フード切断でフルサイズの円周魚眼レンズ | やる時はやりまっせ!

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ニュージーランド南島クィーンズタウンで満天の星と赤色オーロラの撮影に人生を捧げております。同タイトルのホームページTOPを毎週移植

 

フード切断でフルサイズの円周魚眼レンズ

 

 

2024年7月も末。
皆様におかれましては、ラニーニャの影響によると思われる偏西風と黒潮の蛇行により、多くの場所で悪天候に見舞われているご様子。

エルニーニョ、しかもスーパーが付くエルニーニョから一転、その反対のラニーニャでも通常の天候から逸脱しているのは、ここニュージーランドも同様です。

ただこちらは人命に関わるような悪天候にはなっておらず、単に小雪故にゲレンデに雪がないシーズンとなっております。

ただ、2024年7月29日の夜から翌日にかけては冬型の気圧配置が強まり、海抜500メートルまでの降雪が予報されています。

ここクィーンズタウンの海抜が310メートルなので、麓まで白く雪化粧するのではないでしょうか。

そんな中、第25期の太陽活動の頂点を迎えると思われる昨今、急遽フルサイズセンサー用の「円周魚眼レンズ」取得に向けて調べものをしておりました。

候補は幾つかありますが、どれもニュージーランド国内では新品しか売っておらず、しかも発売時期が10年以上前のものなのに、値段が8万円から15万円もする商品ばかり。

欲しいのはミラーレス用の円周魚眼なのに、それらのレンズは一眼時代のモノばかり。

やった!ミラーレス用を見つけた~と思っても、APS-C用だったり。ミラーレス用の円周魚眼は見当たりません。

引き続き探していると、ありましたよ。でもちょっとトリッキーでっせ。

それは

 

 

 

 

 

 

①マイクロフォーサーズ用マウントの対角魚眼レンズである「サムヤン7.5mm F3.5」を手に入れます。

②「精密ドライバー」「眼鏡ねじ回し」等の小さなプラスドライバーを用意します。

③「糸ノコギリ」を用意します。

④出来れば「小型バイス」「小型万力」があると便利です。


その前にプラスチック製のレンズフードを外しますが、先ずはレンズの前玉とフードの間にある黒色の輪っかを外します。(写真参照)。

私はギターのピックを使って外しました。マイナスドライバーやカッターの刃先を入れても良いと思いますが、キズが残る可能性があるでしょうか。

次に精密ドライバーで4本の小型ネジを外すと・・・

 

 

 

 

 

 

容易にレンズフードを取り外す事が出来ます。写真参照。

ビニールを敷いておいたのは、フードの裏側に大量のグリスが付いているからです。このグリスはその後の作業に邪魔なので、ティッシュで拭き取っておきました。

そしてノコギリ作業に入ります。

小型バイスにレンズフードを挟みます。

レンズフードに一時的にレンズキャップを取り付け、マチ針等を使いフードの根元に切り取り線を引きます。レンズキャップを物差し・定規代わりにすると直線を引きやすくなります。
そしてノコギリで大まかにフードを切って除去します。

最後にダブルアクションサンダーに80番のサンドペーパーを取り付け、ギザギザに残っているフードを除去し真平にしていきます。

サンダーが無くても、平らな場所にサンドペーパーを上向きに置き、そこにフードを載せて円を描きながら削って行けばよいと思います。

 

 

 

 

 

 

私はサンディング後に液体コンパウンドを使い少々磨いておきましたが、ピカピカに光らせるには手間がかかるので適当な所で止めておきました。

最後にフード部分が無くなった輪っか状態のモノをレンズに戻し、4つのネジで固定します。最後に製品名が書いてある黒い輪っかを戻して完了です。

ただこの輪っかがアルミ製なので、取り外す時の力加減で平らでは無くなっており、それを元に戻すのに苦労しました。面倒であれば永遠に除去したままでもええのんとチャイますやろか。

そして昨晩、低緯度レベルだがオーロラが出てそうなので自宅前の道路上に三脚を立てて撮ってみたのが一枚目の写真です。

生憎の雲の多さでオーロラの存在も分からないと判断して、いつもの撮影地には行かなかったのですが。

それでもF3.5開放で撮った撮像を拡大しなくても「噂通り」シャープに写っており、特に周辺部に写っている車や樹木の解像度が良くて微笑んでしまいました。

 

 

 

 

 

 

その前に追加情報ですが、私はフルサイズ派なのでマイクロフォーサーズのカメラを一台も持っていません。

これをフルサイズのカメラに取り付けるには当然「マウントアダプター」が必要になります。ただレンズがマニュアルなので、接点のないマウントアダプターを手に入れるだけで済みます。

NZでこのマウントアダプターを買うと高いので、ここは毎度御用達のAliexpress。

調べてみると、数種類の「マイクロフォーサーズマウント→ニコンZマウントとソニーEマウント」アダプターがヒットしました。その値段は送料とNZの消費税を込みにしても2415円と2625円。

このレンズはマップカメラで11800円で売られていたもので、それをBuyee経由でNZに送って貰いました。

Buyee手数料は300円で、小型包装物の送料が1870円。最後にニュージーランドの消費税が2095円。

トータル16065円+マウントアダプター代金。
早い話、全部込み18600円程度でフルサイズ用の円周魚眼レンズが手に入った訳です。しかもフルサイズのニコンZマウントとソニーEマウントで使えます。撮像の大きさを1:1にしておけば、画像処理も楽になります。

解像度も悪くなく、いや「かなり良く」て驚いています。

となると、開放値がもっと明るいマイクロフォーサーズマウントの対角魚眼レンズを探したくなりますよね。あるのかな?

中華製でAPS-C対応の7.5や8.0mmレンズで、画角180度の対角魚眼レンズが豊富にあります。しかし、マイクロフォーサーズマウント対応品の画角は150度程度になってしまいます。

そのレンズでは恐らく綺麗な円周魚眼にはならないと思います。要は「マイクロフォーサーズ専用対角魚眼レンズ」でなければならない模様です。

但しフードを切り落としてしまったので、専用のレンズキャップが取り付け不能となり、運搬時などに気を遣います。小さなレンズポーチにキャップと一緒に入れておけば何とかなりそうですが。

後は全天オーロラの出現を待つだけ。実はこのページを書いている今、太陽風磁場の向きが南向きに大きくなっており低緯度オーロラが出ていると思われるのですが、なんと全天が曇っており出動出来ておりません。