色がなくなるということがある
感じなくなると言ったほうがよいかも知れません。
深い喪失感は 世の中から色を無くす
ということがある。
色がついていることさえ感じることができず
モノクロの世界になっていく。
テレビを観ていた・・・・
娘を捜しに町にでてきたおじいさん
その横に孫、おかあさんを捜しているという。
その方が乗っていたであろう車が発見された
誰かが・・・「車があったよ~」と叫ぶ
男の子のお母さんのお姉さんにあたる方のようだ。
「○○、覚悟するんだよ、覚悟するんだよ」
車を見つける・・・車の中に人がいるようだ
「お母さんじゃなくても助けてあげられるといいね」
と男の子
車から引きだすことはできたが・・・もう息はなかった。
大人は泣けるのだが・・・・
男の子に涙はなかった。むしろ笑顔でさえある。
何が起こっているのかわからないかのように。
アナウンサーが言う「どんなお気持ちですか?」
お姉さんにあたる方は
「私たちが見つけてあげられて良かった。
守るものがあるから私たちは頑張る!」
と力強い言葉が響く。
被災された方は、気を張っておられると思った。
気を張らないとやっていけないのだ。
子どもは頑張っている大人に気を使う、そして
感情をどう言葉に表せばいいのかわからないでいる。
どちらもしんどい・・・・・
喪に服すことも許されない現実がここにある。
@喪に服するということはどういうことか@
死に際して近親者が忌み慎むことを言いますが、
死の穢れが身についている期間であるともされ
「忌」の期間には家の中に篭り、穢れが他の者に
移らないように外部との接触を絶っていたということが
かつての日本にはあったようだ。
13ヶ月間はハレの行事には参加しないとか・・・
今では49日という仏教においてその期間があるが
それも簡略化されつつある。
@黒が心を癒すことがある@
穢れという言葉はナンセンスでもあるし
忙しい現代人にとって、生活がストップすることは
考えられないこともある・・・けれど
黒一色で身を包み、うちに籠り
家族が身を寄せ合い、
亡くなられた方と対話をする期間として
捉えるのであれば・・・・
黒一色の世界が癒しに繋がることさえある
と思うのです。
@緩和ケア病棟にて@
緩和ケア病棟にて遺族の方に
グリーフケア(悲嘆回復)のカラーセラピーを
行ったことがあります。
日本はお葬式が簡略化された影で
心が癒されていないご遺族が増えている。
グリーフケア(悲嘆回復)においては
遅れているのではないかと思っています。
@感情を出すことも大事@
子どもが我慢をしている。
大人も気を張って我慢している。
頑張っておられる。
今すぐにでも感情が吐き出せる場面を
環境も作ってあげないといけないけれど
生きていくことが急務ですものね。
食べることと同じぐらい
画用紙もクレヨンも必要だと感じるのは
私だけでしょうか?
@その時のために@
少しずつ再建が進んだその後、やってくる
心にポッカリあいた空虚感を
埋められるサポートができるのが
カウンセラーやセラピストの役目なのでは
ないかと考えています。
その時のために力をつけておきましょう。
そして、通常の生活をしながら
あの泣かない男の子を
忘れてはいけないと思いました。
未来に希望を持つことと、
閉じ込められた感情を救い出すことを
心に留めておきたいと思っています。
今日も楽美で・・・