今週も例によって6銘柄ほど、決算企業+目を見張る値動きをしている最中の企業に注目し、仮想投資で練習を積んでおこうと思います。

 

1. HPE (Hewlett Packard Enterprise)

 

 


【注目理由】
水曜日(市場終了後)に決算報告があるため。

【適当コメント】
パソコン製造でおなじみ、hpです。

インターネット黎明期、よく、「ウェブサイトのことHPって呼ぶのやめろよ。ヒューレット・パッカードかよ」というネタがあって、『ヒューレット・パッカードって!何ソレ…!!』とか笑ってたんですが、実はNECや東芝なんかより遥かに大きい世界的な企業…というかPC出荷台数世界一の企業(…が、数年前からLenovoに取って代わられてしまったようですね。参考:Wikipedia)であり、当然日本での知名度もコンピューターの普及に伴い上昇、むしろ最早日本でもパソコンと言えばNECや東芝やシャープよりもメジャーになっているのではないかという気すらします(まぁ、その3社が勝手に死亡していってるだけな気もしますが)。

実は先週もhpの決算があって、注目しようと思いつつやっぱりやめていたんですが、そちらはHPQで、一方今回今週決算のこちらはHPEで、これはいわゆるグループ企業、シンボルのEとして社名にもある通りEnterprise、すなわちエンタメに特化したグループ企業…と思いきやエンターテインメントではなくエンタープライズ、つまり企業向け製品を主に扱う部門のようですね。
Wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/ヒューレット・パッカード・エンタープライズ)に、会社分割の概要等が分かりやすく載っていました。

米国株を始めてしばらくの頃、HPQは末尾にQということで、「えっ?HPって気づかぬ内に倒産してたんだ。シャープもNECもヤバイらしいし、やっぱりもうコンピューターの時代じゃないんだなぁ」とか思ってたんですが、もちろんHPは別に倒産しておらず(会社分割はしましたが)、これは別にChapter 11(倒産処理手続き)を提出して末尾にQがついたわけではなくて、多分、ヒ(H)ューレット・パ(P)ックワァー(Q)ドという音から取ったシンボルであっただけのようですね。もしもhpが倒産するようなことがあれば、ティッカーシンボルはしばらくHPQQになってOTC取引が行われることになる、ということでしょうか。

しかしともかくHPQの方は、先週24日の市場終了後に決算発表があったわけですが、数字は悪くはなく、翌木曜日市場開始直後は一瞬上がっていたようであったものの、結局割と大きく沈んでいた感じです。やっぱりもうパソコンの時代は終わったんだな。



翻って、HPQがダメなら兄弟企業のHPEもダメなんじゃないか…?…きっと同じように動くだろうから、これは大チャンスなのでは??…などと短絡的に思ったんですが、そもそも別企業に分かれて別のビジネスに特化している以上、今回のHPEの決算はもうHPQの業績など一切関係無いものと考える方が普通でしょうね。
実際、前回2月にあった決算では、両社はほぼ同日に発表していたのですが、HPQはそれなりの上がりを見せた一方、HPEは大きく下がっていたようです(ただし、最初に貼ったHPEチャートにある大暴落はその決算発表によるものではなく、その1か月ほど後、3月末~4月の頭に、『CSC (Computer Sciences) との併合で、DXC (DXC Technology) という新企業のスピンオフが完了した』というニュースを受けてのものだったようです)。

…というわけで、一足先に決算結果が判明しているHPQの動きは全く参考にはならないでしょうが、HPEはどうなるでしょうか?

【ペーパー取引】
上記のDXCのスピンオフうんぬんで今期の決算は下方修正されたようですが、下方修正されたのであればもう織り込み済み、きっと、そこまで大きく下がることはないのではないでしょうか。
それなりに高いIVが見受けられたので、ここはなるべく安全に、結構なディープアウトオブザマネープットを売却してみましょうか。

○今週満期・行使価格17ドルプットを、0.10ドルで100枚売却(証拠金として17万ドル拘束、プット売却代金として1000ドルゲット)
◎投入合計:-16万9000ドル→満期まで放置

