序、
状況:大腸がん第4期。いわゆる「ステージ4」。
転移先:原発巣そばリンパ、肝臓2か所、肺。
2016年06月、大腸原発巣及びリンパの開腹手術。大腸管30センチ摘出。
07月の療養期間を経、08月より化学療法=抗がん剤治療開始。
プロトコル:mFOLFOX6+アバスチン。2週間で1クールを繰り返す。
初日の通院にて半日日帰り入院で吊るし点滴、終了後、風船点滴を装着し、帰宅する。
3日目夕方に風船点滴終了、通院にて針を抜く。
開始から一週間後の8日目に、検査と診察を行う。
現在、12クール目突入。
8クール中に行った効果測定が良好で、腫瘍マーカーは正常値圏内に下降。CTやPET-CTでは新たな転移~再発も認められず、転移先の肝臓と肺の残存腫瘍3か所も明らかに縮小が観察された為、現在の治療法の有効性が結論付けられた。
先ずは小さい方の肺の転移癌腫瘍を抗癌剤で潰す事を目標に、同治療法の継続を決断。
気持ちを新たに休まず、9クール目から続行開始。
一、
点滴開始一週間後の検査日の事。
いつも気に留めていなかった血圧(通常、正常圏内の低い方)が、どうも高い傾向が続いてきており、この日も上は上限ギリギリ、下は10オーバー。
ひと月程前はコレステロール値の高さを指摘されたので、どうも食生活や運動不足の問題が懸念された為、先生にお尋ねする事とした。
「ん~、血圧は気にする事もないかも知れません。
しかし、中性脂肪が凄く高くなっています」
画面を見せて頂けば、当初、上限値150圏内の数値がウナギノボリに昇り続けており、本日の数値は我が目を疑う800というものであった。
は、はっぴゃくですか???
「そうなんですよ、150の上限のところ”800”です。
一体どうしたんでしょうねぇ。まあ、そろそろそういう年齢的なものもありますけどね」
年齢か…しかし此れは異常の程もいいところだ。
一体、何倍オーバーなんだろう。腫瘍マーカーじゃなくてよかった。
「体重、増えてます?具体的には、脂肪の摂取制限をしなければならないレベルです。
まあ、来週の治療は予定通り続けましょう」
食生活の改善に取り組む事を表明し、診察室を後にした。
二、
かなりのショックだ。
体重は恐らく増えてはいるだろうが、ベルトの穴を1つ増やすと、今度は逆に一寸緩い…程度のものだ。
下腹よりも上腹の方が一寸出ているという、これまでにない状態ではややあるが、体型的には「何倍オーバー」を感じさせられる要素は皆無と云ってよい。
ネットを紐解く。
運動不足、脂肪摂取、糖質摂取と完全に同列に
「アルコール過剰」
と云う要因が並んでいる。
マズイ…酒か。
「飲酒される方は、先ず禁酒か節酒を試すべし」
そう記されている。
酒類の糖質がマズいと思ったらそうではなく、肝臓の機能的に、過剰なアルコールそのものが中性脂肪の元を生み出すのだと云う。
という事は、肝転移した癌細胞を他所に、正常な自前の肝臓さんが、飲み過ぎたアルコールを代謝する為に、せっせせっせとフル稼働し続けた結果という事になる。どれだけ肝臓さんを酷使しているのだろう。
昨年6月入院時のまるまるひと月の絶酒の反動を、ものの見事に描いていると云えよう。
先生は勘付いていて、ただ云い辛かっただけだったのかも知れないなぁ。
困った患者だよなぁ。でも抗癌剤治療の効果も出てるみたいだしなぁ…と云ったところが真相なのかも知れぬ。
と云う訳で、食事制限と飲酒制限に取り組む事とする。
私の場合、禁酒に勝るストレスはないので、穏やかにだが、今回はちょっと厳し目に取り組む必要があるだろうなぁ。QOLとか云ってられないよなぁ。
と云う訳で早速、食い納め、飲み納めに走ってしまうのは、悲しい性か。