現実取引はずっと冴えないのですが、仮想取引はここ最近ずっと冴えに冴えています。

意外と、期待しているけれどいつ上がるかわからないNVDAなんぞに投資するよりも、決算企業や、チャート的に明らかに好調である銘柄なんかに投資する方がいいのかもしれませんね。

順に注目していた6銘柄を振り返っておきます。


1. HPE (Hewlett Packard Enterprise)

水曜日(市場終了後)に決算報告がありました。


上図にある通り、予想と実際のEPSの差としての数字はメチャクチャ悪かったようですね。決算発表後の時間後取引ではもちろん下落していましたが、数字ほど大きな下落ではないような…。

 



明けて木曜朝、もちろん株価は下落していますが、仮想取引では相当離れた行使価格17ドルのプットを売っていたのでセーフ、これはまずもって大丈夫でしょう。



しかし、木曜はズルズル下がり続けました。相当安全だと思った行使価格17ドルも迫っていますが、想定内想定内、多分大丈夫だ。

 



翌金曜日、市場開始後は一時17ドルにタッチするぐらいに下がっていましたが、最終的に回復して無事株価は17ドル超えで終了、プット売却代金は完全丸儲けです。

 



【仮想投資状況おさらい】
○今週満期・行使価格17ドルプットを、0.10ドルで100枚売却(証拠金として17万ドル拘束、プット売却代金として1000ドルゲット)
◎投入合計:-16万9000ドル→満期まで放置

【結果】
○今週満期・行使価格17ドルプット→株価は行使価格以上で満期を迎えた。無事にプットは紙くず化し、証拠金がそのまま解放されて戻ってくる。
◎合計損益:17万ドル-16万9000ドル=+1000ドル

…完勝ですがしかし、一時は17ドルも割れるのではないかというぐらいで、割とギリギリでした。相当安全だと思っていたプット売りでも結構ギリギリということで、やはりプット売りにはリスクもあるという感じですね。

…がしかし、言うまでもなく、完全に丸儲けなので、やはり決算時のプット売りは相当安定して利益を出せるように思います。がやはり、決算前でIVが高いとは言え、オプション買いと比べると利益率が低いのが難点ですね。



2. BOX (Box)

水曜日(市場終了後)に決算報告がありました。


数字自体は完全に予想通りと全くサプライズはなかったようですが、恐らく内容が良かったのか、既に週の途中でチラッと触れましたが、決算後の時間後取引では上がっていました。

 



明けて木曜日、それなりの値上がりを見せています。

 



コール(行使価格19ドル)とプット(行使価格18ドル)の両建て買いをしていましたが、(結果を知っているからというわけではないですが)これはさらに上がりそうな気がするので、プットのみ即売却、コールは木曜日終了時点まで粘りましょう。
いくらで売れるのかは悩ましいですが、木曜日の記事(2017/06/01 死の宣告が少しずつ確実に進行……やむなし、少々痛いが延命措置を執り行う!)で貼ったオプション板では、株価20ドルを超えていた時点で直近取引価格は0.08ドルとなっていたので、朝一なら0.10ドルでは売れていたことでしょう。

さて木曜日は上の記事でも触れていた通り伸び続け、市場終了時でも20ドルを大きく超えていました。

 



いいですね、行使価格19ドルコール、直近取引価格は1.58ドルですが、ルール上評価額(=BidとAskの平均値)より自分に有利な価格では取引しないとしているので、1.57ドルで売却したとしましょうか。

翌日金曜日は下がってしまいましたが、決算前からは伸びていますし、BOXは期待できる銘柄かもしれません。

 



【仮想投資状況おさらい】
○6月満期・行使価格19ドルコールを、0.70ドルで2000枚購入(14万ドル)
○6月満期・行使価格18ドルプットを、0.40ドルで2000枚購入(8万ドル)
◎投入合計:-22万ドル→下がった方は即売却、上がった方は、大上がりし続けそうなら市場終了まで粘って売却。