…まぁ売り取引なんで利益も極小のつまんない取引ですが、10%を超える大暴落さえしなければ勝てるので、きっと大丈夫なのではないでしょうか。

 



2. BOX (Box)

 

 


【注目理由】
水曜日(市場終了後)に決算報告があるため。

【適当コメント】
いわゆるクラウドストレージ、ファイルをオンライン上で保管・共有を可能にするサービスを提供する企業ですね。
2015年に上場したばかりの、割と新しい企業です(ビジネス形態が新しいので当然ですが)。

クラウドストレージとしてはGoogle DriveやDropbox、iCloudなんかが有名ですが、名前がクッソ似ていてややこしいものの、このBoxとDropboxは別物です。

個人で使う分にはほとんど違いなどあってないようなものに思いますが、やはり大きな収益を上げるなら弱小個人よりも企業でしょう。…ということで、どんな感じで使われているのか、使い分けについて調べていたら、こちらのサイト(Boxをなぜ選ぶ?他のクラウドストレージと比較しての利点を解説 (https://seleck.cc/688))によると、『米国の売り上げ上位500企業に限っていえば、97%がBoxを利用している』、とのことでした。いいじゃない!

実は個人的にも(ごくたまにですが)Boxを使っているので(1円も払っていないのでBox側には要らない客でしょうが)、何となくBoxはいいんじゃないかな、なんて気がしています。

しかし、株価としては、上場来全く冴えませんね。上場時の株価を、未だ一度も取り戻せていません。
…が、直近1年の決算は見事なまでに予想を打ち破り続けていますし(それでもEPSマイナスですが)、最近は割と上り調子にも見えるため、今期も期待はできるのではないでしょうか。

【ペーパー取引】
…ってことで、ここは攻める形でオプション買いに走ってみましょう。個人的には、上がるんじゃないかな、という予想というか期待のもと、投入資金的にはコール偏重の同数買い、ロングストラングルです。

○6月満期・行使価格19ドルコールを、0.70ドルで2000枚購入(14万ドル)
○6月満期・行使価格18ドルプットを、0.40ドルで2000枚購入(8万ドル)
◎投入合計:-22万ドル→下がった方は即売却、上がった方は、大上がりし続けそうなら市場終了まで粘って売却。

…またまたギャンブル投資、若干無謀だけど、今回はどうかな?大きな上昇を期待しましょう。



3. DG (Dollar General)

 

 


【注目理由】
木曜日(市場開始前)に決算報告があるため。

【適当コメント】
その名の通りの100円ショップ(1ドル以外の商品も普通に扱っていますが)、いわばアメリカ版ダイソーでしょうか(=100円ショップ最大規模)。
ウォルマートが好調だったからね、ダラーショップ系小売店も、きっと好調に違いない…という気はしますが、チャートを見ると、もちろん株価は長期的には伸びていますが、直近1年はまさにポインタで示した通り、大きく下げています。
でも、直感的にはもう下げ止まっているような気もするし、どうでしょうね?決算履歴を見ると、割と、これまで決算内容は予想通りのことが多かったようなので、今回の前期より若干低めの予想も、大体その通りになる=ほとんどサプライズはないのではないでしょうか?

【ペーパー取引】
…まぁ、何となく若干上がる気はするけれど、もしかしたら若干下がるかもしれないしということで、どちらに動いてもそこまで大きい動きでなければ利益を上げられる、コールとプットの両建て売り、ショートストラングルに挑戦してみましょう。

○現物株を現在株価72.32ドルで1000株購入(7万2320ドル)
○今週満期・行使価格75ドルコールを、0.95ドルで10枚売却(現物株が担保、コール売却代金として950ドルゲット)
○今週満期・行使価格72.5ドルプットを、2.15ドルで10枚売却(証拠金として7万2500ドル拘束、プット売却代金として2150ドルゲット)
◎投入合計:-14万1720ドル→大きく動いたら速やかに対処すべきな気もするけど、事前に指定しておくのは難しいので、基本放置で。

…コール&プットの両建て売りという形なので、基本安定度が高い割に、利小の形。ともかく大きく動かなければ快勝にはなるので、あまり動かないことを希望。



4. MBLY (Mobileye)

 

 


