たいせい堂薬草店ブログ~東洋的な身体論、養生法~

たいせい堂薬草店ブログ~東洋的な身体論、養生法~

東洋医学の観点から、普段の養生法や豆知識、身体のこと、患者さんの語らいの中で気づいたことなどを紹介していきます。

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今年は早くも梅雨入り、すでに台風襲来済み、と、春や初夏を満喫する間もなく、うっとうしい季節を迎えています。
この湿気の多い時期は、体調を崩しやすいですが、皆さんは大丈夫でしょうか?僕は、やはり胃腸がいまいち重いような気がしますね。やはり、湿気や気圧の影響があるのかもしれません。

さて、そんな重さを吹き飛ばすべく試飲に参りましょう!今回は『呉茱ユ湯』。これは基本的に胃が冷えた時に用いる漢方薬です。 多分、はらぼう天使も胃が温かい方ではないと思われますが、そんな僕が飲むとどうなるのか?
さっそく飲んでみましょう。

まず味は辛い!といってもいわゆる唐辛子のような辛さではなく、苦味と生姜の辛さが一緒にくる感じ。(実際、生の生姜が入ってます。)ちょっと口とのどにピリピリきますが、僕は風味としては嫌いではないですね。
脈は、脈の打つ感じが、飲む前より、底のほうで力強くなって来ました。
体はやや温まる(のぼせる)ような感じで、お腹の上部(肋骨の一番下辺り)もピリピリというか温まるというか。

この薬は、食後にムカムカして吐き気があったり、吐いたりして手足が冷え、頭痛もあるような者に用います。
その状態を少し詳しく説明すれば、胃が冷えて胃と「陽明経」(体を巡る経絡の1つ。胃腸と関係が深い)との間で交流が悪くなり、「陽明経」に熱が停滞した状態で、結果、頭痛や首のコリが発生します。また、胃が冷えて「陽気」を生成出来ないため、手や足も冷え、吐き気などが起こるのです。
このような状態になる例としてよく挙げられるのが、子供が昼間にアイスクリームなど冷たい物を食べて、夜に熱が出るケース。

1つ気をつけたいのは、この薬の「証」では、患者さんが発熱していても体(の中)を冷やすのではなく温める、ということ。 先の子供の例でも、パッと見は急な発熱で「風邪でも引いたかしら?」と、冷やしたくなるんですが、そうではない(場合がある)ということです。

ちなみに『新古方薬嚢』を書かれた荒木性次先生によれば、この薬の証では「吐き気と頭痛」が一番の目の付け所とおっしゃっています。

さて、その後の僕の体調はといえば、胃が悪くなるようなことはなかったので、ひょっとすると実は胃がかなり冷えているのかも?
ヤバい、重症ですね。脾虚対策、がんばらねばあせる

皆さんも、これからの季節、冷たいものの食べ過ぎには気をつけてくださいね。



はらぼうブログ

いよいよ新緑の季節、5月となりました。木や山々も青々として、ピクニックなどにはいい季節ですね。
みなさん、GWはいかがお過ごしだったでしょうか?私はらぼう天使は、近くの町の裏道を友人と散策して、体力不足を痛感したり、バイクで近くの山道を走ったりしてリフレッシュしました。

で、現実に戻るべく、最後に試飲の宿題をなんとか1つこなしております。
この度は、『桂枝加龍骨牡蠣湯』。この薬は、動悸やめまい、夜尿症などに用います。では、さっそく飲んでみましょう!

味は、桂皮(ケイヒ。ニッケとほぼ一緒)の香りがして甘め。なかなか美味しいです。
脈は、やや底の方に力が出てきました。
体は少し温まる感じ。桂皮(ケイヒ)の気味である「辛・温」の作用のせいでしょうか。

この薬が用いられる時の体の状態としては、労働や房事(セックス)過度などで疲れて、「五臓」の腎が弱った状態です。もう少し詳しくいえば、腎は腎でも腎の「津液」の不足ではなく、腎の「気」の引き締める力が弱った状態です。

また、逆に房事を我慢していても、この薬の「証」になる、と古典には書いてあります。「官女或いは節を守る婦人、或いは年長にして未だ嫁せざる室女の如きは、情欲の気、下焦に欝して相火を動じ~云々。」

