2020年7月7日は七夕。ここでは琴座のベガ(織姫)が北中しても、その高度が7度と低く、サザンアルプスの影に入り見えにくいんです。オマケに彦星アルタイルと夫婦関係なんて「おとぎ話」は存在しないので、ロマンチックな夜にはならないのが残念です。
そんな中、どこかで見た事がある写真が「とあるサイト」に展示されていたのでご紹介します。しかもその写真は南米最南端の街ウシュアイア Ushuaia で撮られたと書いてあります。
しかし、その写真、どう考えても小生がここクィーンズタウンで撮った写真。それがこれ。
この写真は2007年1月30日の早朝、雨上がりの丘で大彗星となったマクノートを撮っていたら、突然オーロラがそびえ立った時の物です。
NASAの博士は彼らのサイトで 「これは幻想か、はたまたダリの絵か、いや悪いSF小説か」とコメントをしてくれたものです。
https://www.spaceweather.com/archive.php?day=01&month=02&year=2007&view=view
写真上部の白い雲は2つのマゼラン星雲です。幻想的でしょ。現在構築中のキャンバスプリント販売サイト用のものです。
こんな奇跡の写真を勝手に使って、しかも南米の最南端で撮られたって書いてあるサイトが存在してます。しかも南米でもオーロラが見られるって紹介してて、しかもその周辺の宿のリンクまで貼ってありました。
実はそんなサイトが少なくなかったんよ。早い話、確かめもせずに南米で頻繁にオーロラが見られるって紹介している「いい加減な奴」が世界中に存在するんです。
それではこれらの図をご覧下さい。地球の回転軸である北極点と南極点を中心にした時のオーロラの出現領域を表示するサイトから抜粋しました。
黒いエリアは夜で、青く表示されているのが海です。蛍光緑色の輪っかがオーロラベルトです。
結論から申し上げると、オーロラベルトは北極点と南極点を中心には出現しません。そうオーロラの中心は地磁気の極点なんよ。早い話、磁石のNとS極が中心です。
そうコンパスが指すNとS極は北極点、南極点から「こんなにも」ズレているのです。なのでコンパスの指す方角は真北と真南じゃないので注意してね。
そう北半球のオーロラの中心である地磁気北極点は現在グリーンランドの左肩付近にあり、ニューヨーク市方面にズレており、そして地磁気南極点はインド洋方面にズレています。
それが故に日本や南米はオーロラベルトから遠ざかる事となり、北海道では10年に数回しかオーロラを撮る事が出来ないと言われています。間違いないで下さいよ。数回見られるのじゃなくて、撮れるだけですからね。
肉眼では見えないけど写真としてはその存在が分かる程度なんです。
結論
世の中には確認もせずにサイトを構築して嬉しがっている奴がワンサカおり、その内容を見た人々を騙す者が存在しています。
全てのサイトが100%真実を語っているとは言えず、知ったかぶりに騙されない様にされて下さい。最後に、南米最南端でも日本と同様に地磁気緯度が極端に低いため、10年に数回しか発生しない規模の磁気嵐にならない限り、オーロラを撮影する事はほぼ不可能です。
ましてや肉眼でその姿を見る事も「ほぼ不可能です」。万が一、Xクラスのフレア爆発が地球を直撃し、変電所を焼き切るくらいの規模にならない限り、日本や南米でオーロラを肉眼で見る事はほぼ不可能だという事です。
知ったかぶりサイトに御注意下さい。そう言えば、先日日本語のサイトでも同内容のものがあったのでメールしたら、そのサイト、翌日に消えてました。