【注目理由】
木曜日(市場開始前)に決算報告があるため。

【適当コメント】
自動運転技術(単眼カメラ)の開発企業・MBLYです。割と米国株取引で人気のおなじみ企業かと思いますが、チャートが面白い形、よくある大ジャンプからその後ほぼ一直線横ばいを描いている通り、3月にあのINTC(インテル)からの買収ニュースが流れました。

インテル、モービルアイを150億ドルで買収へ-自動運転分野を強化
(https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-03-13/OMR5JA6K50XS01)

内容は↑こちらの記事にある通りですね。インテルはMBLY株主に対して63.54ドルを支払うとのことで、株価は3月13日以降その水準で横ばい…と思いきや、意外と63.54ドルからは離れている上に、結構完全横ばいではなく、若干ですがそれなりに値動きもあるんですよね。

これは何故なのか?と不思議だったんですが、上記記事にも出てきたNXPI (NXP Semiconductors) の株価を見てみても、買収発表後の昨年10月から、買収元のQCOMが支払う予定の110ドルより遥か低い株価で膠着していたようですね。



最近になって110ドルに近付いてきましたが、色々調べてみるとこの値動きはいわゆる合併アービトラージと呼ばれる戦略に密接につながる話のようで、買収の発表から買収取引終了までは通常結構な時間があるものの、最終的な取引価格は決定していることから、先物取引やオプション取引でのゼロリスクリターンを調整するため、株価はリスクフリーレートとして割引が適用された形で取引が行われ続けるのが一般的のようですね。
もちろん、合併話が今後ポシャるリスクだって当然あるため、そういったリスクを考慮しても、しばらくは最終的な支払い金額より低い株価で取引がなされる、とも言えるようです。

これまであまり注目していませんでしたが、買収が決まった企業の取引に飛びつくのも、結構面白そうです。

【ペーパー取引】
翻って今回のMBLYですが、直近の決算報告は、あまりにも美しいとしか言えない、利益予想は漸増&毎期その予想を若干上回り続けてきたという形で、素晴らしいですね。
しかし、既にインテルによる買収が決まっているので、仮に好決算でも取り立てて動きはないように思います。

週1オプションがあれば良かったんですが、残念ながら月1オプションしかないようですね。
まぁ、1週間では上手く動かないかもしれませんが、恐らく株価が下がることはないと思うので、1週間での時間的価値の下落にかけてプット売りをしましょうか。

○6月満期・行使価格60ドルプットを、0.20ドルで100枚売却(証拠金として6万ドル拘束、プット売却代金2000ドルゲット)
◎投入合計:-5万8000ドル→来週まで放置。

…まぁ、1週間では大して動かないと思われるので、この1週間縛りの取引ではマイナスになるかもしれませんが(かなり売り手に損な形で売却した取引であるため)、もっと長期視点で見られるのならば、ぶっちゃけリスクと比較してクッソお得な取引対象であるように(=このプットは、99.99%アウトオブザマネーのまま終わる気がするので、あと3週間放置しておけばプット売却代金分、完全丸儲けになる気がする)、個人的には強く思うのですが、恐らく市場にそんなリスクゼロの取引対象が放置されているとも思えないので、浅い思考による勘違いかもしれません。
…まぁ、実際NXPIは買収ニュースからしばらくの間、100ドルを割るぐらいにまで結構下がっていた瞬間もあったみたいですしね。どうなるかは分かりませんが、MBLYのオプション板、買収完了まで、たまに覗いておこうと思います。



5. ISRG (Intuitive Surgical)

 

 

 


【注目理由】
今年に入って凄まじく値上がりを続けており、直近20日の値動きの強さで米国市場トップ3(オプション取扱企業のみ)に位置していたため。

【適当コメント】
Wikipedia日本語版(https://ja.wikipedia.org/wiki/インテュイティヴ・サージカル)も存在している手術ロボット製造会社であり、外科手術システム「da Vinci」で知られる、とのことです。

そのダ・ヴィンチのWikipediaページも上記ページ内に既にあり、胸腔ないし腹腔の内視鏡下手術用のこのロボット、臨床実績は既に年間28万例にも達するとのことです。

…正直、『すっげ…』としか思えませんね。いつの間にやら技術はここまで発達していたのか。
日本にも1億7000万円または2億4800万円のこのロボットが237台導入されているそうで、近い内手術はほとんどこういったロボットが担う未来がやってくるのかもしれません。

…これは実に凄いな、単に直近の値動きが強かったので注目した対象でしたが、マネーゲーム的な短期取引ではなく、こういう企業にこそ、もう寄付するぐらいのつもりで、技術発展のために大きく投資したいものですねぇ…!

