米軍のアフガニスタン撤退についての考察 | 【らくーん別邸】50歳から体調も運気もグイグイ回復

米軍のアフガニスタン撤退についての考察

米軍がアフガニスタンから撤退することは

今後の世界のパワーバランスを考える上で

ターニングポイントとなる

重要な出来事だと考えています。

癒し王ふじです。滝汗

 

次の4つの視点から考察する必要があります。

 1.歴史

 2.地政学

 3.各国の思惑

 4.宗教

 

 

いきさつを簡単に振り返ってゆきましょう。

 

約50年前、

アフガニスタンは王政→共和制政権で

安定をしていました。

 

しかし、ソ連の後ろ盾があり共産主義政党の

クーデーターが起こりました。

 

アフガニスタンはもともとイスラム教であります。

イスラム教と共産主義は考え方が

かみ合わないため、対立することになります。

 

共産主義排除のために、

イスラムの聖戦士”ムジャヒディン”

が立ち上がりました。

 

その時に、

アフガニスタンの隣国である「パキスタン」も

イスラム教ですので、

イスラム聖戦士”ムジャヒディン”を応援支援します。

 

パキスタンの思惑としては、パキスタンの隣国である

インドと仲が悪いので、アフガニスタンを自分の同盟国として

取り込んでおきたいという思惑もあったと思います。

 

そこにアメリカが絡んできます。

アメリカは、アフガニスタンの内紛で

もし共産勢力が勝ってしまうと

 

中東に共産国が出来上がり、

ソ連が有利になってしまうので

それを何とか避けたいと考えます。

 

アメリカは、ベトナム戦争の教訓を生かして

直接武力介入するのではなく、

 

間接的に、パキスタン経由で

反共産主義勢力であるイスラム戦士を支援することで

 

共産勢力を抑え込もうと考え、

最新兵器をパキスタンに送り込みます。

 

一方のソ連の思惑は、

自国の周囲に共産主義国である同盟国を作りたい。

 

そのためアフガニスタン内の共産勢力を支援する名目で

1979年にアフガニスタンに侵攻します。

 

それに対して、

アメリカのバックアップを受け最新兵器を手にした

反共産勢力が奮闘し、最終的に

ソ連を撤退へと導きます(1989年)。

 

ソ連もアメリカも手を引き、安定が訪れるかに見えた

アフガニスタン国内で今度は

ムジャヒディン同士の内紛が起こります。

 

アフガニスタンはもともといろんな部族・派に分かれていて

統一した国づくりはなかなか難しい。

 

そこに隣国のパキスタンが介入します。

親パキスタン派を支援し、力をもたせ同盟国を作らせることで

敵国インドにも対抗でき、国力アップを図れると考えます。

 

そこでパキスタンは神学校をつくり

イスラム教の厳格な教えを徹底的に叩き込み

「タリバン」という学生組織を輩出していった。

 

タリバンは、もともとアメリカの最新武器をがめて

武器武力も手にして、最終的に内紛を治め

政権を樹立することに成功。

自分たちの思想で国を治めようとします。

 

次に

アフガニスタン周辺国の動きも見ていきましょう。

フセインの独裁国家であるイラクは

 

第二次世界大戦後、石油利権で勢力を更に拡大したい

との思惑から、石油を高く売って儲けようと画策。

 

そのやり方に従わなかった石油産出国であるクウェートは

イラクによって侵攻を受ける。(1990年 イラクによるクウェート侵攻)

 

それに対し、中東のリーダーであるサウジアラビアが

黙っていなかった。

 

石油王国サウジアラビアで最大の建設会社

御曹司(53人の息子の中の一人)であった

ビンラディンが、アラブの国を守るべく

イスラム戦士として、イラクと戦うため名乗りを上げる。

 

それに対し、サウジアラビア国王は

イラクは化学兵器も持っているし軍事力も強いので

イスラム戦士だけでは、対抗できないのではないか

と考える。

 

そこに、アメリカが話を持ち掛け、米軍を駐留させるので

協力して守りましょうということになる。

 

それに対し、ビンラディンは、米軍に支援を頼るのは

イスラム国家として間違っている!とサウジ王家にモノ申した。

イスラム国家はイスラムだけで守ると主張した。

 

その結果、サウジ王家に歯向かったとして

国外追放となる。

 

その後、スーダン→アフガニスタンへ逃れた。

しだいに反米感情を募らせ

テロ的行為を行うようになっていった。

 

アフガニスタンは、かつて対共産勢力として共に戦った

イスラム戦士であるビンラディンをかくまった。

 

そこに9.11テロが起こった。

アメリカは、ビンラディンをかくまう

アフガニスタンのタリバン政権に対し

ビンラディンの引き渡しを要求するも、アフガニスタンは拒否。

 

こうしてアフガン戦争は始まり、

アメリカはアフガンを空爆し戦いに勝利した。

タリバンは一旦散り散りになる。

 

アメリカは、

アフガニスタンを民主的国家としてゼロから作り変えようとする。

憲法、軍隊、警察、選挙を導入し、かなりの金を投資した(220兆円)。

 

アフガニスタンには、政権として”傀儡政権”が出来上がり、

賄賂や汚職が横行する中身のない政権になっていった。

 

一方で、タリバンは、ケシ栽培、麻薬で財源を確保し

密かに少しずつ勢力を拡大していた。

テロも定期的に起こり、米兵や国民も犠牲になった。

 

アメリカとしては、予算と人命を、

美味しい利権のないアフガニスタンに

これ以上使いたくないということになり、

 

オバマ政権時から最大10万人いた米軍は、

少しずつ撤退を開始。

 

トランプ前大統領の時に

タリバンと話し合いを行い、テロはもうしないとのことで

さらに米軍の撤退を推進。

 

現アメリカ大統領バイデンになり、完全撤退となる。

米軍が撤退するな否や、

タリバンがあっという間に首都カブールを制圧し

アフガニスタンをほぼコントロール下に置いた。

アフガニスタン政府軍はさっさと逃亡消滅。

 

現在、タリバンと中国は接近しており、

今後どうなるか引き続き注視が必要です。

 

右差し

米軍のアフガニスタン撤退は、

世界のパワーバランス、世界の潮流を変える

ものすごく大きな出来事です。

 

今、世界は1つになっていますので、

例えばユーラシア大陸の遠くで起こった出来事でも

日本に大きな影響を与える時代なのです。

 

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