スティーブン・ソダーバーグ監督の最新映画「コンテイジョン」が
11月12日から全国ロードショーとなる。
タイトルは「感染」という意味。東京、アメリカ、ロンドン、香港などで風邪のような患者が多発。治療の効果無く数日後には死に至り、感染者・患者が短期間に激増するパンデミック・パニックをワクチン開発に絡めてサスペンスタッチで描いた意欲作。
 おりしもインフルエンザ予防接種の時期となり、この映画を見た人は速攻、予防注射を打ちたくなるかもしれない。
そろそろ人に対して強毒性のH5型や新型H1N1の変異型も出てきそうなので、タイムリーな映画といえる。
主演はマット・デイモン。

ソダーバーグ監督映画と聞いて思い出すのは「ソラリス」

原作はポーランド人SF作家”スタニスワフ・レム”。
地球外生命体とのコンタクトを描いた三大作品の一つである。
ゲルな夢日記-そ1
2004年 (株)国書刊行会刊 「スタニスワフ・レム コレクション全6巻」より


映画としては旧ソ連のアンドレイ・タルコフスキーが1972年に製作したのが最初で、全体としてノンビリテンポ、東京の首都高が写っていたりしたが、この映画を見た当時は衝撃的印象を受けて忘れられない作品となった。

リメークされた映画は、原作とはかなり印象が異なるが名作として各種賞を受賞した。
スティーブン・ソダーバーグ監督・脚本
ジェームズ・キャメロン製作
ジョージ・クルーニー主演 2003年 20世紀 FOX社


ゲルな夢日記-そ2

意識を持つ惑星「ソラリス」では、人間の潜在意識にあるトラウマ?を物質化してしまう。
ソラリスの周回軌道にある宇宙ステーションで、主人公はすでに自殺してしまった妻の複製と直面することになり、軋轢・葛藤を繰り返し体験する。最後にはソラリス地表上に出現した自分の町そっくりの世界で(複製として?)暮らすようになるという結末。


 惑星が意識を持っているという設定もさることながら、人間の潜在意識を現実化物質化してしまうという現象は、今見るとなんだか近未来の地球の様子を描いているかのような予感がしてきた。