加えて、この薬の「証」で起きる動悸は、下腹から胸に向かって突き上がるような感じで、突然起こることが多いようです。これは腎の気が下焦にとどまっていられない為で、先に触れた腎の「気」の引き締める力が弱いために、陽気が突き上がると考えられます。

夜尿症に効く、というのは、その患者さんにもよりますが、子供は身体の成長の途上であり、腎(精)が完成しておらず、基本的に「腎虚」であるということと、習い事などで忙しく疲れているような(=虚労)子はこの薬の「証」にあてはまる、ということからです。

さて、その後のはらぼう天使の体調ですが、若干胃もたれ感はあるものの、おおよそ悪くない感触。口当たりもよかったし。ひょっとして働きすぎ? もしくは、、、。
いずれにしても「腎虚」が進んでいる模様。歳はとりたくないのう~。


はらぼうブログ

ウチの周りでも、サクラ桜が一気にほころび始めました。今年は3月まで結構寒かったせいか、入学式でも¨満開¨ではなさそうですね。今週末の土日辺り、公園などは花見で人がいっぱいかもしれません。(ちなみに僕は行く予定ですがいい場所が取れますやら)



今回の試飲レポートは『荊芥連翹湯』。鼻炎や中耳炎、アトピーなどによく使います。体質にもよりますが、今の季節はその症状が悪化しやすい人が多いかもしれません。

前回の『柴胡清肝湯』の処方と基本は同じなのですが、少し生薬を変えることで微妙に身体に対するはたらき方が異なっています。その辺りを比較しながら見ていきましょう。



おっとその前に、まずは試飲を。

味は甘みも感じ、苦さもあり、ヨモギのような(入ってませんが)草っぽい味と香りがします。後口は苦みが残ります。

色は次の写真のような感じ。




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脈はやや堅かったのが少し弱くなりました。

体調は、最近身体がかゆくなる所が何ヶ所かあるのですが、それが少しかゆくなる感じが。それはすぐ落ち着いたのですが、もう少し時間を置いて後、どうも胃の調子が悪くなりました。もたれるというか気持ち悪いというか。「陽明経」(は胃と関係が深い)の「熱」をとる作用からでしょうか。



この薬は、耳・鼻両方の病に効く処方といえます。

ベースは「四物湯」と「黄連解毒湯」を組み合わせたものですが、それに荊芥や防風などで頭や顔面部の熱をとっていく薬です。中でも、「排膿(ウミを出す)」作用があります。

前回の『柴胡清肝湯』との違いは、『柴胡清肝湯』が身体をめぐる経絡の「肝経」、「胆経」、「三焦経」の(特に首から上の)疾患を治すはたらきがあったのに対して、『荊芥連翹湯』は「陽明経」を主治とする、ということです。ちなみに、首から上の「陽明経」は、瞳の下の頬骨から下にくだり、顎から頸動脈の辺りに下っています。



病理としては、「腎」の「津液」が少なくなり、それによって「津液」と関係の深い「血」が停滞して、気のめぐりも悪くなり、結果、「血」や「熱」が身体の何処かに停滞している状態です。「血」が停滞する場所は、肋骨と腹部の境界付近(胸脇部)や下腹部に多く、また「熱」については、「陽明経」の上部や「心」などの上半身に多く見られます。



ですからこの薬は、上のような状態が考えられる患者さんの、副鼻腔炎や慢性の扁桃腺炎、ニキビ、青年期のアトピーなどに用います。



ここで少し補足すると、前回触れた『一貫堂』の森先生の教えによれば、「蓄膿症は手術だけでは根治できない理由がある」といいます。何故なら、蓄膿症になる患者は、小児期に扁桃腺などになりやすかった者の体質が変化したもので、手術してもその患者の体質改善を図らねばまた蓄膿が起こる可能性が高い、と。

最近は手術の技術も進歩しているようですが、「蓄膿症は治りにくい」というのは、こんな理由によります。



漢方薬は、正直、人によって効き方が違う場合がある、と思います。(あってない薬というのは除いて。)薬に反応しやすいもしくはしにくい体質といったことや、急性病では早く効いて、慢性病では時間がかかり易い、など。

一般的に、体質改善には長い目でみた計画がいる、と思った方がいいでしょう。そういうとき、自分の体調をゆだねられる漢方薬屋さんや鍼灸治療院があると心強いですよ!

皆さんも、機会があれば是非一度足を運んでみてくださいね。





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