第二章 友達の絆 139 | Beyond Despair

Beyond Despair

― 絶望の底に落ちた少女の先に待つ運命 ―

やっと出来たから、だから手放したくないと。

だから必死にライトを庇ったり説得したりした。

エレナの時でも、彼は恐怖を顧みず必死に探していた。

「だから、俺みたいな奴を慕ってくれる奴を傷つける奴は……絶対に許さねぇッ!!!」

力強いその言葉に男は舌打ちをする。

ノソノソと立ち上がり、男も護と対峙した。

「けどよ、坊主……結局テメーにゃ何も出来ねーよ。そうだろ? この世は全て力なんだよ!」

男は両腕を翼の様に広げる。

「力がある者が生き残り、無い者は喰われる。弱肉強食、これまさしく人類の世界その物だろうが、アハハハッ!!!」

「それでもコイツらは俺を貶したりしないッ! そりゃ怒られる時もあるけど、それでも助けてくれる事もあるんだッ!」

護の反論に更に苛立ったのか男は眉間にシワを寄せる。

広げていた腕をダランと下げると、男は護に蛇腹剣を突きつけた。

「綺麗事ばっか並べんなよクソガキが。蹴落され、騙され、嘲笑われ、横取りされ、蹂躙され、無念に散った〝オレ達〟の気持ちが分かるかぁ!?」

男の叫びにエレナはビクっと身体を震わせる。

しかし護はそんな男の叫びにも動じない。

「分かりたくても、俺はお前らがどんな奴らなのか知らない。だけど、そうやって 恨めば、憎めば、殺せば満足するのか、お前らアヴェンジャーってのはッ!?」

その言葉に痺れを切らしたのか、男は護に蛇腹剣の刃を伸ばす。

男と護の距離はそこまで開いておらず、すぐにでも護の首を斬り落とせるだろう。

「――ライト、お願いッ!」

と、愛花のその声で傷口が完治したと分かったライトは人とは思えない速さで護に駆け寄る。

そして護を飛び越え、彼に迫る蛇腹剣に即座に作り出した槍を空中で投げ付けた。

伸びた刃はライトの投げ付けた槍に円を描く様に巻き付く。

そしてライトは地面に突き刺さる槍の側に着地した。

槍を左手で掴み、ライトは目の前の男を睨みつける。

「……テメーッ!!」

ギリっと歯を鳴らすグリード。

しかしライトは何も言わず、右腕に力を込めた。

すると彼女の右腕を黒い渦が被うと同時に、右手に男の脳天に刺さっていた物と同種のナイフが握られる。

それをライトは素早く勢いを付けて男の心臓部に投げ付けた。

ナイフは深々と男の心臓部に突き刺さる。

が、男は顔色一つ変えずにただライトをじっと睨みつけていた。



/続く




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