【結果】
○6月満期・行使価格19ドルコール→木曜市場終了時に、1.58ドルで全2000枚売却(31万6000ドル)
○6月満期・行使価格18ドルプット→木曜市場開始直後に、0.10ドルで全2000枚売却(2万ドル)
◎合計損益:33万6000ドル-22万ドル=+11万6000ドル

…う~ん、素晴らしい!実に50%以上の利益です。オプション買いは当たればでかいですね。逆に外れると惨めなのは、実際の取引で示し続けている通りですが。これで仮想取引は2連勝。



3. DG (Dollar General)

木曜日(市場開始前)に決算報告がありました。


ウォルマートやコストコと同じように、それなりに良い決算で、それなりに株価は伸びていた形です。小売業は好調っぽいですね。
木曜市場開始直後は、5%程度の株価アップです。



仮想取引はコール&プット両建て売りのショートストラングルということで、大暴落さえしなければ完全勝利なので、ほぼ勝利は確定。
コールを売っているので、この先どれだけ株価が上がっても利益が大きくはならないのが残念ですが、まぁそこは欲張らないべきポイントでしょう。

 

結局木曜日は結局伸び続けたようで、この業種の銘柄にしては非常に大きい、+6.54%で決算日の取引を終えたようです。



金曜日もさらに漸増、これは中々強そうです。今後にも期待ですね。

 



【仮想投資状況おさらい】
○現物株を現在株価72.32ドルで1000株購入(7万2320ドル)
○今週満期・行使価格75ドルコールを、0.95ドルで10枚売却(現物株が担保、コール売却代金として950ドルゲット)
○今週満期・行使価格72.5ドルプットを、2.15ドルで10枚売却(証拠金として7万2500ドル拘束、プット売却代金として2150ドルゲット)
◎投入合計:-14万1720ドル→大きく動いたら速やかに対処すべきな気もするけど、事前に指定しておくのは難しいので、基本放置で。

【結果】
○現物株を現在株価72.32ドルで1000株購入(7万2320ドル)→売却したコールはインザマネーで満期を迎えたので、行使価格である75ドルで全株売却(7万5000ドル)
○今週満期・行使価格75ドルコール→権利が行使されてしまったけど、現物株買値より高い価格で売却になり、さらにコール売却代金もゲットということで、全く問題なし。コール売却代金は既に投入資金に考慮済み。
○今週満期・行使価格72.5ドルプット→余裕の完全紙くず化。証拠金7万2500ドルがそのまま戻ってくる(7万2500ドル)
◎合計損益:14万7500ドル-14万1720ドル=+5780ドル

…株価はかなり伸びたのに、コール売りのせいでその恩恵には与れなかったが、その分安全度が段違いだったので、十分でしょう。仮想取引は快調に3連勝。
 

 


4. MBLY (Mobileye)

木曜日(市場開始前)に決算報告がありました。


…ややっ!ずっと素晴らしい決算を叩き出していたMBLYですが、数字的には非常に悪決算だったようです。
しかし、MBLYは既にINTC(インテル)が買収することが決定しており、特に株価に動きはありません。むしろ木曜市場が始まったら株価は微アップです。

 



結局木曜終了時点でもほぼ同水準、既に買収されることが決まっているのでこんなもんなんでしょう。

 



ちなみにインテルの方は、買収先の企業が悪決算を叩き出したということでこれは良くなさそうなニュースですが、木曜日開始直後こそ若干下がっていたものの結局すぐにもどし前日比同額で取引を終えていたようで、特にMBLYの影響は何もないようですね。

 

 


MBLYの方は、金曜日は下がってしまいましたが、まぁこれも非常に微々たるもので、ほぼあってないような値動きでしょう。

 



仮想投資の方は、月1オプションしかないので難しい感じだったわけですが、決算も終え、1週間も過ぎたということで、売却したプットは少しぐらい安く買い戻せるのではないでしょうか。

