イメージ 2


※参考文献並びに掲載写真:ワールドフォトプレス・毎日新聞