個人は社会の一部であり、個人の集合体が社会である。
個人として生きるためには、社会とのつながりを無視することはできない。
常に社会とのバランスを取りながら、
人は、社会の中で生きている。
一個人の中にある、
社会的な目的と、個人的な目的。
社会的な行動と、個人的な行動。
社会的な情報と、個人的な情報。
それらを舞台上で幾重にもクロスさせることで、
俳優と観客は、空間をリアルなものとして共有することができる。
舞台上で展開される個人的、社会的な葛藤を通じて、
リアルな問題を皆で一緒に体感する。
観劇は、個人で社会を体感する行為である。
尖閣諸島沖の漁船追突事件映像流出問題。
情報を公開した国家公務員を、社会はどう捉えるのか?
あなた個人は、どう捉えているのか?
漁船衝突事件のニュースを知った時点では、
日本と中国の問題・・・といった抽象的な捉えかたしかできなかったのですが、
映像が公開された時点ではじめて僕は、
海上保安庁の皆さんひとりひとりの
人間的な心情に思いが至ったのでした。
件の国家公務員の取った個人的行動の、
どこからが社会的な罪なのか・・・?は、
法律に照らし合わせれば答えが出ると思いますが、
彼が行動を起こすに至った思いの中身の、
どこまでが個人的なもので、どこからが社会的なものなのか・・・?は、同時代に生きている我々それぞれが
考えるべきリアルな問題として今、ここにあります。
まんた