東洋医学で言う「脾」の臓は、消化吸収の中枢をつかさどる臓器で、現代医学の胃腸に相当すると考えていいでしょう。「脾」は栄養の運搬と消化の働きを担当するとともに、水分の代謝に関与しています。そして「六腑」の胃と深いつながりがあります。

 

脾と胃は協力して食物の消化吸収や栄養の運搬を行うものの、性質が反対で、脾の「気」は上に昇って物質を全身に巡らせ、胃の「気」は下がって消化を進めます。ですから、下降するべき胃の気が逆に上昇するとしゃっくりや嘔吐、吐き気が起こり、上昇するべき脾の気が下降すると気力がなくなり、胃下垂や下痢の症状を起こすわけですガーン

 

飲食したものから吸収するエネルギーは生命力の源泉で、脾はまさにエネルギーを作るポジションの「臓」と言えます。食欲と消化吸収力の旺盛さが生死の分かれ道で、脾はそれに関わっているのですから、虚弱体質を克服するためには「脾」の働きを活発にしなくてはなりません。

 

東洋医学には「先天の精」、「後天の精」という言葉があります。前者は父母から受け継いだ生命力、後者は食物から得る生命力を指し、先天の精がどんなに充実していても十分ではありません。その生きていく上で重要な「後天の精」と深く関わっているのが「脾」なのです。

 

また脾は元気、すなわち「気」の元となる臓器とも考えられています。身体全体に栄養を配分する「血」は、「気」によって身体の中を活発に巡ることができますから、脾の状態が健康で気の活力があるならば、血流に乗って栄養分も活発に体内に行き渡るわけです。それによって筋肉も豊かになり、手足への滋養も十分となり、しっかりした体を動かす活動ができるということですネウインク

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黄柏(オウバク)は漢方生薬の一つで、別名キハダとも言います。

日本全国に分布する落葉高木で、高さは20mにも達します。材質は軽くて柔らかいですが、木目がきれいなため家具や工芸細工に用いられます。

 

 

上の写真が、漢方の煎じ薬で使用する「黄柏」です。

このように、樹皮の内皮が鮮やかな黄色で、樹皮を剥いでコルク層を除き、平板状に乾燥したものの主成分が黄色色素のベルベリンで、古代から染色に利用され、また防虫作用もあることから、正倉院には黄柏で染めた写経用紙が残されているそうですびっくり

 

またその薬理作用が東西医学で広く応用され、西洋医学ではベルベリンを抽出して健胃、整腸に、東洋日本の民間薬では、奈良県で作られている「陀羅尼助(だらにすけ)」のようにやはり胃腸薬として、黄柏の樹皮を煮詰めたものを主成分として使ったりしていました。

 

漢方でも苦味健胃薬および整腸薬、消炎性収斂薬として、胃腸炎、腹痛、下痢などの症状に使用され、打撲傷には外用もします。これは以前ブログで書いたこともありますが、「黄柏シップ」として消炎効果を狙って使用されます。

漢方処方には、滋陰降火湯、温清飲、黄連解毒湯などのほか、体力虚弱の方の暑気あたり、夏痩せ、下痢などの症状に用いる清署益気湯などがあり、いろいろな処方に使われるメジャーな生薬の一つです口笛

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今日は変わったネタですが、、、「首をつった人を救う法」。

ちょっとドッキっとするような題目ですが、何故こんな? というのは、実はこういう方法が中国の漢方薬の古典に書かれているからなんですガーン

 

その本とは「金櫃要略(キンキヨウリャク)」という、かの有名な「傷寒論」対になっている漢方の聖典と言ってもよいでしょう。この「金櫃要略」の最後の方の「雑療法」という章に、「還魂湯証」という漢方薬の後に出てきます。ちなみに「還魂湯」は「急に人事不省になったときに主治する。」もので、麻黄、杏仁、甘草を煎じたものです。

 

さて、本題ですが、、こういう本に書かれているということは、やはり昔も首をつる人がいて、何とか助けたい!ということが多々あった、ということでしょう。

その方法とは、「首をつっている状態から、ゆっくり抱いておろす。縄を切ってはいけない。次に柔らかい布団に寝かせ、一人が足で両肩を踏む。また髪を引っ張る。また別の一人は人工呼吸をする。別の一人は手や足をさする。三十分これを続けると呼吸をしだし目を開く。それでも中止してはいけない。また桂枝湯とおもゆを少し与えると良い。

朝首をつって夕方に発見した場合は冷たくなっても助かる場合が多い。夕方に首をつって朝発見した場合は助かりにくい。ただし夏は夜も短く昼も陽気が盛んなので助かりやすい。また心下部が温かい場合は一日以上過ぎていても助かる。」

 

後半の、「朝つって夕方発見しても~、とか1日以上過ぎても助かる」という内容は「マジで?」って感じですが、前半の内容は万一そういう場面があったら可能性があるのかな~と思わせる内容ではありますアセアセ

 

この「雑療法」の章はなかなか興味深い内容のものが多いのですが、例えば「溺死者を救うには、体を灰で埋め尽くしてやると良い。」「急に人事不省になった者を救うには、ラッキョウの絞り汁を鼻中に注ぐ。」「暑さにあてられ倒れ、意識を失った人を救う法は、絶対に冷やしてはならず、臍(ヘソ)を中心とした腹を温めるのが良い。」といったものがありますびっくり

 

今なら救急車とか救急病院があるので「ありえね~!」とか考えてしまいますが、当時(1800年ぐらい前)は真剣というか最後のよりどころ的な感じだったのではないでしょうか。

 

 

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