第二章 友達の絆 150 | Beyond Despair

Beyond Despair

― 絶望の底に落ちた少女の先に待つ運命 ―

「大佐、今は彼らを安全な場所に」

考え込むエリックにエリーカが凛とした声でそう言った。

「そうだな……。では君たち、乗りたまえ」

エリックはエレナが眠っている車を指さす。

どうやらアレに乗れ、と言うことらしい。

しかし生憎、私はまだ本調子ではないらしい。

まだ自力で立つ力すら無いのだ。

「ライト、立てる?」

「いや……少し肩を借りたい」

了解、とアイネが笑顔で答えてくれる。

私はアイネの肩に腕を回すと、そのままゆっくりと立ち上がる。

すると、騎士団の車のドアが開いた。

そして中からコチラに急いで向かってくる女子生徒が一人。

火野川愛花である。

愛花はエリックを横切ると私の元へとやってきた。

「肩、私も貸す?」

「いや、アイネが居るから大丈夫だ」

私がそう言うと愛花はそう、と頷いた。

そう言えば、エリックに私が自分達を置き去りにした事は言っていないのだろうか。

愛花から話は聞いたと言っていたけど。

「……愛花、お前……エリックに」

言わなかったのか、と言いかけて愛花に人差し指で口止めされる。

「今はその話はいいの。だからアンタも今は自分の身体の事を考えなさい」

ウィンクしながら愛花は小声でそう言った。

ついつい笑ってしまう。

「さ、早く乗りましょ」

愛花はそう言いながら先行し、騎士団の車に戻って行く。

私とアイネも後に続き、車へと向かった。

車の中には疲れきったのか、すやすやと眠っている奴らが三人。

一人は坂口弥、一人は極道龍二、一人は……今回一番被害にあったエレナ。

坂口と極道は疲れきった表情だが、エレナだけ精神的に疲れた表情で眠っていた。

愛花は一度、そんなエレナの頭を優しく撫でると車の座席に腰を下ろす。

「ライト、座るよ?」

アイネはそう言いながらゆっくり私を座席に座らせる。

そして隣によっこらしょ、とアイネも腰を下ろす。

ふと、私はまだ車に乗っていない護に視線を向けた。

護は呆然と炎が舞い上がる方をじっと見つめている。

その背中からは、どこか儚さを感じられた。



/続く



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