いやしんぼ~北京の膨満感2~1日目後半戦
有名な王府井あたり。この日も大気汚染はむちゃくちゃヒドかったが、ほとんど誰もマスクを着けていない。恐るべし、中国人民諸君。
餃子を喰らった後は、東四あたりの胡同(路地)をぶらり。北京は世界で一番公衆便所が多い都市らしく、酒を飲むと途端に歩く小便製造機と化す我が身にとっては、非常に過ごしやすい町である。
路地裏をうろうろしていたら、案の定尿意が込み上げてきた。すかさずそのへんにあった公衆便所へ突入する。
そこは期待を裏切らず、典型的なニーハオトイレであった。しかも仕切りすらない上級者向けで、おっさんがしゃがみ込んでの現在進行形。ナイスライブ感いただきました。中国を訪れるのが初めての友人に、さっそく大陸中国らしい風景を見せられて良かったぜ。
しばらく繁華街をブラブラしてから、前回も訪問した北京名物ジャージャー麺で有名な海碗居
へ。地下鉄6号線ができたおかげで、今回は増光路にある本店へ行くことができた。
最初にいただいたのは、北京のポピュラーな北京小吃のひとつである麻豆腐。どちらかというと、食物というよりも排泄物を彷彿とさせるようなルックスで、お世辞にも食欲をそそるとは言い難い。でも、実は前から興味があって、前回訪問した時も試してみたかったんだよなー。1人だったから外すのが怖くて頼めなかったんだけど。
さて、この麻豆腐、何からできているのかというと、緑豆春雨を製造後、残ったカス(おから)を発酵させたものが主原料とのこと。それを油で炒めて、仕上げに熱した辣椒油をぶっかけたものがコチラである。ちなみに使用する油はサラダ油か羊の油のどちらかを選べるんだけど、もちろん伝統に従い羊油を所望してみた。
この選択が結果的に正解であった。羊の香りって基本的に苦手なんだけど、「この料理には羊の油しかない!」・・・ってぐらい抜群の相性。まさにドンピシャリ。緑豆おからのまったりとしたコクとほのかな酸味をすりつぶすように舌の上で味わうと、羊とネギと唐辛子が入り混じった香りがす~っと鼻に抜けていく。すかさずアルコール度数56度の白酒をグイッと飲ると、これがなかなか悪くないんだよなー。なんだかクセになりそうな味だぜ。
次にいただいたのは糖醋里脊。豚ヒレ肉の甘酢あんかけっす。
豚ヒレ肉は片栗粉か何か、でんぷん系の衣をつけて揚げているみたい。そこに割合ハッキリ甘酸っぱいあんをからめてある。
あんが絡んだ衣はいつまでもパリパリサクサクとした食感を保っていて、そのいい意味でチープな味付けと相まって、スナック感覚でイケちゃいますな。
次にいただいたのは牛肉と大根の煮物。本当は前回もいただいた茄泥を久しぶりに喰べたかったんだけど、品切れだったので隣の人が喰べてて美味しそうだったこちらを頼んでみた。
しかし、これは正直ハズレだったなー。甘さのないありがちな五香味で、煮込みが全然足りてない。こりゃリピートはないな。
シメはもちろんこの店の名物である肉丁小碗干炸(ジャージャー麺)っす。冬だというのに、やっぱり涼的(水で締めた麺)で頼んでしまった。ツヤツヤと白く輝く麺と、味噌ダレから立ち昇るネギ油の香りがたまらんぜよ。
味噌ダレは甘すぎず辛すぎず。八丁味噌のようなコクと渋味が感じられる。
そして、水で締めた麺はムチムチとした強いコシがあって、相変わらずウマイ!日本のヘタなラーメンにありがちな臭気とは無縁で、小麦の風味がしっかり感じられるウマイ麺っす。卓上に置いてある黒酢をかけたり(餃子屋のもそうだったが、注ぐときにメチャクチャこぼれよる。これでいいのか、人民諸君?)、北京っ子よろしくワイルドに生にんにくを齧りながらすすると、これまたたまらんウマさ!!
1年半前と比べると、例えばジャージャー麺が21元から25元といった具合に値上げされているようだけど、名物のジャージャー麺を始め、どの料理もケミカルさを感じさせない真っ当な味付けだった。北京の庶民料理が手軽に美味しくいただけるオススメの店っすね。
勘定はビールや白酒をいただいて、1人あたり約1500円でした。
ほいじゃまた。