いつ始めたのかももう定かではない、米国市場の祝日ごとに読み進めている指数オプションハンドブック、サンクスギビングの今日は第5回、最終章・基本戦略についてです。

特に長くもないですが、2つほど戦略が載っているようなので、2回に分けようかと思います。

(その4:決済について/その6:基本戦略2

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指数オプションを理解する
(https://www.optionseducation.org/documents/literature/files/understanding-index-options.pdf)

p. 15 基本戦略

指数オプションの多様性は、投資家が利用可能な様々な戦略に由来する。以下の例では、指数オプションの最も基本的な使い方について説明する。これらの例は仮定的な状況に基づいており、潜在的な取引アプローチの単なる一例として考慮すべきといえる。スプレッドやストラドルなどの個別株オプションで使用され得る他の戦略は、指数オプションでも使用可能である。さらなる説明については、自身の証券会社または指数オプションが取引されている取引所に問い合わせされたい。

注:説明のために、本ハンドブックの例からは、手数料および取引経費、税務上の考慮事項並びに証拠金勘定に関する費用は省略されている。これらの要因は戦略の将来的な結果に影響するため、これらの戦略に入る前に、必ず証券会社と税務アドバイザーに確認すること。以下の例の全ての指数オプションのポジションは、満期まで保持されるよう示されている。プレミアム(オプション価格)は合理的であるよう心がけてあるが、現実には、同様のオプションの満期時点、または満期前に、それが必ずしも存在するとは限らない。

 


指数コールを買う
指数コールのロング



市場の見通し: 短期的に強気
目標: 対象指数レベルの上昇から、利益を得るポジションを取る

 

近い将来、対象指数が示す市場全体または市場セクターの伸びを期待しているとしよう。大きなレバレッジ効果をもたらし得る、積極果敢なポジションを取ることを望んでいる状況だ。この決定は、オプションに対して支払うプレミアムを全て失う可能性があるということを理解した上で行われるものである。

指数コールオプションは、購入者に対し、オプションが期限切れになるまで、対象指数が決められた行使価格を上回った分の利益にあずかる権利を与える。指数コールオプションの購入者は、対象指数の潜在的な伸びの強さに結びついた、無限大の利益の可能性を有している。

シナリオ
興味のある対象指数がXYZという名前で、現在は200(※注コメント:指数の単位ってドルじゃないんですかね…?日本ではダウ指数等は慣例的にドル表記であるようですが、厳密にはそれは間違いですよね。ここでは本文中の記述に則り、単位なしまたは「ポイント」でいこうと思います)のレベルにあると仮定しよう。6か月先のXYZ・行使価格205のコールを、1枚4.75ドルの相場価格で購入したとする。このコールにかかる純コストは、475ドル(4.75ドルに倍数の100ドルを乗じる)である。XYZのコールが満期を迎えた時に、対象指数レベルが行使価格である205を上回っていない場合、475ドルを失うリスクを負っている。満期時の損益分岐点 (BEP; break-even point) は、このコールが当初の支払額である4.75ドルの本質的価値を有することになる、XYZ指数のレベルが209.75のポイント(行使価格205 + 支払ったコール価格4.75ドル)となる。XYZ指数の決済額が満期時の損益分岐点を上回るほど、利益は大きくなる。


満期時における、考えられる結果
1. XYZ指数レベルが損益分岐点 (209.75) を上回った:
満期時にXYZ指数が215まで伸びていた場合、XYZ・行使価格205のコールは、10ドルの本質的価値(決済額215 - 行使価格205)を有することになる。この場合の純利益は、525ドル(権利行使から受け取る決済額1000ドル - コールの純コスト475ドル)となる。

 

指数価格200の、XYZ・行使価格205のコールを、コール価格4.75ドルで購入
このコール購入にかかる純コストは475ドル

満期時のXYZ指数のレベル XYZ指数が、198に下落(行使価格未満) XYZ指数が、207に上昇(行使価格と損益分岐点の間) XYZ指数が、215に上昇(損益分岐点を超える)
指数レベルの動き -2ポイント +7ポイント

+15ポイント

満期時のコールの価値
(契約1単位あたり)
0(アウトオブザマネー)

2ドル

10ドル

コール購入に支払ったプレミアム(コール価格)
(契約1単位あたり)
4.75ドル

4.75ドル

4.75ドル

純利益/損失*
(契約1単位 x 100ドル)

-475ドル

-275ドル

+525ドル

*手数料、取引経費、税金を除く

2. XYZ指数レベルが行使価格 (205) と損益分岐点 (209.75) の間になった:
満期時にXYZ指数が207まで伸びていた場合、XYZ・行使価格205のコールは、2ドルの本質的価値(決済額207 - 行使価格205)を有することになる。この場合、オプションの権利を行使し、決済価額の200ドル(本質的価値2ドル x 倍数100ドル)を受け取ることが可能となる。これはコール購入に支払った金額(475ドル)よりも少ないが、支払ったコストを幾分取り戻すことはできるだろう。この場合の純損失は、275ドル(コールの純コスト475ドル - 権利行使で受け取る決済価額 200ドル)となる。この損失は、初期投資額の半分よりやや大きいものである。

3. XYZ指数レベルが行使価格 (205)を下回った:
満期時にXYZ指数が198まで下落していた場合、このコールはアウトオブザマネーとなり、価値がなくなっていることになってしまう。この場合、初期投資に用いた全額、合計475ドルを全て失うことになる。指数オプション購入に支払ったプレミアム(コール価格)の合計が、オプション購入者にとって最大の損失となるのである。注:XYZが行使価格を超えてどれだけ下落しようとも、損失が475ドルを超えることは決してない。

 


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う~~ん……。戦略と名乗るのもおこがましいぐらい、本当に基本的な説明でしかなくて、とても残念です。

オプションの説明は、どの解説でも大抵満期時の話のみに終始していますが、個人的には、日々の値動きからのオプション価格の変動の方がよっぽど大きくまた重要だと思います。

指数オプションでも個別株オプションでも、オプションの対象商品の価格が動くにつれ、リアルタイムでオプション価格は変動します。

購入(売却)したオプションの行使価格がどこであれ、購入(売却)した瞬間から望みの方向へ動いてくれれば、それだけで既に大きな利益になる可能性のあるのが、オプション取引の醍醐味の一つかと思います。

言葉にするとややこしいんですが、うーん、これはもうやってみりゃ分かる、としか言えない感じかもしれません(説明として最低ですが)。



このハンドブックも残すところあと数ページ、見た限りプット買いで全く同じ話が繰り返されるのみのようですが、次回の市場祝日・クリスマスに、最後まで読んでみようと思います。


そういえば通常の更新は、サンクスギビング翌日のお昼までの半ドン取引を終えてからの方がキリがよさそうなので、明日更新しようかと思います。

まあ、特に語ることもないんですけどね。別段何も状況は変わっていません。

本命株からのニュースもなく、オプション取引の方もいいような悪いようなという中途半端な感じです。

それではまた明日。