オーロラ 2023年11月6日早朝 | やる時はやりまっせ!

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ニュージーランド南島クィーンズタウンで満天の星と赤色オーロラの撮影に人生を捧げております。同タイトルのホームページTOPを毎週移植

 

オーロラ 2023年11月6日早朝

 

 

2023年11月5日深夜、この夜の天文薄明終了時間は22時37分。天文薄明とは、日没後に空が薄明るい状態の事を指します。完全に真っ暗になる時間が午後10時37分と言うから遅いですよね。

しかし、これで驚いていては身体がもちませんよ。何故ならクリスマスから翌年の1月7日頃までの2週間では天文薄明が終る時間は何と

24時07分

なんです。

そして天文薄明が始まる時間が何と

03時20分

なんです。

身体がおかしくなりまっせ。

とまた脱線してしまいましたが、11月5日の夜は天気が悪く、ほぼ曇天。これではオーロラは拝めません。

しかし気象衛星「ひまわり8号」が送って来る10分起きの衛星写真を見ると、そろそろ南方から晴れ間が届いて来そうな雰囲気。日付が変わろうとしている頃に重い腰を上げて出撃してみました。

翌朝も朝7時から仕事なので、いつも5時30分起き。

写真最上段の滲んでいる明るい星は竜骨座の1等星カノープスです。レンズヒーターをしてても曇る時は曇ります。直ぐに解除されますけど。

 

 

 

 

 

 

現地に24時30分頃に到着し、先ずはEOS 6Dから立てます。

するとほぼ曇っていますが、所々にある雲間に既に赤いオーロラが写っています。

曇天から晴天になり、そこで大きなオーロラが乱舞する光景をタイムラプスに収めるべく、取り合えずタイマーレリーズとレンズヒーターを巻いて露出を始めます。

次にNIkon Z6II、そして念の為に対角魚眼で一部始終を撮っておくためにEOS Kiss X7iに10mmレンズを取り付けて撮影開始。

すると太陽風磁場の向きが地球と同じ北向きに変わってしまっています。これでは大きなオーロラは期待出来ません。

それでもタイムラプス撮影なので、当たる日もあれば外れる日もあるという事で、SDカード容量もバッテリー容量も問題ないのでタイムラプス撮影を続けます。

すると午前1時45分頃、太陽風磁場の向きが徐々にプラマイ0に近付いて来ます。

そして午前2時頃、とうとう南向きに下がり始め、その後もドンドン下がっていきます。

午前2時10分にはマイナス5uTを越え、もっと下がっていきます。そう南向きが強くなり、オーロラが出やすい状況となるわけです。

その時の太陽風速度は毎秒約500キロメートルと比較的高速。私のこれまでの理論では、南向き強度がマイナス5uTの時点で太陽風速度が毎秒400キロの時は、1時間40分後からオーロラが出始めます。

毎秒500キロの時は1時間20分で、600キロになると1時間丁度で出始めます。

 

 

 

 

 

 

この時の太陽風速度が毎秒500キロだったので、マイナス5nTに下がった午前2時10分から計算すると、1時間20分後にオーロラが出始めますので、結論としては午前3時30分。

これはこれまでここでオーロラを撮って22年になる私の経験に基づいた事実であります。

そして午前3時30分。その時がやって来ました。

NZ時間の2023年11月6日03時30分09秒。一本目の火柱が聳え立ち始めます。私の計算に間違いはありませんでした。

そしてこの3枚の写真は3時35~40分の間に撮ったものです。余りにも予想が当たって本人も驚きのタイミングでした。

ところが3時50分を過ぎると大人しくなってしまいはって。しかも、15分前(3時35分)から昇り始めた月明かりの影響と大出現と同時に雲が覆い始めて。

また4時19分には天文薄明が始まってしまい万事休す。片付けに入りました。5時30分には起床しなくてはならないので、1時間も寝る時間がなさそうです(笑)。

実際に帰宅して歯磨きして取り合えずベッドに入ったのが5時10分でした。歯磨き時間と、コーヒーを淹れる時間を差し引いて5時55分まで寝る事にしました。そう45分だけ寝られました。

しかし、嬉しい悲鳴です。だって、NZ時間で午前3時30分というと、アラスカが前日の午前5時30分でギリギリ夜で、それ以外の例えば北米や北欧は昼間。

故にこの大出現はNZかオーストラリアかアラスカ以外の場所では見られなかったと思われます。ラッキーでした。

来年2024年に太陽活動の頂点を迎えるという発表がありましたが、眠れない夜が続くのでしょうね。やるしかありまへん。そう「寝てる場合ではありまへん」。