【政治・社会】選挙やり直しの場合の計算 | 声フェチのブログ

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主に女性声優さんたちのお誕生日をお祝いしたりします。
愛語回天。

いつもは女性声優さんのお誕生日をお祝いするブログですが、今回もまた別のカテゴリーの記事です。

そういえば前回のお誕生日記事は簡単に済ませちゃいましたね。

アニキ(水木一郎さん)の訃報が入ってきたので、そんな日にお誕生日記事もないだろうと思って。

ひーちゃん(金元寿子さん、12月16日生れ)のお誕生日はちゃんと書けるといいなあ。

残業などで書けない時は翌日の土曜日に書きます。

 

さて本題。

何日か前に選挙のことについて書きました。

そのなかで選挙がやり直しになる場合の例を出したわけですが、なまじリアルな数字を使ったばかりに余計わかりにくい感じになってしまいました。

なので、今回はもっと単純な形で計算してみようと思います。

なるべくなら中学生以下の人たちにもわかるくらいの説明になるといいんだけど。

 

選挙がやり直しになるのはどういう場合かと言うと、立候補した候補者の誰も法定得票数を満たさなかった場合です。

これは公職選挙法第95条に規定があります。

衆院選(衆議院議員選挙)の場合、法定得票数は「有効投票の総数の1/6」と定められています。

ちなみに、参院選や地方議会選挙の場合はまた別の計算式があります。

この間は東京都の品川区長選で再選挙が発生しましたが、それ自体とても珍しいことなんですよね。

地方公共団体の長を選ぶ選挙の場合、法定得票数の算出には「有効投票の総数の1/4」という式を使います。

 

今回はとある地方自治体の長を選ぶ選挙を想定してみましょう。

法定得票数は「有効投票の総数の1/4」という式を使って導き出します。

 

ケース1:どこかの地方自治体の首長選挙

有権者:1000人

総投票数:500人(投票率50%)

有効投票:490票(有効投票率98%)

無効投票:10票(無効投票率2%)

立候補者3名

この時の法定得票数は490票 ÷ 4 = 122.5票となります。

 

再選挙になるのは「候補者すべてが法定得票数を得られないとき」なのですが、候補者3名だとこの条件を満たすことはできないですね。

なぜかというと、計算の基礎になっているのは「有効投票数」なので、490票すべてが候補者3名に割り振られているわけですよ。

有効投票490票を3候補で均等に分けようとすると一人当たり約163票になります。

その場合489票+余り1票になりますから、残りの1票は3人のうちの誰かに配分します。

候補者A:164票

候補者B:163票

候補者C:163票

合計:490票

法定得票数は122.5票ですから、誰にどう票を配分しても3人のうちの誰かは必ず法定得票数を超えるので選挙は無事に成立します。

そう、法定得票数を導くときに、有効投票数を割る数よりも大きい数の立候補者がいなければ、そもそも再選挙は起こらないんですよね(上の例の場合は5人以上候補者がいないといけない)。

 

たしか品川区の場合は立候補者が6人だったと思いますが、その場合はどうでしょうか。

とりあえず490票を6人で分けてみます。

票を6人で均等に分けた場合、一人当たりの票は約81票になりますね。

この場合は486票+余り4になるになるので、残りの4票をさらに4人に分配してみます。

するとこんな感じになります。

候補者A:82票

候補者B:82票

候補者C:82票

候補者D:82票

候補者E:81票

候補者F:81票

合計:490票

法定得票数は122.5票ですから、この例ではどの候補も法定得票数を得ることができずに再選挙になります。

82票を獲得したA~D候補の誰かが当選するには、あと41票必要です。

 

ただ、普通の選挙(特に投票率が低い場合)では、得票は政党支持率を反映することが多いだろうと考えられます。

実際にはこんな感じになるでしょう。

自民党(支持率37.1%):327票

立憲民主党(支持率7.0%):62票

日本維新の会(支持率4.4%):40票

共産党(支持率3.2%):29票

公明党(支持率2.3%):21票

国民民主党(支持率1.2%):11票

合計:490票

各党の政党支持率はNHKの集計による2022年11月14日現在の数字です。

実際には上の党の他にも弱小な党がいくつかあったり支持政党なしが35.7%ほどあったりします。

それらに対応する票も上の例に挙げている各党の支持率の比率に応じて無理矢理割り振っています。

なんとなくそれっぽい感じになっているような気がするのは自分だけでしょうか・・・・・・。

 

先ほど計算式が「有効投票の総数の1/x」のとき、立候補者数が x 以下だと再選挙が発生しないと書きました。

衆院選(小選挙区)の場合だと x が 6 になるわけですが、衆院選の小選挙区で立候補者が6人を超えるなんてことはあまりないような気がします。

うちの選挙区(茨城2区)でもせいぜい4~5人くらいだったような。

そうすると、日本の選挙には最低投票数の規定がありませんから、

どんなに低投票率だろうが必ず選挙は成立する

ということになります。

ぶっちゃけ投票率1%でも成立します。

 

ケース2:かなり終わった感じの衆院選小選挙区

有権者:1000人

総投票数:100人(投票率10%)

有効投票:20票(有効投票率20%)

無効投票:80票(無効投票率80%)

立候補者3名(P)

政治的無関心にも程があるなあ・・・・・・ 。・゚・(ノ∀`)・゚・。

この時の法定得票数は 20 ÷ 6 で 約3.3票です。

パラメーター x = 6

さっきも書いた通り、立候補者数Pが P < x になっているので

選挙は確実に成立します。

候補者A:8票

候補者B:7票

候補者C:5票

合計:20票

法定得票数は3.3票なので、誰か一人でも4票以上を獲得すれば選挙成立です。

選挙に最低得票数の規定がない日本では、上の例のように90%が棄権し、投票者の80%が白票などわけがわからない票をブッ込んでも選挙は余裕で成立してしまうんですね。

ケース2はかなり極端な例だと思いますが、そのうち笑い事では済まなくなるかもしれません。

上の例では1000人の有権者がいる選挙区で、たった8人から支持された候補者が国民の代表になるんです。

その8人がカルトだったりしたら・・・・・・。

このような低投票率・低有効票の選挙では組織票を持つ候補が有利なのがおわかりいただけるかと思います。

有権者が1000人いても

900人に家で寝ていてもらって

80人に白票を入れてもらえば

組織票を使って余裕で勝てる。

自民党の選挙戦略はおおむねそのようなものなのだろうと思います。

棄権が増えようが白票が増えようが、彼らはそういう状況を歓迎こそすれ反省などするわけがありません。

選挙制度を中選挙区制から小選挙区比例代表制に変更したのも、今考えれば一人勝ちを目指した戦略だったのでしょう。