令和3年度司法試験 公法系科目第1問 再現答案 | らみの気まぐれ日記

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令和3年司法試験合格

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こんにちは、らみです😊

お待たせいたしました。本日は令和3年度司法試験の再現答案を書きたいと思います📝

以前書いた京都大学のロー入試の答案を見てくださった方は分かるかと思いますが、カンペキな答案ではなく、実際にわたしが本番どのように答案を書いたかをざっくり説明します。

答案構成用紙をもとに書きますが本番わからなかったところや記憶が曖昧なところもございますがご了承ください。また、本番の時間内に書いたものですので当然たくさん間違っていると思います。あくまでもご参考に。

法務省のサイトにて出題の趣旨が上がっていたのでそれをもとに復習も兼ねて自分の書いた答案と比べてみたいと思います。

 

まだ司法試験の順位もわからないので、とりあえずこのくらい書ければ合格圏内であるという程度にお役立てください🙇‍♀️

(こんなもんかって思うのも自由です😅)

 

本日は公法系科目第1問(憲法)について書きます。

配布されるのは答案構成用紙(A3)1枚と答案用紙(A4)8枚です。時間は2時間です。

ちなみにわたしは時間内に書ききれなかった途中答案の科目はありませんでした。すべての科目について時間内に書ききることができました!

 

結果が出ましたので追記しておきます。

公法系第1問はA評価をいただきました!

 

 

 

公法系科目第1問

今年の問題は判例や反対の見解に言及しながら法律家甲の視点から論じよというものでした。問題文には法律家甲とXの会話が書かれているため、ここからヒントを探りました。

余談ですが、自主ゼミをしていた友人が明確性の原理を書くべきかいつも迷って書くべきときがわからないという話をしていたのですが、今年の問題には明確性の検討は必要ないと明示されていましたので本番中に心の中で「よかったね!!」と思ってました☺️笑

 

 

規制①について。

顔を隠して集団行進する自由が憲法21条の表現の自由及び集会・結社の自由にあたると考えました。

そこでまず、保障範囲について、集会の自由についての成田新法事件の判例を思い出しました。

『集会は、国民が様々な意見や情報等に接することにより自己の思想や人格を形成、発展させ、また、相互に意見や情報等を伝達・交流する場として必要であり、さらに対外的に意見を表明するための有効な手段である。』という規範が使えそうだと思いました。

そして、21条の集会・結社の自由にはどのような表現行為をするのかも含めて保障されているということを書きました。

出題趣旨によると、集団行進への参加の態様の制約にとどまらず「匿名表現の自由」という問題を含むとされています。

わたしは規制①で集団行進の自由を重視してしまった気がします。一応集会の自由として位置づけることができるとはされているので間違いではないと思いますがもう少し意識できればよかったです。

 

そして、制約については規制①が正当な理由なく顔面を覆う行為を一切禁止していること、違反したら10万円の罰金が科されることを指摘しました。

これについて、会話文の一番初めにあるように平穏にデモを行っている多くの参加者にまで一律に規制を及ぼすことになるという意見が考えられますが(反対意見)、顔を覆う行為に特定のメッセージ性は有していないため、表現の自由や集会の自由そのものへの規制ではなく内容中立規制であると考えました。

出題趣旨によるともう少し匿名表現の意義を踏まえた慎重な検討が必要となるとされています。他方、内容中立規制である点を強調する議論も考えられるとしています(デモ隊暴徒化論は思いつかなかった)。

 

正当化について、判例は上述したように集会・結社の自由を重要な権利であるとしています。そのため、ここでも判例を意識して公共の安全に対し明らかな差し迫った危険を及ぼすことが予見されるとき(泉佐野事件)にのみ許されるという厳格な審査をすべきという意見が考えられます(反対意見)。しかし、わたしは制約について外部に何らかの表明を行うものではない内容中立規制であって、さらに集団行進は行動が伴うため、厳格な審査ではなく目的が重要であって手段との間に実質的関連性がある場合に合憲とすべきとしました。

 

目的は会話文にある通り集団行進において公共の安全を害する行為が行われるのを抑止することです。集団行進は大人数での行動を伴うため、周囲の平穏や生命、身体を害する恐れがあるため目的は重要と考えました。

手段は顔面を覆う行為を禁止することですが、正当な理由は除かれていること、事前に把握や特定が困難であること、顔を覆うことで心理的ハードルが下がり犯罪が増えることなどを考慮すれば目的を達成するために実質的関連性があると考えました。

よって規制①は合憲としました。

 

 

 

規制②について。

報告を義務付けることがみだりに団体の行動を観察されない自由を侵害し、憲法13条のいわゆるプライバシー権を侵害するのではないかと考えました。対象の団体は私的団体であるため、前科照会事件や早稲田大学公演会事件を思い出しました。

前科照会事件ではいわゆるプライバシー権について『私生活をみだりに公開されない法的保障ないし権利』としています。

また、早稲田大学講演会事件判例の調査官解説では『私的領域への介入を拒絶し、自己に関する情報を自ら管理する権利』としているのでこれに沿って書きました。

わたしは規制②についてプライバシー権のみ問題としましたが、結社の自由、表現の自由も問題となるようです。本番で監視によって萎縮効果が生じ表現の自由も侵害されるのではないかということが一瞬よぎりましたが、時間の関係でプライバシー権中心に議論しました。

 

制約については、行動を観察されるだけでなく都道府県公安委員会に提供されることがあるとされているので、単なる把握よりも強い規制であると考えました。また、虚偽の報告によって50万円以下の罰金となる点も指摘しました。

この辺は住基ネット訴訟に沿って情報の収集、開示、公表のどの段階なのかを意識しました。

 

観察の対象となるのは誰もが見ることができる(プライバシー外延)情報であって、氏名、住所、パスワード等のいわゆるプライバシー固有情報は含まれないため、厳格な審査の必要はないのではないかとも考えられます(反対意見)。

しかし、SNSには様々な情報が含まれるため、氏名や住所などを把握しなくとも特定できてしまう恐れがあることや、行動を把握することによって個人の思想、信条までも把握できてしまうこと、そしてそれが開示されてしまう恐れがあることから厳格な審査が必要であると考えました。

そこで、目的が必要不可欠であって、手段が必要最小限である場合のみ合憲とすることにしました。

目的は会話文にある通り、公共の安全を害する行為を助長している団体の活動を把握することです。

しかし、この段階では助長しているにすぎず、危険性は大きくないと考えました。

また、手段としては会話文にある通り現状を踏まえ処罰された構成員が10%以上であるという基準があること、観察処分も一年を超えないとされていることから最小限であるという意見が考えられます(反対意見)。

しかし、実際に危険がない者のプライバシーも網羅的に把握され、開示される可能性があるとすれば最小ではないのかなと考えました。

答案構成用紙には「違憲かも」って書いてあったから本番このへんは迷ったのだと思います。結局結論どっちにしたか覚えてないです。。

GPS捜査の判決は思いつかなかった。

 

以上で公法系科目第1問を終わります。(疲れたー😫)