〇ら落語コンシェルジュ ® 相山美奈子 です
元「コメディNo.1」の前田五郎師匠にインタビュー!
超超超大御所、お笑い界のレジェンド!
数回に分けて掲載します(五郎師匠には了解を得ています)
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⑤1年目で売れっ子に
相山:漫才を始めて、すぐ売れっ子になって、一番お忙しい時ってどれくらいの仕事量ですか。
前田:毎月レギュラーが16本。
というのはね、それまで当時漫才のコンビ組んだはいいけどね、
始めから最初から売れるという意気込みで2人ともやったわけやない。
僕等がコンビを組んで1年目に、横山やすしがタクシーの運転手を殴る事件があった。
あいつらその頃13本くらいレギュラー番組持っとったん。それが全部うち来た訳。
でまあ、やすきよの後に僕らがそのレギュラー持ったから、今思(おも)たらありがとうと、やすしに言わんといかん。(両手を合わせる)
相山:あれがなかったら。
前田:そ、もの凄いきっかけや。あれきっかけで彼等の仕事、みんな来たわな。
それで売れ出した。
相山:何がきっかけってわからないですね。
前田:そう、まさか1年目でそんなことが起こると思わへん。
これから何年か修業してとか、そういう考えでおったから、いきなり1年目に。
相山:急に時の人になって。売れて気持ちの切り替えというのは。
前田:まず、ついていけない。
花月で10日間やるのがたまにでしょ。それがもうほとんど、みんなものすごう売れた人なんかは、1日4時間しか寝られへんなんて、こいつらたいそうに言い寄るって思たけど、嘘言うとるわ思たけど、ほんまや。実感した。
相山:何が何だかわからなくなりませんか。
前田:あのねえ、1日8本漫才したらね、もうパニックになる、ネタがどれがどれやらわからなくなる。
あの頃はネタ関係なしに、顔さえ出せばお客さん納得してくれた。
うちの漫才はだいたい普通の漫才で、坂田がボケたら「お前アホか」って突っ込む、「コラッ!誰がアホやねん!」って。漫才の台本は彼書けないから、全部僕が台本書いてましたからね。
ある時に台本執筆中に、坂田がボケたら前田が「お、お前アホやろ」と突っ込む。坂田が「誰がアホやねん!」というごくオーソドックスな漫才をやっていたが、これをそのまま逆らわずに「うん、アホや!」と受けてみたら・・・?と舞台でかけたらこれが大受け!他の並行の漫才師より二段も三段も頭が抜けて、見事なギャグが生まれました。
相山:今までにない形ですね。
前田:普通やったら、怒るとこをね。
相山:あの笑顔と雰囲気で。
前田:それがひとつハマった所やね、ネタで。
相山:かなりブームになりましたね。
前田:そうやね、「アホの坂田」でレコードまで出して。
相山:ただ「コメディNo.1」ではなくて、「アホの坂田」が独り歩きを始める。
前田:そうそう。それがあんねん。そやけど、唄ってるのは僕で、坂田はセリフだけやったのに、坂田1人の仕事ばっかり入って来た。
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だんだん仕事の量の差ができてきて、コンビの仲にもヒビが・・・
次回は「仲の悪いコンビ」をお届けします
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〇ら落語コンシェルジュ ® 相山美奈子