【仮想投資状況おさらい】
○6月満期・行使価格60ドルプットを、0.20ドルで100枚売却(証拠金として6万ドル拘束、プット売却代金2000ドルゲット)
◎投入合計:-5万8000ドル→来週まで放置。

【結果】
○6月満期・行使価格60ドルプット→う~ん、評価額は0.15ドルですが、直近取引価格は0.20ドル…。まぁ、木曜日なら余裕で0.15ドルで買い戻せていた感じですし、そもそもあと2週間持ち続ければ確実に値下がりしていくものなので、ここは甘めに見て0.15ドルで買い戻したとしましょう(プット購入代金1500ドルを消費して、証拠金6万ドルが戻ってくる)。
◎合計損益:5万8500ドル-5万8000ドル=+500ドル

…まぁ、元々1週間でどうこういう取引でもないですし、こんなもんでしょう。しかし、買収される銘柄のプット売りは、正直言ってかなりリスクが小さい、超狙い目取引になっているのではないかと思います。大きな資金を安全に運用する対象として、かなり魅力的な気がするので、将来大きな資金がもしもできた時には、一部こういう所に回しても良さそうだな、という気がします。



5. ISRG (Intuitive Surgical)

今年に入って凄まじく値上がりを続けており、直近20日の値動きの強さで米国市場トップ3(オプション取扱企業のみ)に位置していたため、注目していました。

未来を感じる手術ロボット企業ISRG、今週も、ジワリジワリと伸びてくれていたようです。

 


火~金曜の、市場終了時の各オプション板を順に貼っておきます。


火曜日市場終了時のオプション板


水曜日市場終了時のオプション板


木曜日市場終了時のオプション板


金曜日市場終了時のオプション板


売却したプットは文句なく紙くず化、一方購入したコールは難しいですが…ま、一気に大きく上がることはなかったので、金曜日まで引っ張った形になりそうですね。

【仮想投資状況おさらい】
○今週満期・行使価格910ドルプットを、6.30ドルで1枚売却(証拠金として9万1000ドル拘束、プット売却代金6300ドルゲット)
○6月第2週満期・行使価格912.5ドルコールを、10.20ドルで100枚購入(10万2000ドル)
◎投入合計:-18万6700ドル→プットは満期まで放置。コールは…事前指定は難しいし、一応満期まで時間はあるので基本来週金曜まで放置でもいいかもしれないけれど、そうだな…約50%アップの15ドル以上で売れるぐらい上がっていたら、その時点で欲張らず売却しておきましょうか。

【結果】
○今週満期・行使価格910ドルプット→完全に紙くず化。売却代金丸儲け(証拠金がそのまま戻る、9万1000ドル)
○6月第2週満期・行使価格912.5ドルコール→目標売却価格の15ドルには届かなかったけれど、最終金曜日に株価が上がってくれたおかげで、結構高値で売却できそうです。金曜日の終了時点で…あっ!よく見たら評価額は15.40ドルにまで上がっているじゃないか!!
割とBidとAskが離れているので難しいですが、かなり自分に不利な、Bidに程近い15ドルでなら余裕で売却可能でしょう。ということで、結局目標は叶って、15ドルで全100枚売却(15万ドル)
◎合計損益:24万1000ドル-18万6700ドル=+5万4300ドル

…む~ん、かなりの利益!やっぱり時間にゆとりを持ったオプション買いで、勝ち馬に乗れば余裕で大きな利益を上げられそうじゃないか!NVDAで日々消耗しているのは、一体何だったんだろうか…??
ま、所詮仮想取引ですが、これは実にいい経験になったといえそうです。

仮想取引、実に5連勝(記事タイトルの時点でネタバレしているわけですが、これを書いている時点ではまだ先の結果が分からないので、最後がどうなるか楽しみです)。



6. CAMT (Camtek)

同じく最近凄まじい勢いで上昇しており、(金曜日は少し下がったものの木曜日時点では)直近20日値動きの強さが米国市場トップ、テクニカル指標も非常に強く、さらなる値動きが期待されそうなため、注目していました。

