アルスラーン戦記 92 | 大掴ひつじ物語

大掴ひつじ物語

たいへん狭い範囲の非常に分類しにくいうえによく途中で切れている記事置き場

「見送りもならぬ」とマジ、着の身着のまま

城から放り出された王太子殿下 。一方で城に

残るようアンドラゴラス氏から命令された

ダリューンとナルサス両名は共々一室に

軟禁された上に、四方八方から聞き耳をたて

られてる状況。

毎度おなじみ眉間に皺が寄り切ってるばかりか

完全に目が据わり、はっきりと犯罪者レベルを

乗り越え何処に出しても通用する殺人者

顔になっている黒騎士に、口ではザ・世間話

しながら机の上に指文字で今後の対策を語る

宮廷画家(予定)。

国王はナルサスたちが自分ではなく王太子

アルスラーンに忠誠を尽くす気でいることを

知っており、実際に出奔するのを待っている。

そうすればまとめて処分できるしと言われ

今更ながら、それぐらいリアルに敵認定

されていることを実感する黒騎士。

自分たちの動きは決まっているが「楽士や

女神官殿はどうする」と聞くと「特に連絡

しなくても現地で集合できるだろう」という

ナルサス。実際の「どーでもいい世間話」の中で

「お主は二人を信頼してんだな」という

部分は声に出すダリューン。

 

(こんなことがあればこうしようと考えて

行動できる)エラムとアルフリードが

きっちり騒ぎを起こすが、普通に火事

出すのではなく、厩舎にをつけて馬を外に

出させるという展開は上手い。

現場では兵士ではないの見たことある顔と

「馬が焼け死ぬぞー!全部外に出せー!」

と煽っていてwww。

その騒ぎに乗じて城からの脱出に成功する

黒騎士だったが、道上でキシュワード卿が

こちらもきっちり待ち伏せており。すわ

万騎長同士の一騎打ちという絶望的展開

だったが、双刀将軍の馬を射抜き、無力化

した(しかもよく見ると馬はすぐ立ち上が

っており「ちょっとケガした」くらいに

手加減したらしい恐るべき)女神官の

ナイス手腕。

落馬したまま自分は動かず、まんまと逃げ

去った連中についてはさらに追撃を命じる

双刀将軍だが

「本気で追ってよろしいのですか」と少々

空気を読みすぎる部下の声に「当たり前だ!

国王陛下の御意であるぞ!」と声に出しては

言うものの

「お前らが本気を出しても追いつける奴らじゃ

ないわな」実は国王陛下の命令に対して

あまり誠意のないというか熱心さに欠ける

態度のキシュワード卿であったとさ。

別の場所で逆に馬を射抜かれ、追手の兵士に

囲まれてちょっとピンチだったナルサスは

追いついた子供たちにうまく拾われ、そのまま

夜の中を大陸航路を逆に走り去る。

 

一方の王太子殿下は、日が暮れるまでに近くの

村で泊めてもらおうと思ったそうだが、そも

出発が夕方だったので間に合わず。あわてて

火を熾したりして野宿の準備をしておられる。

「いつもはエラムにやってもらってるんだなあ」と

言いつつ、それなりに自分でなんとかしてるし。

まあ町育ちであるのと普段から周りの人間の

動きをみてるってことでしょうか。 ただここで

殿下は意外と「本当に一人になったことが

ない」という事実が明るみに。

父母からは放任されていたとはいえ、王宮を

離れてからも必ず信頼できる大人と一緒に

いたんだなと本人と追体験してしまう。

一夜明け。事実上追放されたこと、一人に

なったことを思い、俯く彼の元に。

朝日の昇る方向から。

朝の光を背に。

もう会えないかもしれないと思った仲間

たちそれぞれの、それぞれらしい表情

駆け寄ってくる姿を認め、マントを振って

大きく飛び跳ねているオーバーアクションの

殿下 。

見どころの多いこの物語の中でも特に

本編屈指と言われる名場面の一つは来月。