【ペーパー取引】
…というわけで、1週間では思うように動かない可能性の方が高いですが、そんなのはもうどうでもいいので、上がる方向に賭ける取引、つまりコール買いとプット売りをしてみようと思います。
最初今週満期のコール買いにしようと思ったのですが、買い取引で、特にイベントがある訳でもない状況でのその時間の短さは厳しすぎるので、1週間先の満期のものを対象とすることにしました。

○今週満期・行使価格910ドルプットを、6.30ドルで1枚売却(証拠金として9万1000ドル拘束、プット売却代金6300ドルゲット)
○6月第2週満期・行使価格912.5ドルコールを、10.20ドルで100枚購入(10万2000ドル)
◎投入合計:-18万6700ドル→プットは満期まで放置。コールは…事前指定は難しいし、一応満期まで時間はあるので基本来週金曜まで放置でもいいかもしれないけれど、そうだな…約50%アップの15ドル以上で売れるぐらい上がっていたら、その時点で欲張らず売却しておきましょうか。

…ま、仮想取引はただのおまけです。正直、この企業は今週に限らずぜひ今後も注目していきたいですね。



6. CAMT (Camtek)

 

 


【注目理由】
同じく最近凄まじい勢いで上昇しており、(金曜日は少し下がったものの木曜日時点では)直近20日値動きの強さが米国市場トップ、テクニカル指標も非常に強く、さらなる値動きが期待されそうなため。

【適当コメント】
こちらはISRGとは違い超弱小株価ですが、こちらも未来を感じる技術、AIの基盤をなす半導体の光学検査システムを中心に、3次元平面へのインクジェットプリント技術なども扱う、と公式サイト (http://www.camtek.com/) には載せられていました。

…が、こちらはまだまだ実体はない感じですね。最近の上がりも、特にこれといったニュースはなく、謎の上げといった感じです。それでもかなり勢いがあるのは間違いないので、この先どうなるか見ものという感じですね。…まぁ、よくある大きく上がったボロ株なだけな気もしますが。

【ペーパー取引】
弱小株だけあってオプション取扱品目が少なく、非常にやり辛い…。まぁ、あまり資金を入れない感じで、またオプション買いギャンブルにチャレンジしてみましょうか。

○6月満期・行使価格5ドルコールを、1.20ドルで100枚購入(1万2000ドル)
○今週満期・行使価格7.5ドルプットを、1.50ドルで100枚購入(1万5000ドル)
◎投入合計:-2万7000ドル→これも、特に何のイベントがあるわけでもないオプション買いポジションなので、売り抜けの事前指定が難しい…。ま、リアルタイムに追ったとしても、どうせ大して動かず売り時を見過ごしてズルズル引っ張ることになる気はするけど、どちらもインザマネーオプションなので、若干売りやすくはあるか…。
コール&プット同時売却で、10%ぐらいの利益が出そうなら、速やかに利確しましょう。利益になりそうになかったら…まぁ満期は来月だし、金曜日までズルズル引っ張ってもいいかな?

…正直、こんな微妙な感じの弱小銘柄は、1週間で偶然大きく動くという期待もしにくいし、あまり注目する価値がなさそうだな(前回のVNETとかと同様)。まぁ、完全ギャンブル枠で、最近目立った値動きをしている銘柄を入れるのも悪くはないのかもしれませんが。



…というわけで、今回は80万2420ドルの仮想投資です。うーん、何かイマイチ『これはいけそうだ、楽しみだ!』という感触はないけれど、そういう方がこれまでの経験上案外上手く行くのかもしれません。

まぁ、結局運試し以外の何物でもありませんが、また値動きを追ってみようと思います。