こちらは、先週金曜日ちょっと勢いがかげっていたので、今週は下がるんじゃないかな?と思っていたのですが、意外なことに火曜日5月30日からこの1週間、ジワリとさらに伸び続けたようです。



それなりの動きをしていた瞬間を含め、順次オプション板だけ貼っておこうと思います。
仮想投資は、6月満期・行使価格5ドルコールと行使価格7.5ドルプットを、合計2.70ドルでの購入でした。


火曜日市場開始後、午前10時15分のオプション板


…下がっていました。この時点で、やっぱり今週は下がるのかと思ったんですけどね。結局チャートにある通り、ここからしっかりとした上昇を続けるわけですが、購入したコールとプットは合計評価額が下がっているので、ここは放置ですね。


火曜日市場終了時のオプション板



水曜日市場開始直後のオプション板


水曜日市場終了時のオプション板

 


木曜日市場終了時のオプション板

 


金曜日市場開始直後のオプション板


金曜日市場終了時のオプション板


…結局、コール&プットの合計評価額が、購入価格を超える瞬間はなかったようですね。
残念ですが、金曜日が終わった時点で売却したことにしましょう。

【仮想投資状況おさらい】
○6月満期・行使価格5ドルコールを、1.20ドルで100枚購入(1万2000ドル)
○今週満期・行使価格7.5ドルプットを、1.50ドルで100枚購入(1万5000ドル)
◎投入合計:-2万7000ドル→コール&プット同時売却で、10%ぐらいの利益が出そうなら、速やかに利確しましょう。利益になりそうになかったら…まぁ満期は来月だし、金曜日までズルズル引っ張ってもいいかな?

【結果】
○6月満期・行使価格5ドルコール→金曜終了時に、1.95ドルで売却(1万9500ドル)
○今週満期・行使価格7.5ドルプット→金曜終了時に、0.60ドルで売却(6000ドル)
◎合計損益:2万5500ドル-2万7000ドル=-1500ドル

…う~ん、結構値上がりを続けていたので、正直まとめる前まではこれは利益がいけそうだと思っていたんですが、意外なことにそう上手くは行かなかったようです。
正直、ISRGはそんなにガッツリ上がっていなかったし(毎日+1%未満)、一方CAMTは+4%とか+6%とか上がっていたので、こっちの方がコール価格は跳ねそうなのに、実に意外です。
NVDAで全然上手く行かないのも、何かこの辺に秘密があるのかな、って気がしてきました。
超高株価で安定的に上がっている銘柄の方が、オプション買いでは利益を出しやすい…??そうするとやっぱり、GOOGLやAMZNがベストだったり…??
そう短絡的にはいかないでしょうが、あまりにもNVDAが上手くいかな過ぎたら、株価の絶対値の高い銘柄にチャレンジしてみるのもありかな、という気がしてきました。
とりあえず、このCAMTは、大きく動くという予想自体は外れていないので、自分に甘く引き分け扱いしましょうか。…いややっぱり、予想が当たったのに利益を出せなかったという点からも、これは敗北扱いすべきですね。全勝ならずです。



【注目6銘柄・仮想投資の合計】
○投入資金=80万2420ドル
○回収資金=97万8500ドル
◎合計損益額・率=+17万6080ドル+21.94%

…ということで、現実世界とは打って変わって、今回も仮想投資は大きく勝利でした。
ま、そんな結果はどうでもいいんですが、やっぱりISRGとCAMTの違いは実に興味深いです。極めて微上がりのみだった大型銘柄と、複数回かなり大きく跳ねた小型銘柄とでは、圧倒的大差で大型銘柄の勝利……。これは実に見ておいてよかった気がします。ぜひとも今後に活かしたいです。