財政赤字の経済学的なバックボーンについて紹介していきたいと思います。
財政赤字の賛成派はケインズ派が多く、反対派はほぼそれ以外、マネタリスト、リフレ派等である。彼らの主張をまとめると、このようになる。
ケインズ派 財政赤字、即ち国債の発行は、不況期において、有効需要を作り出し、経済を活性化させる。結果1次的には国債の発行は、負担になるものの、景気の活性化によるGDPの成長、税金の増収、それに伴うインフレなどで、寧ろ経済を成長させることとなる。
マネタリスト派 財政赤字、即ち国債の発行は、経済を活性化させない、また政府は非効率であり、国債が多く発行されるということは、その分だけ本来民間で使われるべき資金を政府が奪ったということであり、経済成長を低下させる。
この考え方の違いはどこから来たのだろうか。
ケインズ派は不況時に有効需要が足りず、公共事業、橋や道路を作ることで、仕事を増やし、乗数効果が高い事業をすることで、景気が上向くと考えた。しかし、国債発行には世代間の不平等格差、世代内での資本移動等負の側面がある。だが、国債を発行しなければ、経済成長が落ちてしまう場合を考えると、このような不利益を蒙っても、それを上回るメリットがあると認識している。
マネタリスト派の考えでは有効需要は存在しない。また中立命題という仮定の下、国債を発行し、1次的に政府が多くお金を使っても、将来、来るであろう増税に備えて、消費や投資を増やさないという仮定を置いている。よって彼らの論理では公共事業を実行して各方面にお金が落ちても、将来の増税に備えて誰も消費を増やさないという考え方である。当然公共事業による波及効果は認めないということだから、公共事業の効果はほぼないに等しい。また、国債を発行することによって、政府と市場での資金の奪い合いが起き、金利が上昇し、本来民間がすべて使えるはずだった資金が減り、投資が減ってしまうというクラウディングアウトが起こるという主張もある。
つまりケインズ派は公共事業の経済刺激効果を重要視し、マネタリストは公共事業の経済刺激効果をほとんど認めていない。またどちらも国債発行には世代間の不平等格差、世代内での資本移動等負の側面があると認めている。ようは公共事業の有用性の1点が真の問題なのである。
では公共事業の効果がないというのならマネタリスト派どうやって経済を刺激しようとしているのか。それは量的規制やインフレ規制である。かなり大雑把に言えば、一定量の金融緩和を継続性をもってやり、インフレを抑えれば経済は活性化するという主張をしている。そのためには政府は支出を控え、インフレだけを気を付け、余計なことはするなということである。
纏めると、ケインズ派は不況時に公共事業をして景気刺激を、マネタリスト派はインフレ安定による、市場の活性化による成長をという考え方である。



