職場の福利厚生の一環で、いろいろに使えるチケットが毎年5000円分支給される。
1000円券が5枚。
このチケットを使うと映画が安くなる。
チケットを提示した時点で1800円が1500円に。
1000円分が引かれるので、現金で支払うのは500円。
ワンコインで封切りしたばかりの映画が観られるのでお得感満載だ。
私のチケットはすべて映画鑑賞に消え、くまさんの分も勝手に2枚使い込んだ。
「あのチケット、4月30日で無効になるよね。あなた、何枚使いました?」
「私は自分の分を全部使い切って、くまさんのを2枚いただきましたね。」
「ってことは、3000円分未使用ってことだ。もったいない。ローソンで何かの前売り券を買っとくよ。」
請け合ったくまさんだったが、翌日、ポツリときたLINEが笑える。
「ロッピーの使い方が分からない。」
「じゃ、私がやりますから、そのままにしておいてください。どんなチケットを買うか、よく考えるのだ!」
この2年ほど、くまさんは有効期限付きの映画館フリーチケットに替えていたが、これが意外と使いにくい。
それに、私には下心がある。
くまさんはGW前半の3連休を山スキーに使いたいらしい。
5月1日に結果を出さねばならない持ち帰り仕事を抱えた私は当然お留守番。
ならば、もう一度、あしかがフラワーパークに行ってみたい。
数日前に行ったばかりのなのだが、あまりに魅力的でたまらなかったのだ。
先週末は咲きかけだった白藤が見ごろを迎えたようだし、固いつぼみだった黄花藤も咲き出したという。
黄色い藤など見たことがないから、是非見てみたい。
何より、あの甘い香りをもう一度、胸いっぱい吸い込みたい。
ならば、コンビニで前売り券を買うのがよい。
ヘッヘッヘッ。
そんな話をちょっとしてみた。
くまさんは私の雑談など風の音ほどにも気にかけないことが多い。
まして、自分が留守中の私の動きなど、関心があるはずもない。
けれども、このアイディアは彼にも魅力があったらしい。
「連休初日、車であしかがフラワーパークへ行って、藤を見て、あなたは電車で帰る、僕はスキーに行くってどう?」
「おお。それは素晴らしい。」
「では、ロッピーで前売りチケット買ってみる。」
有効期限切れ直前に、3000円券は無事、フラワーパークの入場券に化けた。
「ロッピー使えた。現金で追加したのはたったの200円だよ。あの花をひとり100円で観られるなんて、うまいことやったなぁ!」
くまさんはご満悦だ。
6000台の無料駐車場があるというだけあり、さほど遠くもない場所に駐車し、入場してみる。
色が多少褪せたとはいえ、紫の藤は先週末よりも房を伸ばし、わずかな風にもゆさゆさと揺れている。
白藤からは濃厚な香りが漂い、足元にはペチュニアが満開を迎えている。
ライトアップもステキだったけれど、真っ青な空を背景にするのも素晴らしい眺めになる。
ツツジはすっかり花が終わってしまっている。
が、シャクナゲは咲いている種類が増えたようだ。
少し進むと足元にこんな艶やかなシラン。
デルフィニウムの青も空に負けていない。
デルフィニウムの花言葉がいい。
「高貴」「清明」「あなたは幸福をふりまく」
逸話もついている。
昔、海でおぼれかけた青年をイルカたちが助けてくれた。
青年はイルカと仲良くなり、連日浜で戯れるようになる。
すると、イルカの訪れが漁の妨げになり、漁師がイルカの捕獲作戦を立てる。
それを知った青年はイルカを逃してしまう。
怒った漁師たちは青年を海に投げ込み、青年は命を落とす。
悲しんだイルカたちが神に願い、デルフィニウムに生まれ変わらせた…
ひどいぞ、漁師。
さて、園内何か所もある黄花藤のトンネル。
房は短めだが、香りが明るい。
先日は10cm足らずの固いつぼみの粒をつけた蔓のようにしか見えなかったのに、見事な咲きっぷり。
こちらの八重黒龍藤も先週より花が進んで、今が満開。
まるで巨峰の房が下がっているようだが、ひとつひとつが八重咲きの藤。
すごーい!
白藤も満開。
トンネルの中は…
木漏れ日を映して、先週の3倍くらいの人がこの白藤のトンネルの中で写真を撮っている。
甘い甘い香りに、中国語の人も、韓国語の人も、ヒンディー語の人も英語の人も、関西弁の人もみんな笑顔!
先週はまだ貧相に隙間を開けていた白藤の滝。
おみごと~!
園内はすでに次の季節に向けて生命が動いている。
バラも…
クレマチスも咲き始めている。
ああ、楽しい。
ライトアップを待たずに藤たちにさよならしたが、満足感は高い。
あしかがフラワーパークは、冬になると見事なイルミネーションになるという。
きっと、わたし、また行っちゃうな。
くまさんに途中の駅まで送ってもらい、JRに乗り込んだあとの記憶があまりない。
ゆったり座って2時間ちょっと、爆睡して過ごしたからだろう。
暑くて暑くて、日焼け止めも効かず、ヒリヒリと頬が火照る。
フフフ。
楽しかった!
さて、連休は始まったばかり。
今日は何をしようかしら。














