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邑南町宇津井(うづい)地区にあるこの塔を登ったところには何があるでしょう?


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正解は「JRの駅」です。三江(さんこう)線は宇津井地区を高架橋で跨いでおり、列車に乗るためには写真の階段(116段ある)を登らなくてはなりません。バリアフリーどころかエレベーターすら無い宇津井駅は高齢者にはかなりキツいことは容易に想像できます。
しかし列車に乗り遅れそうになっても下から「待ってくれ~!」と叫ぶと運転士さんが待ってくれた、というエピソードがあります。そもそも三江線は1日に4便しかダイヤが無く、慌てる必要がないのかもしれませんが。


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↑階段を登りきるとこぢんまりとした待合室になっています(当然無人駅で券売機もなし)。訪れた人がメッセージを書き込むノートや地元の小学生が宇津井地区の名所を紹介した冊子が置かれており、ほのぼのとした気分にさせてくれました。


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階段への出入り口 ↑


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↑駅のホームから地上を見下ろすとこんな感じ。


宇津井駅は本来の計画なら設置されなかったのかもしれません(※その辺りの経緯はよく分かりませんが)。しかし地区の住民にしてみれば頭上を列車が通過しているのに乗車できないのではたまらないことでしょう。兵庫県にある余部(あまるべ)鉄橋そばの餘部駅も同じような理由で設置されたのではないかと思います。こちらもホームへ行くには下から山道のような連絡通路を登らなければならないようです。(※余部鉄橋は現在撤去され、コンクリート橋梁に架け替えられています)


三江線は車を運転できない地域の高齢者にとっては唯一の公共交通機関とも言えますが、典型的な赤字路線でその存続が常に危ぶまれています。三陸鉄道のように乗らなくても支援できる方法があればよいのですが…。
なお、宇津井駅の高架橋は冬になるとライトアップされ、岩手の「銀河鉄道」を思わせます。こちらは新たなイベントとして定着しつつあるようです。